『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

JPIC読書アドバイザー講座 初回

2017-08-29 06:55:33 | 講演会・勉強


先日、JPIC読書アドバイザー養成講座の初回スクーリングに行ってきました!

すっごく楽しみにしてたのは、内容(興味がある方はコチラ)が非常に興味深く、講師陣(コチラ)が豪華だから

いやね、正直言って、資格としてはこの講座にどれほどの意味があるのかは分かりません
分からないというか、お金にはまあならない(=仕事につながらない)と思っておいたほうがいい、と最初にハッキリ言われます
私は資格マニアではないので、資格うんぬんよりも、やっぱり講座内容に惹かれて受講することに決めたのでした。

まだ初回なので、総論は書けません。が、今後受けたいなと思ってる方の参考になれば

まず、部屋に入ったとたん、圧倒されるのは、金屏風に重々しいカーテン、神妙な面持ちの来賓あいさつ(笑)。堅苦しい。びっくりするほどに堅苦しい。それを笑いでほぐしてくれるのが、全体を監修(?)されている永江朗先生。ユーモアある方で楽しい!


【よかったこと】

・講師陣が豪華で、本には書かれない生の声と現状が聞ける

・受講者がみな本好きなので、話が弾む

・ディスカッションや発表を通じて、受け身でなく考えさせられる

・レポートも現場リサーチが必要なものなので、受講時間意外も自主勉強になる

・期待していなかった懇談会のビュッフェが、意外にも豪華でビールもあった

・どんな質問からでも、ポイントを拾ってくれたり、ちょっとズレてるような質問でも、講師がそこから気づいたことを言ってくれる。

・ディスカッションの講評も、まず肯定ありきで雰囲気がいい。そこに加えて永江先生の洞察も面白い。


【う~ん、だったこと】

・JPICが送ってくれる地図は信用してはいけません(笑)。
徒歩2分で駅からまるで見えるかのような描き方ですが、実際は分かりづらい。

・ランチ時間は短いので、外食はキツイ。
近くで買うのならPaulが個人的にはお気に入り♪

・横のつながり、最終的にはあるのかもしれませんが、人見知りな感じの方多く、
終わると、さあっと帰ってしまう感じがちょっと残念。え、みなさんお茶とかしないの・・・?

・名刺持ってない方多く、連絡先もワカラナイ・・・(プライベート手作り名刺でも作成したほうがよい!)

・う~んとは違うかもしれないけれど、人数少ないせいか、男性陣は肩身が狭そうに男性だけでかたまりがち。

・次回のスクーリングまでに日程があきすぎている(宿題提出期限は短いのに)


【参加者100名の内訳】
学校司書14名・会社員14名・公共図書館13名・主婦13名・その他12名・幼稚園・保育園関連7名・出版関係6名・学生5名・公務員3名・教員3名・取次店2名・自営業2名

あれ?1名足りない・・・ま、いっか。主婦といっても家庭文庫やってる方、図書館の臨時職員の方など。公務員も元図書館員など本関連の方がほとんど。



初回感想はこんなところですが、一つ言えるのは、次回もめっちゃ楽しみ!ってことです。

まだ間に合う!石好きさんの夏休み

2017-08-25 21:24:11 | 旅行
 

夏休みに入ってから、過去記事の中でも、鉱物採集キャンプの記事のアクセスがぐぐっと上がっております

まだ、あと1週間ある!
なんなら、夏休み終わって秋でもまだ間に合う!

というわけで、いままでの鉱物採集キャンプ関連記事のリンク先をまとめてみました。

① キャンプで水晶探し

② 必見!天然水晶洞とお宿

③ 『水晶さがしにいこう』


あれ?奇石博物館やら伊豆の菖蒲沢での採集とか書いたつもりだったのだけれど・・・見つからず

石好きさんにおすすめの本はこちら↓



『鉱物レシピ』記事はコチラをクリック




『鉱物と理科室のぬり絵』記事はコチラをクリック




『海辺の宝もの』記事はコチラをクリック



『ホイッパーウィル川の伝説』記事はコチラをクリック

まとめた意味あまりなかったかな?石好きさんにヒットしますように

中学受験って・・・期間限定の秘密基地

2017-08-24 14:00:01 | 日本文学


『ヘヴンリープレイス』(2010年)濱野京子作 ポプラ社

夏に読みたいYA(ヤングアダルトと呼ばれる児童書と一般書の中間にあるもの)の良書!
現代っ子の抱えているモヤモヤが丁寧に描かれています。うっかり電車の中で読んでしまって、ウルウル涙腺抑えるのに大変でした
ラストシーンが納得いかない、モヤモヤするという感想の人も多いみたいですが、親の顔色見るところから一歩抜け出して進んでる姿は個人的には好きでした
今までの当たり前を見つめ直すきっかけともなり、社会の弱者への偏見も取ってくれる一冊。

