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スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

F4Fワイルドキャット

2018-03-17 23:45:48 | 考えてみたこと
先日、ゼロ戦の話が出たついでに。
ゼロ戦

ゼロ戦の好敵手となったアメリカ軍の戦闘機は?と聞かれたら、多くの人がF6Fヘルキャット、F4Uコルセア、P51ムスタングなどを答えるであろう。ただこれらはいずれも大戦後半になって出現した戦闘機である。では大戦初期にゼロ戦と渡り合った戦闘機は?
艦上戦闘機(空母から運用される戦闘機)として代表的なのはF4Fワイルドキャットである。開戦当時からアメリカ空母部隊では主力の戦闘機で、ゼロ戦と渡りあった。しかしその当時のゼロ戦と比べると旋回性能、速力とも見劣りし、かなりの苦戦を強いられることになってしまう。F4Fは空中戦になるとゼロ戦に簡単に後ろに回りこまれて撃墜されてしまった。諸説はあるが、開戦当初はゼロ戦が圧倒的と言って良いほど有利だったことは確かである。
Wikipedia「F4F(航空機)」
このためアメリカ軍では実戦の戦訓や捕獲されたゼロ戦の解析が行われた。ゼロ戦は航続力や運動性を稼ぐために極度に機体を軽くしており、このため機体の強度に問題があることが判明する。弾丸が命中した時に墜落しやすいことももちろん、一番の問題は急降下に入った時であった。急降下になれば水平飛行よりもさらにスピードが上がる。ゼロ戦はこうなると機体が空気抵抗に耐えられずに分解する危険があったのである。
これを見抜いたアメリカ軍は戦法を切り替える。ゼロ戦に後ろに食いつかれたら直ちに急降下に入り、スピードを上げて振り切るようにしたのである。また他にも感度のよい無線電話を搭載し、2機でペアを組んで戦闘に入る、搭載している機関銃の数を4丁から6丁に増やすなどの改良も行われた。結果、大戦の中盤に入るとゼロ戦との闘いはほぼ互角、あるいはF4Fが優勢となったとする資料まである。分析は報われたのだ。F4Fの基本性能が向上した訳ではない。「戦い方」を変えたことで戦局を挽回することに成功したのだ。

どんなことでも上手く行かないこと、思う様にならないことは出てくるものである。重要なのは失敗したことを洗い直し、そこにどういう対策を取るか、それによって同じ失敗を繰り返さないようにすることである。F4Fもそうだったように「全てが完璧」などというものはありえない。大事なのは修正する努力、戦い方を変える努力である。執念を持って頑張るようにしたい。
無題

選択

2018-02-27 23:21:56 | 考えてみたこと
先日観た「この世界の片隅に」で心に残ったセリフ。

径子が娘の晴美を失って、思わず怒りをすずにぶつけてしまう。しばらくして落ち着いたあとの一言。「貴方に怒りをぶつけてすまなかった。私は夫を失い、夫婦でやっていた店は壊され、息子とは会えなくなって、娘は死んでしまった。でもその全ては自分で選んだ道だ。諦めもつく」。壮絶な体験の中でも、客観的に自分を見ようとしている姿が心を打つ。自分で選択した道であるなら、それは何が起きても最終的には自分の責任である。それに自分で何かを選択できるというのは考えれば幸せなことでもある。もちろん生きていれば不平不満は出るが、あくまでベースラインには感謝を持って生きていく必要がある。
この世界の片隅に
友人と

Noと

2018-02-27 02:04:55 | 考えてみたこと
某所で聞いた話。人手が足りない組織ではときどき「もう、どんな人でもいいから採用して人手不足を緩和してくれ!」という声が上がるのだという。これは危険な第一歩となりうる。「誰でもいいから」と採用する人の中には結構一定率で「とんでもない人」が混じってくるからである。そうなるとその人が入ることで組織に変な評判が立ち、さらに新しい人が来なくなる――という泥沼のループにはまっていく。
ここで必要なのは「Noという勇気」である、だそうな。たとえ人手不足で苦しくても、「最低限、このレベルは譲れない」という矜持のようなものを持っていないと、どんどん悪循環に入って行ってしまうのだという。これは確かに、と膝を打つ話であった。
知人と話して

初対面

2018-02-21 00:26:18 | 考えてみたこと
初対面で、それも短時間だけ会った人について評価をするのは半ば不可能に近い。初対面の印象というのは正しい場合もあれば違う場合もある。実際どんな職場でも、最初の印象で低評価であった人物が後で出世したり、偉大な仕事を成し遂げたりするのはしばしばあることである。ただ、そうであっても---自分がこれまで体験した限りにおいて、初対面で「何かこの人、妙だな」と思った人は、やはりあとで困った事態を引き起こす確率が高かった。そして初対面でそつない印象を与えた人は、少なくとも仕事の「基本的な部分」、最低ラインのコミュニケーションや礼儀と言った部分でのトラブルは起こさない確率が高かった。なので最初の印象が全く無駄、ということはないのではないか、というのが現在の結論である。
仕事とは

ボス

2018-02-08 04:24:12 | 考えてみたこと
だいぶ昔、ボスの悪口を言い続けた人が昇進してボスになると、「前に悪口を言っていたボスとそっくりの行動を取り始める」という現象について書いたことがあったが、

