『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

親子で楽しめる美味しい物語♪

2018-01-14 08:21:06 | 幼年童話


『スプーンは知っている』(2015年)新藤悦子著 講談社

心がほっこり、そして、すぐにでも巻末に出ているレシピを作りたくなってしまう美味しい物語。小学校中学年からですが、低学年でも読み聞かせしてあげると、親子で楽しめそう!

『手作り小路のなかまたち』という本の後に出たシリーズものですが、内容としては続きものではないので、こちら単体でも十分楽しめます♪

主人公は小3のかなめちゃん。手作り小路と呼ばれるところに住んでいます。
吉祥寺みたいなイメージかな?でも、吉祥寺ほど若者のための町でもなくて、昭和初期のような人々のつながりがあって・・・でも、和風というわけでもなく、おしゃれで異国感も入りこんでくるところが、新藤さんワールド。

かなめちゃんはいつも、カード屋の自分のうちではなく、お隣のカフェ[ビーンズ]に寄るんです。そこで、今日のおやつと人形のタマムさんとおしゃべりするのが日課。そう、かなめちゃんは人形とお話できるんです。

このね~、タマムさんっていうのがいいの。カラフルな民族衣装を着て、木のスプーンにまたがり、天井からつるされているんです。こんな風に↓



花豆ばあばが亡くなってからというもの、ちっとも笑わなくなったカフェのマスター豆吉じいじに笑顔を取り戻してもらいたくて、花豆ばあばのレシピに奮闘するかなめちゃん。さあ、うまくいくのでしょうか!?料理あるあるも出てきて、大人ならクスッとしてしまうかも。

私が好きなのは、ドライフルーツをなぜわざわざ熱湯で戻さなければいけないかというところの、タマムさんの説明。

「もどさないと、煮ても、かたいしんが残ったりするの。それに、もどしてあげることで、ドライフルーツの時をもどして、むかしを思い出させてあげるのよ。」

「ドライフルーツには、豊かな過去がある。もどしてやわらかくして、おいしい過去を引きだしてあげるの。レシピにはちゃんと理由があるんだから。」(P.72)

さてさて、料理の秘密とは???誰もが知っていて、でも忘れがちな秘密。
ああ、もう、ホントに新藤さんの物語を読むと、むしょうに食べたくなっちゃうから困ります(笑)。


さてさて、そんな、作者・新藤悦子さんを鎌倉にお呼びしますよ~!!!2月25日(日)は、ぜひ観光がてら鎌倉へいらしてください♪

【第一部】
『イスラム世界を物語る - 絵本・児童文学から見る暮らしと文化 -』
13:00-15:00@鎌倉市中央図書館多目的室 参加費無料

※ こちらは、私も所属している図書館とともだち・鎌倉主催なので無料です!

【第二部】
『作家・新藤悦子さんと過ごすイスラムの食と織物の夕べ』

10名限定で新藤さんと食を囲みながら過ごすプレミアムな夕べですよ~。とっても、贅沢な時間!こんな機会めったに持てないので、これは早く予定押さえておいてくださいね。

場所は鎌倉市内の某所(参加者に直接お知らせします)。
17:00-20:00(参加費:4,500円)でトルコ家庭料理のミニ料理講習会付きです。

ご興味のある方は下記問い合わせフォームからお願いします↓

大人のための児童文学


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