ポリ袋ブログ

主にポリ袋について書いています。

国際原子力機関と海洋プラスチック問題

2022年10月31日 06時25分46秒 | ポリ袋
IAEAといえば国際原子力機関であるが、IAEAも海洋プラスチック汚染を解決するため動きだしている。
いったいどんな技術を活用できるのか注目していきたい。


以下、令和3年6月11日 外務省の報道発表




6月8日、我が国は、国際原子力機関(IAEA)の6月理事会(ウィーン)において、IAEAが海洋プラスチック問題に取り組むために立ち上げた「NUTEC Plastics」事業に対し、我が国の平和的利用イニシアティブ(PUI)拠出金により100万ユーロの支援を行うことを発表しました。


「NUTEC Plastics」事業は、海洋プラスチックの追跡や海洋生物への影響評価、プラスチックのリサイクル等への原子力科学技術の活用を促進すること、及び、これら分野におけるIAEA加盟国の能力構築等を行うことを目的としています。
5月18日には、「NUTEC Plastics」アジア太平洋地域ラウンドテーブル会合がオンライン形式で開催され、笹川博義環境副大臣がビデオメッセージを発出するとともに、近藤智洋環境省地球環境審議官が出席し、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を含む日本の取組を紹介したほか、今後の協力の可能性について議論が行われました。本分野における我が国の技術的な貢献やIAEAとの協力強化が期待されています。
(参考)「NUTEC Plastics」事業の概要
グロッシーIAEA事務局長が、国際的に関心が高まっている海洋プラスチック問題に原子力科学技術を応用活用することを目的として提唱。同位体技術を用いた海洋プラスチックの追跡や海洋生物への影響評価、放射線の照射技術等によるリサイクル技術の確立や、これら分野におけるIAEA加盟国の能力構築等を目的としたプロジェクトを実施予定。
5月18日には、アジア太平洋地域でのラウンドテーブル会合を開催。グロッシー事務局長、リムASEAN事務総長、インドネシア環境林業大臣やマレーシア科学技術イノベーション大臣他が出席。

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生分解させるスイッチ

2022年10月30日 10時22分32秒 | ポリ袋


海洋生分解性プラスチックをいつから分解させるかはとても重要な案件だ。
例えばレジ袋なら、どんなスイッチを仕込むのだろうか。
水分を感知した時では、雨の時には途中で切れてしまうことにもなりかねない。
かといって、海洋にしか存在しない微生物がスイッチとなれば、地上に誤って放出されたレジ袋はいつまでも分解されないことになる。


スイッチ機能の付与
[課題]
例えば、海洋生分解性プラスチックで被覆された肥料では肥料成分の溶出調整機能とプラスチックの生分解性の両立が求められ、漁具では水中で利用する前提であるため、水に長時間接触しても使用中に分解することなく意図したタイミングで生分解が開始されるスイッチ機能が必要である。
[対策]
使用する用途に合わせて海洋環境中の特徴的な外部刺激をトリガーとし、生分解の速さや生分解が開始するタイミングを制御するためのスイッチ機能を、海洋生分解性プラスチックに付与する技術開発を行う必要がある。
[施策]
・【経済産業省、NEDO】より大胆な発想に基づく挑戦的研究を支援する施策を検討


海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップより
令和元年5月7日
経済産業省


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再生に不向きな生分解プラ

2022年10月29日 09時46分28秒 | ポリ袋
海洋プラスチック汚染の救世主と考えていた生分解プラスチックだが、欠点もあることを知る。
海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップ より
令和元年5月7日
経済産業 省
産業 技 術環 境局
製造産業 局
商務・サービスG


④ 識別表示の整備、分別回収・処理に係る検討
[課題]
生分解性プラスチックは分解しやすい性質の反面、再生樹脂として再利用する点については不向きであるため、将来的に海洋生分解性プラスチックの流通が相当程度拡大した場合には、非分解性プラスチックと混合されて回収されることにより現行のリサイクルシステムに影響を与える可能性がある。
[対策]
汎用プラスチックと生分解性プラスチックを分別して回収するための生分解性プラスチックに関する表示を整備し、分別回収を可能とするとともに、分離回収技術の開発も検討する必要がある。さらに、分解しやすい性質を生かしたガス化による有効活用等、生分解性プラスチックの資源循環も検討する必要がある。なお、国内の生分解性プラスチックに関する表示については、策定されたISOを踏まえ、日本バイオプラスチック協会等による識別表示制度を構築していく(再掲)。
[施策]
海洋生分解性プラスチックの使用後の回収・処理のシステム整備のために、以下のような施策の検討が考えられる。
・官民連携でプラスチック製品の生分解性評価等に係るISO策定を推進(再掲)




