『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

目が開かれる『跳びはねる思考』

2017-03-04 22:27:45 | 教育関連


『跳びはねる思考 会話のできない自閉症のぼくが考えていること』
東田直樹著 イースト・プレス


昨日、今日と三男のお泊り保育で三浦にお泊りでした♪
夜中の2時くらいまで保育者さんや、母たちと熱いトーク
そのときに、保育者さんと盛り上がったのが、こちらの東田直樹さんの本でした。

児童文学ではないんですけどね、でも私はこれ読んだとき、うまく言語化できない子どもの心の中にも共通するものを感じたんです。

著者の東田直樹さんは自閉症。突然笑い出したり、奇声を発したり、飛び跳ねたり。
そんな彼が心の中では、こんなことを思っていただなんて、こんなにも深く考えて、こんな風に世界が見えていただなんて、ともう驚きと感動の連続。
美しさと同時に、悲しみも。自分で思ってるように行動できないんです。
中身と行動がチグハグ・・・でも、どうすることもできない悲しみ。

長男(小5)が不登校になって、めちゃめちゃ荒れてた時期に、この本読みました。
ああ、長男ももしかしたらこうなのかも!って目が開かれる思いでした。
こんなこと言いたいんじゃないのに、本当は暴力なんかふるいたくないのに!
そう、彼の心の中は叫んでいたのかも。
客観的に見た彼の言動は問題だったかもしれないけれど、それでも中身はキレイだったのかも、って。元々純粋な子だったので。

別に周りに自閉症の人がいなくても、子どもがいなくても、生きる本質が書かれています。
悲しさもあるけれど、そこに広がるのはとても美しい世界
全ての人におすすめです

子育ての闇、大丈夫だから!

2017-02-17 21:13:56 | 教育関連


もし、今子育て暗黒期に居る人がいたら、声を大にして言いたい。

大丈夫だから!!!必ずトンネルは抜けるから!

うちは、何年も長男(小5)の子育て暗黒期にいました。どのくらいすごかったかって、夫がもう施設に入れなきゃムリだ、と言い放ったくらい

純粋&繊細な子で、外で言えない分、家で荒れまくり。何かに取り憑かれたかのようにしゃべる言葉は「死ね」か「死にたい」ばかり。刃物とロープ類は隠さなきゃいけなかった、という日々でした。

愛情注いでも注いでも通じない。正直、世間一般よりも注いでると思うのに、なぜ~???母のせいにされるのがツライ日々でした

でもね、やっぱり子どもが荒れるのって、母親へのメッセージだったんだなあ、って今なら分かるんです。“母親のせい”じゃない!でも、やっぱり“母親へのメッセージ”ではあるの。そして、母が学んだら嵐は去る。去るから!大丈夫だから!

このブログは基本児童文学の紹介ブログなのですが、不登校&絵本『三ねんねたろう』という検索が思いのほか多くて。同じ悩み抱えてる人多いんだな、って

2年前までは、クラスの集合写真のクラスメートの顔ほぼ全員の顔を、ペンで黒く塗りつぶしていたくらい闇深かった長男。今はその塗りつぶしてた子たちを週2~3回はうちに呼んで仲良く遊んでいます♪

昨日は住んでいる谷戸の斜面でふきのとうハンターになってる長男&友だち3人。写真は前の家の敷地内に不法侵入しているところ!?いや、市の土地です。このうちの一人なんてね、2年前は長男の筆箱をカッターで切ったりしてたんですよ~。みんな落ち着いたもんだ。小5男子たち、かわいくって仕方ないです。バレンタインデーに誰からもらったとか、もらえなかったとか、逐一報告してきてくれます

ふきのとう探しは思いのほか面白かったらしく、「もう一回行く!」って。開いちゃったものは、水にさしておいたら白い花が咲くのよ~、って教えたら男子たち一斉に「オレ、ペットボトル切って花瓶にして、自分の部屋に飾る!」って。なんて、かわいいの~(←しつこいようですが、荒れてた子たちです)。夜天ぷらにして食べるって、それぞれハリきって、お土産にして帰りました♪天ぷらはほろ苦さもあるのに、子どもたちパクパク!美味しかった~。春の訪れですなあ

子育て暗黒期はツライです。でもね、そのあとは、ほかの人にとっては当たり前の日常が、本当に本当にありがたくて
今、ツライ時期にある方たち、大丈夫ですよ!



「みんなの学校」が教えてくれたこと

2016-02-17 00:59:45 | 教育関連
  
『「みんなの学校」が教えてくれたこと』木村泰子著


もうね~、このポスター見るだけで胸にこみあげてくるものがあります。大ヒットドキュメンタリー映画「みんなの学校」とその本です。みんな見てーーー!!!と声を大にしておすすめしたい映画と本。予告編見て、PCの前でまた一人号泣する私
不登校ゼロ、障害を持った子も、暴力的と他の学校で拒否された子も、行き場のなくなった子もすべての子が共に学び合う大阪にある「奇跡の小学校」。驚くべきことに、公立の学校なんです!2回見ました。元校長先生の講演会も聞きに行きました。関西人なのでユーモアたっぷりで面白かった~。

わが子の不登校経験(短期間だったけど)がなかったら、怒れる子で手足が出ちゃう子(家庭内限定だけど)じゃなかったら見に行ってなかったかも。そう思うと、不登校になってくれてありがとう!難しい子であってくれてありがとー!おかげで、色んなものに出会えた、って心から思う。

でもねー、日常生活を送ってると人は忘れちゃうんです、感動したこと、学んだことを。

最近すっかり落ち着いていた怒れる人長男、今日は久々に虫の居所が悪く、ブラック長男発動!む!?戦闘開始か!?
タターーーン。母の頭の中で鳴り響くゴング。「こちらが黙ってると思っていい気になりおるんじゃないっ!!!」久々に母にも降りてきましたよ、ヤンキーの神が「おカーサン声大きすぎだネエ」と冷静な次男と三男の会話ですぐに目が覚め普通の母に戻りましたけどね

そうだ!!学んだはずだったのに!前回の記事『スピリットベアにふれた島』で本当の更生とは何か考えたばかりだったのに。そこで、犯罪とは違うけれど、やはり周りから問題児という目で見られている点では共通しているこの本を思い出したわけです。周りが、自分が変わるしかないのです。その問題の子ではなく。周りが変わってはじめてその子が変わるんですよね。もう忘れてました

この本は普通の学校ではじかれてしまった子どもたちのことを取り上げているけれど、会社でもどこでも通用する話だと思う。困ったさんってどこにでもいるもの。どうかかわったらよいのか。分かったつもりになってはいけない。分かったつもりになったら、その子の心の中や背景が見えなくなる。長男はね、今日学校でとっても嫌なことがあったそうです、あとから話してくれました。ついつい表面の行動だけで「それはいくらなんでもナシ!」と裁いてしまった自分に反省です

『スピリットベアにふれた島』のコールもなあ、この「みんなの学校」の大空小学校のような先生たちや地域の人たちに出会えてたら、「居場所」を作ってもらえたならあんな事件を起こさなかったし、あそこまで心がひねくれることはなかったのだろうなあ。みんな成長するし、成長したいんです。ああ、書いていてまたもや涙腺が~。また読み直して、明日からまた長男の心に寄り添っていこう、と思った未熟な母でした。ごめんね、長男。