結構これは普遍的な現象なのではないかと思い始めた。ボスというのは色々な情報に接するので、傍から見ると『冷たい』と思われるうな行動も取らざるを得なくなる、ということもあるのだろう。結局のところボスが取りうる選択肢というのはそんなに多くはないのだろうと推察する。
ただ、そうは言ってもボスによってキャラクターはかなり違うし、下からの評判もこれまた千差万別である。なんだかんだ言って性格は言動に出る。挫折をたくさん経た人物は発言には慎重になるし、温かみのある言葉をかける配慮を持っている。強い立場の人間からの些細な言葉が相手を傷つけることを知っているから--ボスが部下に対して『冷酷な、血も涙もない』言動を平気でして何も反省しないような人物だと、これは致命的である。恐らく当の本人は「真面目に目標達成に取り組んでいる」つもりなのではないかとは推察するが。
とは言っても「下に舐められて」は組織は回らないのであろうし、ある程度は強硬にならざるを得ないのだろうとは想像する。難しいものである。

ルーチンを

2018-01-27 03:26:31 | 考えてみたこと
高校野球の選抜高校野球の代表校が発表された。そんな中思い出したこと。
確か明徳義塾高校の馬淵監督であったと思う。練習を見に来た新聞記者から「何か『明徳義塾ならでは』な特別な練習をしているんですか?」と聞かれ、「うちは特別なことは何もしとらん。強いところはそういうものだ」と答えたというのである。実際に記者が見てみても、キャッチボール、ノックなど「どこの高校でもやっているような練習メニュー」を短時間で手際よくこなしていく印象だったとか。

こちら、大体どんな業界でもそんなものだと思う。結局オーソドックスなことをきちんとやれているところが強いのである。「他を圧倒する、ものすごい」仕事が必要な訳ではなく、「ほんのちょっと努力すれば手が届く」程度の実績をきちんと積み重ねていくこと、そういうことに手を抜かない事が重要なのである。そして一番大事なのは「しつこさ」--やると決めたら、何年でも何年でもそれを積み重ね続けられる能力、これが一番大事と思う。
歌というものは

宣伝その2

2018-01-13 23:42:35 | 考えてみたこと
旧友と色々話して。やはり「宣伝、メッセージの伝え方」というものの大切さを知ることになった。組織の外側にどのようなメディアで、どうやってメッセージを伝えていくか。相手がどんなことに興味を持っていて、それに対してどうすれば理解してもらえるか。
むかしの中国の民衆反乱の際、反乱軍側は村で寸劇を演じながら自分達の反乱の正当性を訴え、民衆の支持を獲得していったと聞く。またイラン革命の際には、ホメイニ師は海外亡命中であるにも関わらず、メッセージをカセットテープに吹き込んでイラン国内に持ち込ませ、国内での支持を拡大させることに成功している。いずれのケースも選ばれたメディア媒体は当時としては最新のものであり、宣伝側の創意工夫がにじみ出ている。
Wikipedia「イラン革命」
そして現在の我々はどうか。インターネットを活用した宣伝が必要だろう、とは何となく想像はつくが、そこに十分に創意工夫が凝らされているか、反応は良好なのかどうか。何回も頭を絞ってみなくてはならない。
宣伝

nothing is perfect

2017-12-23 23:33:48 | 考えてみたこと
在スウェーデンのころ。確か日本とスウェーデン医療制度の比較の話をしていた時だったと思う。自分が「日本の医療制度も問題だらけだよ」と言うと、スウェーデン人から「nothig is perfect」と返された。訳すれば「この世に完璧なものなどない」という事になるか。
昨日の飲み会で「3年前に比べればだいぶ良くなった」とは言われたが、それでも冷静に考えれば自分達の職場も問題だらけである。中にはそうそう簡単に解決できない問題もあり、この解決はどう考えてもだいぶ時間が掛かると思われる。
ただ、それでも「じゃあもう無理、どうしようもないさ」となって良い訳もない。解決可能なものについては少しずつでも解決を考えて行かなくてはならない。現場での戦訓を取り入れてちょっとずつでも前進していくことを考えなくてはならない。何事も時間がかかるものである。
組織
上海
会食その20

何にでも

2017-12-18 22:50:36 | 考えてみたこと
どうにもやる事が増えている。そしてちまちました用事であっても、何かをすることに時間を割けば、何かをする時間が無くなるというのは変わりない。また仕事にも何かと制約があったりする。
ただ、そんな状況でも良く考えれば心躍らせる面白い仕事は必ずあるはずである。制約は新しい発想の母であったりもするのだから。こうして考えると、今一番必要なのは「一回ぼんやりと周囲を見渡してみる」ことなのかも知れない。
ジャイナ教徒のこと

平常心

2017-12-18 22:26:16 | 考えてみたこと
山本七平の「一下級将校の見た帝国陸軍」であったと思う。「天その人を滅ぼさんとするとき、まずその人をして狂わしむ」という文章が引用されていた(そのまた元の出典は知らない)。確かにその通りで、大体においてトラブルというのは「本当に不運に見舞われたトラブル、どうにもならないトラブル」よりも「自分で招いてしまったトラブル、注意すれば防げたトラブル」の方が多いのである。不運に見舞われても感情的にならずに平常心で対応していれば、必ずや道は開けていく、筈。
気にしない