これね、大人(特に親という立場にある人+親に対してモヤモヤ抱えたまま大人になった人)も読んだほうがいい。絶版かな?(品切れ)。図書館or中古本で。

«『ヘヴンリープレイス』あらすじ》
引っ越してきたまちで、和希は暮らしに悩みを抱えた少年少女たちと出会う。
親の虐待にあっている英太、児童擁護施設を抜け出してきた史生、登校拒否中の有佳。
彼らを救いたい――でも助けられないのは、自分が子供だからなの? 
クラスメイトをいじめていた自分自身、両親、そして社会に目を向け始める……。
それぞれ過酷な境遇にありながら、しかし彼らは明るく、あたたかなふれあいが続く。
緑ふかい林の中ですごした、天国のようなひと夏の物語。
今年度坪田譲治文学賞を受賞した、濱野京子の渾身の最新作!
(ポプラ社ホームページより転載)



■ 親の呪縛?&いい子の僕

中学受験勉強が突然できなくなってしまった和希。和希の両親は理解があるほうなんです。
一見親の意見を押し付けず、子ども自身の選択を尊重しているかのように見える。でも、実際は、「自由にしなさい」」と言いながらも「必ず道を指ししめす」(ドキッ)。そして、和希は親の希望に沿う選択をついついしてしまうんですね

本当は続けたかったピアノ。受験のために自分で納得してやめたと思ってた・・・でも本心は・・・。人って本心と違うことをすると、こんなにも苦しいものなんだなあ
これ、サッカーや友だちと遊ぶことに置き換えても同じだと思う。

和希がエライのは、そんな親を責めるのではなく、‟本当はどこかで自分をごまかしているってわかってたはずなのに、それを見ようとはしなかった自分がずるい”と客観視できてるんです。

そんなことないよー。これ、やっぱり大人が悪い!と言ってあげたい。
とはいえ、理解ない大人を乗り越えて、人は成長していくものだしなあ。難しいところ

そして、これね、親のほうの気持ちも分るから、刺さる。
友だち付き合いにあれこれ言いたくないけれど、図書館に行ってると嘘つかれて、廃屋通ってる、しかも友だちは身元不明の子・・・となれば心配するのも当たり前ですよね

中学受験をやめたいと伝えたとき、お父さんは悲しそうな顔をするものの「がっかりだ」とは口にしないのです。いい親だから。いい親を演じるのが好きだから。(P.172)
子どもは、ホントよく見てますねー。こういうこと感じてモヤモヤしてても、言語化できない思春期の子どもたちが読んだら、共感の嵐なんじゃないかな。



■人はどんな過去からも立ち直れる

秘密基地(森の中の廃屋)にいたさまざまなバックグラウンドの子どもたちと、ローシ(老師)というあだ名の謎のホームレスと出会い、色々な気づきを得て成長していく和希。

子どもたちがここに集う理由、ローシ(老師)の存在が光っています!
ローシは学校では学べない‟本当の勉強”を教えてくれるのです。中でも私が素敵だな、と思ったのは‟林の中の音を気をつけてきくこと”という課題。ああ、いいなあ!こういうの。生きた勉強。ローシって一体何者?

まさに人格者といった感じのローシは、非常に物静かで、押しつけがましくないとことがいい。熱いポジティブ励まし系でないところも(←これ、うざったいですからね)。子どもたちで話合ってるときは、口を挟まず、黙って聞いている。これ、できる大人なかなかいないんですよね

具体的には何をしてしまったのかは明かされませんが、ローシは故郷に帰れないようなことをしてしまったらしいのです。でも、人間は立ち直ることができる、そんなことを教えてくれます。名作、『ナゲキバト』を思い出しました↓



『ナゲキバト』の紹介記事はコチラをクリック


現代ならではの悩み、社会のゆがみの影響を映しだした物語。親子で読んでみるのもいいかも
小学校高学年から。


課題図書『ホイッパーウィル川の伝説』

2017-08-23 08:37:54 | ファンタジー:アメリカ


『ホイッパーウィル川の伝説』(2016年)キャシー・アッペルト&アリスン・マギー共著 
吉井知代子訳 あすなろ書房

MAYBE A FOX,2016

今年度2017年の中学生の部の課題図書。
課題図書は毎年、う~ん、となってしまうのですが、これが選ばれたことはちょっと驚き。身近な人を亡くすというテーマがよかったのかしら?

