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スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

シン・ゴジラ

2021-03-26 00:22:34 | 書評・映画評など
「シン・ゴジラ」(庵野秀明監督、東宝)を見終わった。考えるとちゃんと映画を見たのはかなり久しぶりの事である。「飛んで埼玉」以来ではあるまいか。
ゴジラものではあるが、それに対する政府の反応、現場で奮闘する人々に焦点が当てられている。そして――まさにこの映画、2016年の作であるが今回の「新型コロナウイルス禍」を予見していたかの様である。想定外の事態が発生した時の政府のドタバタぶり、やたらと長い名前の対策会議、市民への犠牲を伴う攻撃が直前になって撤回されたり、そしてとどめは混乱する現場にやって来た、石原さとみ扮する日系のアメリカ政府高官の一言、「ところで、あなたたちのボスは一体誰なの?」。
結局は現場と政府の中堅どころの必死の頑張りで、どうにかこうにか事態は打開されていく。会議室で寝泊まりする官僚、ゴミ袋に大量に捨てられたカップ麺の空き容器など、リアルである。今回も政府の一部の職員が月に378時間残業したとかで問題になっていたが、これに近い光景が繰り広げられていたのであろう。
そして最後はハッピーエンドとなる。「日本にはまだまだ若い力がある」という言葉、これは今回のコロナ禍でも信じたい言葉である。間違いなく良作である。まだ見ていない方、是非一見をお薦めしたい。
Wikipedia「シン・ゴジラ」
翔んで埼玉

コロナとバカ

2021-02-11 21:37:15 | 書評・映画評など
「コロナとバカ」(ビートたけし著、小学館新書)を読み終わった。疲れがたまる中、気軽に読める本と思って買ってみた。思った通りあっという間に読み終わってしまったが、「時間がある時に古典を読む」「どんな小さなことでも、何か積み重ねることを継続するべき」「スマホで孤独を解消することはできない」など、いくつかの言葉が心に残った。
Wikipedia「ビートたけし」

うっせぇわ

2021-02-05 01:01:25 | 書評・映画評など
夜中に何となくYoutubeで色々な曲を聴くのが日課になってしまっている。たまたま目に触れたのが歌手・Adoさんの「うっせぇわ」。巷では大ヒットしているというが、確かにこれならうなずける。まだ18歳という。歌詞の鋭さ、歌の上手さと素晴らしい。しかもプロフィール非公表、高校の同級生にも音楽活動を知らせていないのだという。凄い時代になったものである。
ボーカロイド
Wikipedia「Ado (歌手)」

NHKスペシャル「“感染爆発” 危機をどう乗り越えるか」

2021-01-16 22:22:07 | 書評・映画評など
帰宅してからテレビで見たのがNHKスペシャル「“感染爆発” 危機をどう乗り越えるか」である。尾身先生の淡々としながらもシンプルなメッセージに感銘を受けた。
ワクチン接種は確かに海外の事例を見ても混乱が予測される。未知のトラブルだって多く起きるだろう。でもここで国の使命が決まる。日本の英知と人的資源を集めて、何とか頑張って欲しい。
Wikipedia「尾身茂」
After Coronaその8

日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争

2020-12-20 19:33:07 | 書評・映画評など
「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争」(速水融著、藤原書店)を読み終わった。今から100年前、日本を襲ったH1N1インフルエンザの大流行を当時の新聞・記録などから克明に描き出した力作である。
今回の新型コロナウイルス流行と重なる部分が多い。人の移動経路、特に鉄道線に沿って広がっていく感染、軍隊・鉱山・製糸工場など、閉鎖・密閉された空間で発生する集団感染、満床になる病院と看護師不足、死体の山であふれた火葬場など、今現在の新型コロナウイルス大流行でも全く同じ現象が報道されている。未知のウイルスが急激に拡大するときは、いつの時代も社会が陥る状況は同じようなものかも知れない。
書中に引用されている巡洋艦「矢矧」の記録は臨場感が伝わってくる。今回も日本では「ダイヤモンド・プリンセス」号が流行初期に大きな問題となったし、また海外でも米空母「セオドア・ルーズベルト」が航行中に集団感染を起こしたが、一回外洋に出てしまった船というのは完全な閉鎖空間になってしまうのだろう。
Wikipedia「矢矧(防護巡洋艦)」
Wikipedia「ダイヤモンド・プリンセス」
当時の日本政府の方針もマスク着用の励行、救護班設置などを行う反面、興行物や厄除けの参拝(その当時は神社の参拝のために鉄道が施設されていたりした)など、人が集まる場所に対する規制を導入しなかったなど、今から見ると手落ちがあったりする。特に後者は疫病の退散を願った人が集まった訳なので、完全な逆効果である。
今回の流行からかなり以前に書かれた本であるが(初版発行は2006年)、すでに現在の状況を見通していたかの様である。一読をお薦めする。
Wikipedia「スペインかぜ」
After Coronaその6

ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道

2020-11-21 00:32:20 | 書評・映画評など
「ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道」(田中一明著、光文社新書)を読み終わった。筆者のラーメンへの愛情がひしひしと伝わってくる。何というか「日本人のモノづくりの原点」というか、ハマりだすとどこまでも『おたく』的にその道を極めたがるという特性がいかんなく発揮されている。良い意味でも、悪い意味でもである。スウェーデンで多国籍の環境にあった時、つくづく感じたことでもある。この『おたく』精神は国際的には決して短所ではなく、むしろ他国にない長所のようにも思える。
インターネットの発達と共にラーメン店の売り出し方も大きく変化していく。SMSの影響による売り出し方の戦略の変化、女性客や外国人客を引き付ける工夫、これらはラーメン店にとどまらず、どんな業種であっても学ばなくてはならない事である。一読をお薦めする。

金色不如帰 濃厚貝だし塩そば

武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

2020-11-03 21:48:04 | 書評・映画評など
「武漢日記 封鎖下60日の魂の記録」(方方著、飯塚容・渡辺新一訳、河出書房)を読み終わった。新型コロナウイルス流行において、世界初のロックダウンを経験した中国・武漢の都市内部で2か月を過ごした筆者の記録である。
もともと筆者はプロの作家で、この執筆を開始した時65歳。作家協会も定年退職、娘も独立したので武漢市内で一人暮らしをしていた。そこに降ってわいた様なロックダウンである。日常のことを書き留めるためにネット上に記録を残し始めたのが評判となり、やがて深夜0時にアップされるブログを「1億人が待ち望む」とまで言われるようになった。
初期の「医療崩壊」の悲惨な状況も克明に描かれる。激増する患者、病院への受診を求めて出来た長い行列、暴騰するマスクの値段。やがてショックから立ち直った人々が生き残るために創意工夫を始める。団地内で互助会を作り、通信販売で食料を手に入れる、多数のボランティアが組織される。中国の各地から続々と応援部隊が投入され、合理的な防疫体制が構築されていく。そして終わりの見えない果てしない自宅待機の日々。「いつ終わりになるのかが見えない」というのが極めて大きなストレスとなる。市民が総力で厳重な外出制限を守っていても、中々減らない感染者数、一人また一人と増えていく犠牲者のニュースを聞くジリジリした気持ちが読んでいても伝わってくる。
インターネットの中でも戦いがある。ネット検閲官による削除があり、また著述内容を攻撃する人物が表れる。筆者の不屈の闘志が心を打つ。今、一回は読む価値のある書物である。お薦めである。
Wikipedia「武漢日記」
After Coronaその5

奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

2020-10-25 23:05:37 | 書評・映画評など
忙しくてしばらく読書から離れていたが、この週末でようやく一冊読んでみた。「奇跡のリンゴ「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録」(石川拓治著 幻冬舎文庫)である。題名通り、完全無農薬農法のリンゴ栽培に成功した農家の物語である。リンゴをたくさん食べているうちにこういう本を読みたくなったのかも知れない。苦難にめげずに突き進んだ主人公の足跡が胸をうつ。割とすぐに読める文章だと思う。お勧めである。
Wikipedia「木村秋則」
秋映
金星

働きざかりの心理学

2020-09-22 22:59:39 | 書評・映画評など
「働きざかりの心理学」(河合準雄著、新潮文庫)を読み終わった。中年期、仕事でも中心になる年代への書である。第4章の「場の論理と個の論理」が心に残った。場の論理に支配される、というのはいかにも日本的であるが、日本でも構成員の多様性が保たれている集団などでは、それほど「場」の圧力は強固でないかも知れない。何回か読み返してみたくなる書である。
こころの処方箋

ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し

2020-08-02 22:25:09 | 書評・映画評など
「ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し」(小栗左多里 トニー・ラズロ著 KADOKAWA)を読み終わった。以前から「ダーリンは外国人」シリーズはちょくちょく読んでいたが、まさかドイツに一家で引っ越されていたとは知らなかった。アパートの「また貸し」、喫茶店で「何でこんな長時間?」と思うほど長い時間おしゃべりに興じる現地の人たち、スーパーでのオーガニック食品など、いずれもスウェーデンでも経験したことで、懐かしく思い出した。お薦めできる。
Wikipedia「小栗左多里」
素晴らしき日曜日