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『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

児童文学cafeミニクリスマス会

2016-12-21 23:47:48 | 児童文学cafe&picnic


今日は児童文学cafeのミニクリスマス会@相棒MMちゃん邸。
うちでやろうとしたら、チビっ子たち来られるのイヤだ!と、上の子たち二人に猛烈に拒否されちゃいまして。でも、MM邸にしてホーントよかった!クリスマスオーナメントがどれもこれも素敵だし、素敵だし、素敵だし(大事なことなので3回言いました)。しかし、我が家と同じのも多いのに、あちらのほうがセンス輝くのはなぜかしらん(笑)?

12月って毎年怒涛のように過ぎて行って、クリスマス数日前になってから、「あ~、ヒンメリ作りたかった。雪結晶模様のモビール作りたかった~。ローズウィンドウも~」と毎年後悔している気がします。クリスマスはやっぱりとっても素敵なので、来年こそは11月から準備に入りたいな、って改めて今日思いました

ところで、児童文学とクリスマスってとおっても相性がいいですよね。古き良き児童文学の中には必ずといっていいほどクリスマスの場面があって、そこに出てくる食べ物がもうもう美味しそうで、幼い頃普段耳慣れない外国のメニュー(ミンスパイとか)に心躍らせていたものです

でも、私たちだって負けません!?みな「材料がないー!作る余裕がないー!」と言ってたわりには、あら?それなりに豪華。今日は忙しくて来れない人も多かったし、こじんまりでしたが、特別感でキラキラしていました



メニュー

★自家製リモンチェッロ(レモンリキュール)
★アジのリエット
★アマランサスのタラモ風
★色どり野菜のクリームチーズテリーヌ
★青ミニトマトのマリネ
★牡蠣のガーリックオリーブオイル
★ローストチキン
★里芋のミニコロッケ
★りんご酵母のラスク
★クリームチーズスモークサーモンバゲット

もうね、もうね、個人的にはリモンチェッロが大ヒット!原液を口に含むと、喉にジワッと広がる幸福感。しかも手作り!デザートも贅沢でしたよ~↓。



★りんごのコンポート(ジンジャーが効いてて美味!)
★雪の結晶模様のブラウニーケーキ“悪魔ケーキ”
★シュトーレン(贅沢栗の渋皮煮入り)

持ち寄りってなんて楽しいの~。バゲット以外はぜーーーんぶ手作り
ホロ酔いに勢い借りて、MMちゃんの素晴らしヴァイオリンに合わせて、ピアノを伴奏し、ノエル。とても、人に聞かせられるような演奏(私のはね)ではないけれど、これぞクリスマスっていう気分を味わえました。あ~、幸せ

クリスマスと児童文学テーマで楽しい企画を思いついちゃったので、来年に向けてロングタームで始動します♪
今日は食べるのと演奏メインで、本の話はあまりできなかったけれど、楽しかった~。MMちゃんありがとう!




第7回児童文学ピクニック

2016-12-01 11:44:52 | 児童文学cafe&picnic


『子どもの宇宙』河合隼雄著 岩波新書


昨日は寒空の下、第7回児童文学ピクニックを開催しました~。お日様さま出てない時間が多かったので、いや~、寒かった。体調不良で直前キャンセルの方も何名かいて、6名でこじんまりと(しかし、このくらいの人数がちょうどよかったりする)。

今回のFoodテーマは“異国情緒を感じる味”。前回のピクニックで、世界中を放浪してきたAさんが作ってきてくれた中米料理が美味しくて、こんなリクエスト。ちょっとスパイスが入るだけで、そこはもう異国で、クミンの入ったかぼちゃ煮、菊芋カレー、トルコ風人参サラダ、もち米をココナッツミルクで似た甘いおはぎのようなタイのおやつ、ギリシアのラスクetc.etc.。ひとつひとつがもう美味しくって。本のテーマとは全然関係のない、ただ自分が食べたいという理由だけで設定した持ち寄りテーマ、大正解でした

あ、肝心の本のテーマでしたね。今回は『老人と子ども』
もう読む本が追い付かないくらい、い~っぱいありました!前日の夜ぎりぎりまでテーマ本を読み、リスト(毎回テーマに沿った本のリストを作成しています)が仕上がったのが当日の朝。まあ、毎度のことですが。なんで、こんなに“老人と子ども”を描いたものって多いのー!?となりましたが、その‘なんで’には、ちゃあんと理由があるんです

臨床心理学者、故河合隼雄さんの著書(上記写真参照)からその理由を引用しますね。

老人と子どもとは不思議な親近性をもっている。子どもはあちらの世界から来たばかりだし、老人はもうすぐあちらに行くことになっている。両者ともあちらの世界に近い点が共通なのである。青年や壮年がこちらの世界のことで忙しくしているとき、老人と子どもは不思議な親近性によって結ばれ、お互いをかばいあったり、共感し合ったりする。もちろん、一般的な意味で、老人と子どもは正反対であることも事実である。反対の部分と共通の部分と、これが作用し合って、老人と子どもの間に興味のある交流が生まれてくるのである。(『子どもの宇宙』河合隼雄著 岩波新書より)

