空の中 2020-04-26 21:28:39 | 書評・映画評など 「空の中」(有川浩著、角川文庫)を読み終わった。しばらく仕事が忙しくて読書から離れていたが、ようやく読む元気が出てきた。本の方は面白かった。テンポの良さ、読みやすさは相変わらずである。「塩の街」「海の底」と併せて自衛隊3部作と言うらしいが、自分的には「海の底」が一番かな、というのが感想。 Wikipedia「空の中」 海の底 塩の街
県庁おもてなし課 2020-03-21 00:51:39 | 書評・映画評など 「県庁おもてなし課」(有川浩著、角川文庫)を読み終わった。氏は高知県出身で、高知県の観光のために奮闘する人々を書き綴っている。ちなみに「あとがき」を読むと、最初の部分で「観光大使を依頼され、承諾したがその後県庁サイドからは1か月音沙汰がなく、『この話は流れた』と思っていた」というエピソードは有川浩氏自身に起きた実話であったようである。文中に何度も出てくる「今、手の中にあるものの魅力をどう再発見し、どう発信して見せていくか」というのは、全ての組織に共通する命題であろう。お勧めである。 Wikipedia「県庁おもてなし課」 高知県のこと フリーター、家を買う。 海の底
海の底 2020-03-19 23:34:31 | 書評・映画評など 「海の底」(有川浩著、角川文庫)を読み終わった。すっかり氏の著作にはまってしまった感がある。先の「塩の街」ともども楽しく読めた。残りは「空の中」で3部作になるらしい。テンポの良さにつられて楽しく、あっという間に読めた。夏木も望も魅力的なキャラクターである。お勧めできる。 Wikipedia「海の底」 塩の街
ストーリー・セラー 2020-03-08 22:39:37 | 書評・映画評など さらに有川浩さんの2冊目。「ストーリー・セラー」(有川浩著、幻冬舎文庫)を読み終わった。恐らくはかなり筆者自身の自伝的要素も強い作品?なのであろうか。作家が世に出ていく経過のようなものも見えて面白い。「Side B」の最後を読むとこの作品のフィクションと実際のところの境目はどうなのか、何とも気になるところ。 フリーター、家を買う。
ザ・スコアラー 2020-03-08 20:56:47 | 書評・映画評など コロナウイルスのためにすっかり室内で暮らす週末になってしまった。そのかわり読書は随分進んでいる。次いで読んだのが「ザ・スコアラー」(三井康浩著、角川新書)である。巨人のスコアラーを長年務めた人物の著である。「データを良く解析しても重要なのは『伝え方』である」というのは自分自身にも非常に参考になる。 面白かったのが高橋由伸(のち監督)に対するヤクルトスワローズの攻め方。高めの球を良く本塁打していた高橋に対し、ヤクルトは敢えて投手に高めの力のあるボールを投げさせて勝負を挑み、抑え込む。不思議に思った筆者が調べると、高橋が本塁打していたのはあくまでも高めの「抜けた球」であって、高めに力のあるボールが行った時は打てていなかったのである。データの「裏」まで読む、とはこういう事か。野球を観る方なら面白く読めると思う。 投手論
フリーター、家を買う。 2020-03-08 20:28:38 | 書評・映画評など 「フリーター、家を買う。」(有川浩著、幻冬舎文庫)を読み終わった。氏の作品特有のテンポの良さに引き込まれて、あっと言う間に読み終わってしまった。自堕落だった主人公の成長の物語である。知恵を絞って人の募集・採用に挑むところは、自分自身にも類似の経験があって面白く読んだ。お勧めできる本である。 Wikipedia「フリーター、家を買う。」 塩の街
ヤノマミ 2020-03-07 18:10:27 | 書評・映画評など 「ヤノマミ」(国分拓著、新潮文庫)を読み終わった。ドキュメンタリーとしては最も強烈な書の一つである。南米のアマゾンに住む原住民、ヤノマミ族と密着して生活した記録である。一番の衝撃は産み落とされた赤ちゃんに対して、母親の判断で育てるか殺すかを決めるシーンであろう。一度は読んでみる価値がある書だと思う。お勧めである。 Wikipedia「ヤノマミ族」
医者よ、信念はいらないまず命を救え! 2020-03-01 22:10:22 | 書評・映画評など 「医者よ、信念はいらないまず命を救え!」(中村哲著、羊土社)を読み終わった。あの中村哲医師の死去を受けて書店で売っていたもの。氏の足跡をまた書でたどった。「こうしてあげたらいいだろうなとか、こうしたら少しは相手が楽になるだろうか、と思う気持ちが多少でもあれば、僕はどこに行ったっていいと思うんですよ」これが氏に「仕事をするモチベーションは?」と聞かれた時の答えである。確かに。仕事の大小はあれど、どんな仕事でも「相手のためにどうするか考える」という部分は絶対に必要なはずである。週明けから頑張ろう。 中村哲医師死去
社長って何だ! 2020-02-24 18:34:09 | 書評・映画評など 「社長って何だ!」(講談社現代新書、丹羽宇一郎著)を読み終わった。割と元社長さんの書いた本というのは自画自賛の臭いが鼻につくものが多いが、この本は割と読める本であろう。ティール型組織という名前は初めて知った。学ぶことは多いと思う。 Wikipedia「丹羽宇一郎」 Wikipedia「Teal organisation」
父 吉田茂 2020-02-13 20:55:08 | 書評・映画評など 「父 吉田茂」(麻生和子著、新潮文庫)を読み終わった。ご存知「戦後の名宰相」と呼ばれた吉田茂の半生を娘の視線からつづったものである。吉田茂の妻は50歳台で亡くなってしまったので、著者がファーストレディの役を長くつとめたのだという。娘の目からみて「まったく政治家に向いていない」と評価されていた人物が長期政権を成し遂げ、国内をまとめてサンフランシスコ講和条約を締結するのだから世の中不思議なものである。意外に世の中そんなものかも知れない。最後のあとがきを書いているのが筆者の息子さん・麻生太郎であるが、こちらも読んでいて面白かった。お勧めできる。 Wikipedia「吉田茂」 Wikipedia「麻生和子」