『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

ああアナタも!?『少年少女のための文学全集があったころ』

2017-02-21 21:56:04 | 児童文学論


昨日はここら辺のエリアは台風!?ってくらいの強風で、暴風警報が発令されました
三男の青空自主保育までの道のりは、海岸線沿いをチャリチャリ行くのですが、強風の日は恐怖(←ちょっと韻を踏んでみた

まずね、海岸の砂がバシバシ飛んできて、目が開けられない。・・・何この苦行
でね、なーんと七里ガ浜のあのBills前の横断歩道で、風にあおられ横転!あああああああああああ・・・・おしゃれなBills前で、おまぬけな姿~

電動自転車って重いので、重力に勝てず、少し傾いてしまったらあとは倒れるだけ。幸いスローモーションで倒れたのでケガはなかったのですが、後ろに乗ってた三男重すぎて自転車起こせない!道路のど真ん中で!信号が赤に変わるうううう。人生が走馬灯のように・・・ここで人生終わりかと(笑)。その時!さーっと車から降りて助けてくれた、The☆資源回収車のおじさまたち。一瞬、王子に見えました(笑)。

そんなわけで、強風は痛いのですが、それでもワクワクしてしまうのは、やっぱりあの人を思い出すからです。そう、メアリー・ポピンズ!
ジュリー・アンドリュース演じるディズニー映画の『メリー・ポピンズ』も歌が好きでお気に入りですが、あの“メリー”と本の“メアリー”はやっぱりちょっと違う。メアリーはもっと不機嫌でツンとしているの。それが、労働者階級の中流階級に対する不満から来ているという時代背景を知ったのは、大人になってから。

そんな『メアリー・ポピンズ』と『メリー・ポピンズ』の違いなどを考察した、楽しいエッセイがこちら↓



『少年少女のための文学全集があったころ』松村由利子著 人文書院


これは、面白かったです!エッセイなので、文学論とも違い、とっても読みやすい。読みやすいけれど、著者の松村さんはさすが元新聞記者。考察にあたって、時代背景など、その背景にあるものをきちんと追っていくんですねえ。かと思えば、松村さんの妄想的なところも入っていて、そこにとっても親近感。ああ、アナタも!?って。松村さんは1960年生まれなので、世代がちょっと違うのだけれど、まるで、友だちを見つけた気分デス♪

児童文学に出てくる食べ物のこと、翻訳や挿絵のこと、後から調べて「そうだったのか!」という発見がいっぱいなのも、大人ならではの楽しみ方

村岡花子がなぜあのアンシリーズを完訳しなかったのか。抄訳が仕方がないとしても、なぜ非常に重要な場面をあえて削ったのか。松村さんの考察が面白い。

ところで、松村さんも読書感想文を書かせることに疑問を抱いているのですが、コレ本好きの人はたいてい疑問抱いてますよね~。放っておいてほしい、自分の中で”感じたまま”をあたためておきたいの。松村さんはそれを、作品を読んだときに受けた印象を「かきまわしてはいけない」と思うから、と述べています。どんなに文章表現に長けていようとも、心に抱いているものを言葉にした途端に、そのときの思いは変質する。それが言葉というものの本質である。(p142)と。

私が旧ソビエト連邦に親しみを覚えたのは、『ヴィーチャと学校の友だち』のヴィーチャのおかげだった。『スーホーの白い馬』のスーホはモンゴルに生きる遊牧民の暮らしを、『クオレ』のエンリーコは十九世紀のイタリアの学校の生活を、生き生きと伝えてくれた。一人のエーミールやカッレ、ハイジが国際理解に果たす役割は決して小さくないと思う(p180-181)。

というくだりにも激しく頷く私。私ね、大げさでなくて、本の中で大切な異文化の友だちができたら、戦争なんて起こりっこないって本気で思うんです。本の中で友だちができれば、孤独やツライ現実にも立ち向かえる。『今、ここ」ではない世界に遊ぶ時間は、現実世界を生き抜く力となるのである。(p184)だから、こそ挿絵も文章も内容も、本物を選びたいなあ

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1 コメント

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2017-02-22 22:04:32
突然のコメント、失礼いたします。はじめまして。
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貴ブログを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューをご投稿いただきたく、コメントさせていただきました。

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