【『ホイッパーウィル川の伝説』あらすじ】

ヴァーモントの神秘の森でくりひろげられるスピリチュアル・ファンタジー。
12歳の姉のシルヴィは、走るのが大好きな学校一のランナー、11歳のジュールズは、石に惹かれる「石ガール」。幼い頃に母親を発作で亡くした仲良し姉妹には、パパ憲法と呼ばれるパパとの約束があった。そのうちの一つが、奈落の淵には近づかないこと。でも、その危険な場所は、願いごとをかねてくれるかもしれない〈願い石〉を投げ込む特別な場所でもあって・・・。
ある雪の朝、ジュールズの目の前から森へと走り出したシルヴィは、そのまま姿を消してしまいます。奈落の淵の前で、不穏な足跡だけをのこして……。シルヴィの秘密とは?ふしぎな力を持つキツネ「セナ」の物語と、ジュールズの物語が交差し、やがて一つになる幻想的な物語。



表紙絵に惹かれたのと、作家二人による合作のスピリチュアルファンタジー、とちょっと異色なこともあって、前々から興味はあった物語。日本版の表紙イラストは伊藤彰剛さんによるもので、物語の世界観がよく現れてると思う。原書はこちらだもの↓



とてもとても悲しくて切ないお話です。でも、お涙頂戴をねらってるわけでもないところがいい。
‟どうして?なぜ!?”という激しさや怒りもあるけれど、それよりも印象に残るのは、心の奥底にズンと沈み込むような静かな悲しみ。

でもね、大自然そして人智を超えた大きな存在に包み込まれているせいか、凛とした美しさと透明感がある。悲しいのだけれど、人間関係だけで終わってないの。もっともっと大きなものの中に点として存在する人間、めぐる魂。輪廻転生的なものなので、日本人にはしっくりくるんじゃないかしら。

エルクとピューマの関係ももっと描いてほしかった、という思いもありますが、想像の余地を残しておいてくれたのかもしれません。
身近な人の死は、遅かれ早かれだれにでも訪れるもの。そして、悲しみも逃れられないもの。亡くなった人の魂が時には、そばに寄り添っていてくれることを知ることは、大きな慰めになるのではないでしょうか。
ぜひ、一度読んでおきたい一冊です。石好きさんにもおすすめ!

しかし、なあ
これで読書感想文はキツいなあ。元々読書感想文書かせるってこと自体に疑問を感じているのですが、こういう物語に関しては特にそう思う。ぱっと感想が出てくるようなもんじゃないんだな。それぞれが、何かを感じて、長い時間をかけて温めていくような類の物語なのです。

だからね、ネットで『ホイッパーウィル川の伝説』感想文攻略、とか感想文書き方のコツ、っていうサイト見つけるたび、げんなり。読んだ人を放っておいてあげて~、という感じ。

森の感じや、以前と同じではいられない帰還兵の複雑な心境、『この森で、天使はバスを降りた』(1996年)という映画をちょっと思い出しました。この映画もおすすめです!↓


本が苦手な子にも『秘密の島のニム』

2017-08-22 11:32:02 | オセアニア文学


『秘密の島のニム』(2008年)ウエンディー・オルー作 田中亜希子訳 あすなろ書房

夏って、なんだか島に行きたくなる。
というわけで、今日の一冊はコチラ!絶版のようですが、まあ、そうなるだろうなあ。本好きさんよりも、本が苦手な子が読むのにいいかもしれません。

ジュディ・フォスターが主演していた『幸せの1ページ』という映画の原作でもあります。



【『秘密の島のニム』あらすじ】
ニムは“秘密の島”におとうさんとたった二人で暮らしています。島がどこにあるのか、誰も知らず、地図にものっていないし、島のまわりには、サンゴ礁の迷路がはりめぐらされているので、ほかの人は近づくことができません。ところが、ある日、プランクトンの研究で出かけたジャックがトラブルに合い、ニムは思いがけず長く一人で島に置き去りに・・・。
そこに、現れた救世主がニムが大好きな冒険作家アレックス。実は引きこもりだったアレックスは、ニムを救うべく実際の冒険の旅に出ます。



自然と共生する島の生活は面白そう!映画のほうはまだ見ていませんが、映像で見てみたくなります。
アレックスとニムはメールでやりとりするところが現代的で現実的。軽い読み聞かせにもいいかも

ただね、大人が読むとちょっと物足りない。ニムの母親の命を奪った観光船の乗組員たちが、アレックスの物語を聞いて、そろって涙したり、悪者扱いが分かりやすすぎて、ちょっと漫画的というか子どもだましに感じてしまう

同じく無人島でのサバイバル生活を描いたものならば、実話を元にしたこちらが大人にはおすすめ↓




『青いイルカの島』
(以前書いたレビューはコチラをクリック