先日、ゼロ戦の話が出たついでに。
ゼロ戦
ゼロ戦の好敵手となったアメリカ軍の戦闘機は?と聞かれたら、多くの人がF6Fヘルキャット、F4Uコルセア、P51ムスタングなどを答えるであろう。ただこれらはいずれも大戦後半になって出現した戦闘機である。では大戦初期にゼロ戦と渡り合った戦闘機は?
艦上戦闘機(空母から運用される戦闘機)として代表的なのはF4Fワイルドキャットである。開戦当時からアメリカ空母部隊では主力の戦闘機で、ゼロ戦と渡りあった。しかしその当時のゼロ戦と比べると旋回性能、速力とも見劣りし、かなりの苦戦を強いられることになってしまう。F4Fは空中戦になるとゼロ戦に簡単に後ろに回りこまれて撃墜されてしまった。諸説はあるが、開戦当初はゼロ戦が圧倒的と言って良いほど有利だったことは確かである。
Wikipedia「F4F(航空機)」
このためアメリカ軍では実戦の戦訓や捕獲されたゼロ戦の解析が行われた。ゼロ戦は航続力や運動性を稼ぐために極度に機体を軽くしており、このため機体の強度に問題があることが判明する。弾丸が命中した時に墜落しやすいことももちろん、一番の問題は急降下に入った時であった。急降下になれば水平飛行よりもさらにスピードが上がる。ゼロ戦はこうなると機体が空気抵抗に耐えられずに分解する危険があったのである。
これを見抜いたアメリカ軍は戦法を切り替える。ゼロ戦に後ろに食いつかれたら直ちに急降下に入り、スピードを上げて振り切るようにしたのである。また他にも感度のよい無線電話を搭載し、2機でペアを組んで戦闘に入る、搭載している機関銃の数を4丁から6丁に増やすなどの改良も行われた。結果、大戦の中盤に入るとゼロ戦との闘いはほぼ互角、あるいはF4Fが優勢となったとする資料まである。分析は報われたのだ。F4Fの基本性能が向上した訳ではない。「戦い方」を変えたことで戦局を挽回することに成功したのだ。
どんなことでも上手く行かないこと、思う様にならないことは出てくるものである。重要なのは失敗したことを洗い直し、そこにどういう対策を取るか、それによって同じ失敗を繰り返さないようにすることである。F4Fもそうだったように「全てが完璧」などというものはありえない。大事なのは修正する努力、戦い方を変える努力である。執念を持って頑張るようにしたい。
無題
ゼロ戦
ゼロ戦の好敵手となったアメリカ軍の戦闘機は?と聞かれたら、多くの人がF6Fヘルキャット、F4Uコルセア、P51ムスタングなどを答えるであろう。ただこれらはいずれも大戦後半になって出現した戦闘機である。では大戦初期にゼロ戦と渡り合った戦闘機は?
艦上戦闘機(空母から運用される戦闘機)として代表的なのはF4Fワイルドキャットである。開戦当時からアメリカ空母部隊では主力の戦闘機で、ゼロ戦と渡りあった。しかしその当時のゼロ戦と比べると旋回性能、速力とも見劣りし、かなりの苦戦を強いられることになってしまう。F4Fは空中戦になるとゼロ戦に簡単に後ろに回りこまれて撃墜されてしまった。諸説はあるが、開戦当初はゼロ戦が圧倒的と言って良いほど有利だったことは確かである。
Wikipedia「F4F(航空機)」
このためアメリカ軍では実戦の戦訓や捕獲されたゼロ戦の解析が行われた。ゼロ戦は航続力や運動性を稼ぐために極度に機体を軽くしており、このため機体の強度に問題があることが判明する。弾丸が命中した時に墜落しやすいことももちろん、一番の問題は急降下に入った時であった。急降下になれば水平飛行よりもさらにスピードが上がる。ゼロ戦はこうなると機体が空気抵抗に耐えられずに分解する危険があったのである。
これを見抜いたアメリカ軍は戦法を切り替える。ゼロ戦に後ろに食いつかれたら直ちに急降下に入り、スピードを上げて振り切るようにしたのである。また他にも感度のよい無線電話を搭載し、2機でペアを組んで戦闘に入る、搭載している機関銃の数を4丁から6丁に増やすなどの改良も行われた。結果、大戦の中盤に入るとゼロ戦との闘いはほぼ互角、あるいはF4Fが優勢となったとする資料まである。分析は報われたのだ。F4Fの基本性能が向上した訳ではない。「戦い方」を変えたことで戦局を挽回することに成功したのだ。
どんなことでも上手く行かないこと、思う様にならないことは出てくるものである。重要なのは失敗したことを洗い直し、そこにどういう対策を取るか、それによって同じ失敗を繰り返さないようにすることである。F4Fもそうだったように「全てが完璧」などというものはありえない。大事なのは修正する努力、戦い方を変える努力である。執念を持って頑張るようにしたい。
無題