『パリのモスク -ユダヤ人を助けたイスラム教徒』(2010年)
カレン・グレイ・ルエル著 デボラ・ダーランド・デセイ著 池田真理訳 彩流社
今日の一冊はコチラ。
週末は、旅の思い出アクセサリーの真田亜希子さんに案内してもらって(ありがとう!)、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミイを初訪問してきたのですが・・・。
なーんとその前日、偶然見つけた本。偶然というか必然!?
いつも三男の送迎で通る道に、青空無人文庫が出ていて、一番目立つようにドーンって置いてあったんです。すごい、シンクロ
ナチスが執拗にユダヤ人排斥を行っていた第二次世界大戦中、パリのモスクが極秘でたくさんのユダヤ人をかくまい、助けていたことは、ほとんど知られていません。実は、北アフリカのユダヤ人とムスリムは、元々お互い兄弟姉妹として平和に共存していたそうなのです。
「一人のいのちを救うならば、それは全人類を救ったのと同じ」
イスラム教、ユダヤ教に共通する教えだそうです。人間って恐ろしいほとまでに残酷にもなれるけれど、そんな非人道的な極限の状況の中でも、危険を冒してでも人間の尊厳を守ろうと思っていた人たちもいた。
それは、未来への希望です。たった、56頁の短い長文絵本ですが、ここには私たちにあまり知られていない事実が書かれていました。
価値観がひっくり返るときって、衝撃ですよね?
しかも、それが自分の持ってる価値観とすら認識していなくて、無意識のものだったらなおさら。
私にとっての、イスラム教はそんな体験の一つでした。
キリスト教の家庭に育ち、中学・高校・大学とミッションスクールだった私にとって、イスラム教ってなんとなく怖い存在。女性蔑視の排他的なイメージ。思えば、誰にそう言われたわけでもないのにね。なんとなく怖いって、知らないからなんですよね。
はじめて、ムスリム(イスラム教徒)の友だちができたのは、大学時代に一年間留学してたとき。
あれ????なんか、違う!イメージしてたのと違う!
どんだけ私、偏見メガネかけて世界を見ていたんだろう!そんな自分に大ショック。
びっくりするほど、フレンドリー。排他的ってどこが!?!?
ほぼ無宗教といってもいい日本人と違って、各々の宗教を大事にしている留学生たち。キリスト教も、仏教徒もムスリムも一緒に仲良くBBQしてる光景も最初は不思議でした。
なんだ、共存できるんじゃない!
まず、ハラールフード(ムスリム用の食材)を焼いて、それから、他の人たちのを焼く。
めちゃめちゃ楽しかった。
それから、イスラムに関する色んな本読みました。といっても驚くほど、ムスリム側の観点から書いた本ってなかったんです。でも、立場違えば、こんなにも違う印象というのは衝撃でしたねえ。イスラム教って平和で美しい信仰なんだ。全然イメージと違った。
日本のイスラム教のイメージって、ニュースで流れてくるISのような過激派のイメージが多い気がします。
でも、大多数は違うんですよー。いまだからこそ知りたい、自分が偏見メガネかけてることを。
東京ジャーミイで、ちょうど礼拝時間に重なり、コーランを読むお経のような声が流れてきました。礼拝強要の時間じゃないんです。静謐な平和な時間。祈りの場。心に染み入りました。
が、礼拝堂内撮影禁止なのに、パシャパシャ撮るシャッター音が、気になりました。いや、私だって、美しい内装、写真撮りたくなったけど、けどけど我慢よ!相手へのリスペクトです。
私はまだ読んでいませんが、こちらは真田亜希子さんおすすめの本↓
『となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』(2016年)
内藤正典著 ミシマ社
子ども向けの本って、分かりやすい言葉で、でも的確に大事なことを伝えてくれます。
大人も読みたい。
東京ジャーミイ、週末は14時半から日本語ガイドによる案内もあり、ちょっとしたお土産も買えます↓
天然歯ブラシってなんだ?柔らかい木の枝が入っていて、自分で割いて、毛先つくって磨くんですって~。
モチロン、買いました♪東京ジャーミイ、素敵なところでした。