『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

子どもじゃなく、大人に必要な絵本

2017-12-09 07:04:44 | 絵本



『白い池 黒い池』リタ・ジャハーン・フォルーズ作 ヴァン・ミンツィ絵 もたいなつう訳 光村教育図書


今日の一冊はコチラ。というのも、昨晩久々に、ゲームめぐって長男とやりあってしまったので。あ~、やっちゃった

ああ、長男の心の声聞くことできなかったなあ、って。こちらは大人に読んでもらいたい絵本です!ちょっと教訓めいているのでね、個人的には逆に子どもにはどうかな?っていう思いも

イランの昔話なのかな?よくある心優しい妹と意地悪な腹違いの姉のパターンです。

ある日心優しいシラーズは、毛糸玉が風に飛ばされ、不気味な家の中へと落ちてしまいます。その家を訪ねると、ボサボサ頭の老婆が色んなこと言いつけて、それやってくれたら毛糸玉を返すと。例えば、ごちゃごちゃの台所の食器を全部割ってくれとか、庭の草木を根こそぎ取ってくれとか、老婆のボサボサ髪を切れとか。

ところが、シラーズは言われたことと反対のことするんです。台所ではお皿を洗って、元の位置に戻してきれいにし、庭は手入れをして美しくし、老婆の髪は洗って美しく結い上げる。そして、老婆の言いつけ通りに池に入ると、シラーズは別人のように美しくなって帰っていくんですね。

それを聞いた姉も継母から、わざと毛糸玉を飛ばして老婆のもとへと派遣されます。もう、想像つきますよね?
姉は、老婆の言う通りに全部してから池に入ります。強欲なので、池に入る回数だけは言いつけを上回る回数入る・・・そしたら、やはり別人に。ええ、別人のようにみすぼらしくなるのです。

そして、最後にこう締めくくるのです。

みんなはシラーズのことを、いつまでも忘れなかった。
人は、思ったことを素直にいうとは限らない。人の心に寄り添って、心の声に耳をすまし、その人がほんとうに望んでいることができた、やさしい少女がいたことを。


ハッとさせられます!と同時に、子どもに対しては、この最後の文はなく、昔話と同様の形式で、ただ姉はみすぼらしくなって帰って来たところで終わってもいいのかな、と思いました。
というのはね、子どものほうがそれ分かるから。心の声に耳すませるのは、子どものほうが得意だから。特に、言葉をまだ自由に操れないくらいの。

以前、当時3年生だった長男が荒れていたとき、道路で突然キレ始めて、悪態をつき始めたんです。

‟こっち来んなーーーーーー!ク○ババ○!!!!”

って、暴れて、そりゃまあすごくて。途方にくれる私に対して、当時年長さんだった次男が、こう通訳してくれたんです。

‟お母さん、行ってあげて。あれは、お母さんこっち来て、さみしいって言ってるんだよ”

って。年長さん、すごい!次男には長男の心の声聞くことができたんですね
だから、この絵本の最後の教訓は、大人に対してのものだなー、って思うんです。
必要なのは、大人!

人は思ってることを口に出すとは限らない。

表面の言動にとらわれず、心の声に耳をすませなくては、と昨晩も反省しました。



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