生分解性プラスチックはトウモロコシ等が原料であるから、リサイクルしなくてもいいのかもしれないが、栽培、作成にはエネルギーを使う。


そのエネルギーも再生可能なもので賄えるといい。

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白色汚染

2022年10月28日 09時20分46秒 | ポリ袋
白色汚染

中国では、1970 年代末にプラスチック製レジ袋が入ってきて,使いやすく低コストであるため、普及が一気に進んだ。

日本よりも人口が多いため、使用数量も多く、不法投棄されたレジ袋などのプラスチック製品は「白色汚染」と呼ばれ、自然環境に多大な負荷を変えている。

白色汚染とは、レジ袋や発泡スチロール製の容器など、プラスチック製品の大量消費と投棄によって引き起こされる汚染で、プラスチックは白色の製品が多いことからそう命名された。

プラスチックは土中に埋めても分解されることはなく、廃棄されることにより、土地の質、農作物の成長にも影響を及ぼし、野生生物が廃棄プラスチックを誤食することで命を落とす事態が発生している。

中国では,レジ袋の生産・販売・使用の制限に関する規制政策を導入し,2007 年 12 月 31 日に《レジ袋の生産販売使用における制限の通知》が中国・国務院事務局2)によって公布され,2008 年 6 月 1 日から実施され、5年後にはレジ袋の使用量が3分の1になった。

2016年中国の上海と宿遷市に行ったがどこで買い物してもレジ袋はもらえなかった。

すでに制限されていたのだからしょうがない。


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海洋プラスチックごみの真実

2022年10月27日 09時19分05秒 | ポリ袋
海洋プラスチックごみの真実
マイクロプラスチックの実態と未来予測
磯辺篤彦著 

生分解性プラスチックの問題点が述べられている。

1 生分解性プラスチックは限られた条件下で分解するもので、自然では分解しずらいこと。
例えば、ポリ乳酸という素材では堆肥のような高温多湿の条件下に置くことが必要。 
2  いずれマイクロプラスチックになってしまうこと。
いずれ改良を重ねて海で分解する生分解性プラスチックが完成したとする
しかし、すぐに分解させるわけにはいかない。
海の多様な条件下で分解するなら、陸上では、使う間もなく分解してしまう。
これでは製品にならない。
ゆっくり分解する間に、波にもまれ微細化がすすむ。
そして汚染物質が吸着し生物に誤食される。
分解される間はマイクロプラスチックと同じ。
3 モラル低下。
いずれ分解するならとういうならポイ捨てが増えることが考えられる。

生分解性プラスチックが開発されたとしてもポイ捨てしないことが海洋プラスチックごみ問題の解決方法のようです。


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海洋で分解するプラスチックの論文

2022年10月26日 09時16分25秒 | ポリ袋
海洋プラスチック汚染問題の有力な選択肢として旧来の石油系プラスチックから生分解プラスチックへの移行があげられる。
その生分解性プラスチックとして現在最も研究されているものが,ポリ乳酸(PLA)である。
ポリ乳酸(PLA)は,ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリスチレン(PS)とよく似た物理的特性を有し、植物に含まれるデンプンや糖類を発酵させ,得られた乳酸を重合させて製造した生分解性プラスチック。繊維製品や包装用フィルム,容器などに利用される。生分解性プラスチックである。

ポリ乳酸は水分を加え60℃の温度で活発に分解するが自然界ではそのような状況はまれである。
そのため、ポリ乳酸は海洋では分解されないといわれる。

だが水中で分解する生分解性プラスチックの研究は進んでおり、東京大学大学院農学生命科学研究科の岩田忠久教授らの研究グループが,水中で分解する論文を学術誌「Biomacromolecules」(2020年7月17日)に発表した。

遠くない未来、水中で生分解されるプラスチックが普及するのは確実だろう。
しかし、水中で生分解するプラスチックが開発されたとしても乗り越えなければならない課題は多い。
石油由来のプラスチックは用途、性質などの違いから50種類以上あるが、生分解性プラスチックはまだまだ種類が少ない。
既存のプラスチックの用途や性質をクリアーして、なおかつ生分解性の要素を加えなければならない。

考えられる課題として。
 1、コスト 
いくら環境に配慮しているとはいえ現在よりもコストが大幅にアップすれば、企業は採用できない。
すると、ますます普及が遅れ、開発もストップするだろう。 

2、性能
生産から流通し在庫され使用され使用が完了するまでは十分な強度を保ち、誤って環境中に放出された場合は速やかに分解する。
そのような矛盾する性質が求められる。
そして分解速度。
自然環境に放出された際に分解までどのくらいの時間の猶予があるのか。
1週間で分解すれば、生物に負荷を変えずに済むのか、その分解とはマイクロプラスチック状態が消えるまでなのか。
分解速度を制御できる因子が発見できるのかがカギを握る。

3、人間の意識
生分解プラスチックならポイ捨てしても問題がないと思うようになる。

生分解性プラスチック開発はこれからのゴミ問題の解決策であるが、生分解性プラスチックが開発されたとしても現在海洋を漂っているプラスチックごみが消滅するわけではない。

生分解性プラスチックの研究開発とともに、現在の海洋プラスチックごみの回収方法も視野に入れて行動しなければならない。

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劇中の中華料理レジ袋

2022年10月25日 09時12分46秒 | ポリ袋
ザ・インタープリター

国連通訳として働く女性が、アフリカの小国マトボの大統領暗殺計画を聞いてしまったことから起こるサスペンス。

ニコールキッドマン主演のサスペンス映画

黄色に赤の印刷が目に焼き付くレジ袋が登場する。
食事をするシーン。
中華料理店からテイクアウトした料理を食べている。
テーブルのはそれを入れていたのだろうレジ袋が映っている。

