
『龍のすむ森』(2006年)竹内もと代作 小峰書店
ブックオフから連れて帰ってきた子たちのうちの一冊。
こういう自然と人間とのつながりを思い出させてくれるような物語は、どんどん増えてほしいなあ。
≪『龍のすむ森』あらすじ≫
主人公の智は、母と二人で父親の故郷である清瀬村へと戻ってくる。実は、智の父は「必ず帰る」という手紙を残して蒸発。いじめにもあい、父の田舎に引っ越してきた智。そこで、実は智の家系は竜神社の神主であったことを知る。龍に出会いたい村の子信と智は、頻繁に森へ出かけるように。智が一人でいるときにしか現れない不思議な少女は一体誰?父親はなぜ消えたのか?
続きが気になって、どんどん読み進めます。
ただ、大人が読むと物足りないかな。田舎の村って決してパラダイスではない。狭い社会だし、こんなにすっと都会の子が馴染めるのかなとかも大人は思ってしまう。ガネ仙人や少女との出会い方がちょっとあっけなかったり・・・最後に戻って来た父親にすべてを話すところなど、私だったら話せないし、話したくないと思うので違和感。
それでも!!!
こういう日本を舞台にし、日本人のDNAが呼び覚まされるような物語はどんどん増えていってほしいと思うのです。自然とのつながり、それを思い出させてくれるような物語。森の‟気配”を感じてほしい。何かがいるってこと、龍の存在。龍といえば、こちら↓

『冬の龍』(以前書いた感想はコチラ)も、東京にだって龍はいたと思わせてくれる物語で、少年たちの仲間の絆も良い物語でしたが、この手だと私はやっぱり現代の天狗を描いたコチラがダントツに好き↓

『天狗ノオト』(以前書いた感想はコチラ)
こういう自然とのつながりを思い出させてくれる物語を読んだ後は、心に何ともいえない広がりが残る。あ、つながれるかも、という感覚。緑が目に飛び込んできて、水の流れる音が耳に飛び込んでくる。そして、心を豊かにしてくれる。
もっともっと、私たちのDNAを呼び覚ませておくれ~!!!