中華料理店のレジ袋は派手なデザインが多い気がする。



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ブロック経済はプラを減らすことができるか

2022年10月24日 06時17分45秒 | ポリ袋



コロナ感染後世界は変わった。

ブロック経済化がはじまり、大規模な金融緩和のツケでインフレが進む。

景気後退が確実になり、原油価格が下がった。

日本では円安が問題視されはじめる。

あれだけ円安容認の姿勢をとってきた政府も輸出業者の業績よりも円安のためたびかさなる物価高騰による国民の不満に耐えきれなくなっているようだ。

日銀が為替介入を開始するが効果があるとはいいがたい。

そしてロシアとウクライナの戦争がはじまり、終わりが見えない泥沼化の様相を呈している。

ロシアからのエネルギー供給が滞るとともに、世界有数の穀倉地帯から穀物輸出が減り、食糧危機を巻き起こしている。

今後戦争が長引けば穀物の収穫量は減産になり価格高騰を引き起こし、穀物を買えない国が出てくる。

生産量を減らす原因は他にもある。

化学肥料の値上がりだ。
世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵略等の影響により、化学肥料原料の国際価格が大幅に上昇している。

コロナウィルス感染が始まってから、解決しなければならない課題が次々に起こる。

プラスチックによる海洋汚染解決も喫緊の課題だ。

日本は対策の手始めに2020年7月1日からレジ袋有料化をはじめ、マイバック運動を広めることで使用量の削減を目指し一定の効果を得た。

だが有料化から2年を経過して最近では有料のレジ袋を購入する客の姿が増えている。
次なる策として各自治体で販売している有料ゴミ袋をばら売りし、商品の運搬に使用し、その後ゴミ袋として使用するアイデアが広まってきた。

さらに奥の手として水中でも分解する生分解性プラスチックの開発を進めている。
コスト面と性能がみあった素材が必ず開発され普及する。

しかし、生分解性プラスチックの期待を集めているポリ乳酸という素材は植物由来再生可能資源を原料としている。

具体的にはトウモロコシなど穀物である。

食用ではないが、穀物不足が進むと思われるなか果たしてプラスチック用の穀物を作る余裕があるのか。

現在の大規模農業は生産に石油を使い 地下水をくみ上げ水資源を消費し、化学肥料を使い土地がやせていく。

生分解性プラスチックを生産するための穀物を作ることでさらに石油、水を使い化学肥料により土地をやせることで海が守られたでは本末転倒になってしまう。

そこで解決策は地産地消ではないかと思う。

その土地でとれたものをその土地で食す。

輸送時間を減らすことで今までプラスチック素材を使用して伸ばしていた消費期限を確保する。

そうなるとブロック経済も悪くないのではないか。

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1歳の違い

2022年10月23日 19時19分00秒 | ポリ袋

13歳からの環境問題

志葉玲著


14歳からのプラスチックと環境問題

インフォビジュアル研究所 著


1歳の違いはなんだろうか?






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1963年ポリエチレン

2022年10月22日 05時38分41秒 | ポリ袋
ポリエチレンは様々な製品に使用される。

ポリバケツ、歯磨き粉のチューブ、車のガソリンタンク、パイプなどあるが、ポリエチレン製品中で常に需要の王道を走るのが、フィルムである。

高温多湿の日本で、気候に最適で安価とくれば普及しないはずがない。

それはポリエチレンの生産が本格化した1960年代でも同じである。

大石寅造氏の1963年付けの論文にもそう記されている。

「ポリエチレン業界の展望」

また、レジ袋を含むポリ袋もこのころから普及が急速にすすむ。

上記にあるよう安価なことが一番の理由だが、このころからスーパーマーケットの出店が増える。

スーパーマーケット形式の販売ではポリエチレンによる包装がマッチした。

個別包装され陳列された商品をかごに入れ、精算時に無償提供されるレジ袋に商品を詰める。

このスタイルが確立されポリエチレンが大幅に普及する。

ポリエチレンの普及にスーパーマーケットの販売方式は大いに貢献したのだろう。

安価で衛生的、防水機能を兼ねそろえたポリエチレンであるが、それから60年後の現在では、ポリエチレンを含むプラスチックによる海洋汚染が問題となっている。

ポリエチレンは自然環境で分解することはない。

分解しているように思えるのはただ細かく砕かれているだけで、人の目からみれば分解されているように思えるだけだ。

そしてマイクロプラスチックになり、海をさまよい、有害物質を身にまとい、プランクトンや小魚に誤食され、小魚はより大きな生物に食べられ有害物質ごと蓄積される。

大型生物はそれが原因で死に至ることもあるだろうし、人間が食す場合もある。

人間が捨てたポリエチレンが最後には人間に戻ってくることになる。

それは地球環境汚染、健康被害などの利子をつけて帰ってくる。

今戻っているのは60年前のポリエチレンかもしれない。


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