講義で習ったことをそのまま書くと(笑)、大人が「量的世界観」の時間の流れに生きているのに対し、子どもと老人は「質的世界観」の時間の流れに生きているという点で共通しているそうな。人間はもともと量的世界と質的世界のバランスを無意識的にとって生きている存在だったのですが、近代以降は経済活動含む量的世界の価値観が強くなりすぎちゃったんですね。この量的世界と質的世界の差異が大きくなってしまうと、老人と子どもが生きづらい世の中になってしまう。幼児・老人虐待やらキレる子ども、老人も増えてますよね。量的世界とは大人の世界なのですが、今の世の中は、子どもを早く大人にさせたがり、また大人はなかなか老人になれない傾向となっちゃってるんです

コレ、児童文学の中にもハッキリあらわれてます。古典的、昔の児童文学に出てくる老人は本当に成熟している(頑固偏屈じじい、ばばあはいつの世にもいるけど)。ところが、現代の老人を描いたものでは、なんていうか老人も子どもっぽい。子どもの心を持った、ではなく精神的に幼稚という意味での子ども。それもまた、人間くさくていいなあ、と思うときもあるのだけれど、せめて児童文学の中だけでも、以前ご紹介した『銀の馬車』に出てくる祖母のような人格者に出会いたいなあ、と思ってしまいます。お父さんやお母さんには理解してもらえなくて、でもそんなとき心に寄り添ってくれる老人がいる・・・これが健全なあり方なんだなあ

いやあ、『老人と子ども』奥が深い!しかし、読んだそばから内容を忘れて行くので、自分の備忘録としても、しばらく『老人と子ども』テーマの本の感想が続きそうです。

第6回児童文学ピクニック

2016-10-27 21:10:00 | 児童文学cafe&picnic


昨日は第6回児童文学ピクニック。テーマは『先住民族』で、写真は木登りする現代の野人(笑)。青空自主保育の子たちって、ある意味先住民族みたいよね、なんて話も。秋晴れのポカポカ陽気に恵まれ、まさにピクニック日和でした!今回も美味しかった~&楽しかった~

持ち寄りのご馳走は、かぼちゃにサツマイモ秋の味覚が並びます。里いもグラタンも美味しかったし、手作りトルティーヤにくるくる豆ペーストやら具を巻き込む中米料理も美味しかったな~。デザートもどんぐりクッキー(先住民ならぬ縄文!?)、かぼちゃパウンド、アップルシナモンケーキと充実。あ~、幸せ♪

と、ついつい食べ物の話が先に来てしまうのですが、ブックトークも楽しかったなあ。今回は、先住民族求めて、アジア、中米などを放浪していたAさんが初参加してくれて、本そっちのけでそちらの話のほうが聞きたい私。体験談を生で聞けるってほーんと貴重。時間が全然足りませんでした!

先住民族をテーマにした本ってあるの?と思いましたが、意外とありましたね。彼らの世界観は実に奥が深い。森羅万象に神が宿るという意識がいまだ日本人の無意識下にはある、と個人的には思っているので、彼らの世界観って実は日本人にはとても受け入れやすいものだと思うんです。大人が児童文学を読む面白さは、純粋に物語を味わうだけでなく、そこを切り口に色々考えたり、その視点から世界を見つめ直したり、興味の幅を発展させられることにあるんですよね。本はきっかけ。窓口。話すたびに、新しい発見があって、やっぱり大人にだって、いや大人に“こそ”児童文学、っていう思いを新たにするのでした

第5回児童文学ピクニック

2016-08-26 21:14:25 | 児童文学cafe&picnic


第5回児童文学ピクニックのテーマは『戦争と平和』
木陰が涼しい緑あふれる懐かしの公園で開催しました~

8月は夏休み中で、みなさん子どもの予定に振り回されるしで、開催は難しいかなあと思ったのだけれど、どうしてもこのテーマは8月にやりたかったので、人集まらなくてもいいやと思って開催しちゃいました

大人4名なのに、子どもは13名(そのうち2名はお友達のお子さん)という(笑)。
炎天下の中、45分も自転車こいできてくれたMMちゃん、1時間半も子どもたち引き連れて歩いて(!)来てくれたCさんの根性にただただ脱帽!!!サンドイッチ交換会も子どもたちがいたのであっという間になくなりました

さて、今回テーマは重かったのですが、悲壮感漂う感じではしたくないよね、と。やはり類友なのか、持ち寄ったBOOKリストも共通するものが多かったです。そして、共通していたのは、「直接的に」戦争の悲惨さの描写があるものや、救いようのない気持ちになるものは、再読したいとは思えない、ということ。一度は読んだほうがいいとは思うんですけどね

目をそむける、というのとはちょっと違う。でも、『原爆の日に思うこと』でも述べましたが、不安感、恐怖感に訴えるものは、やっぱり前に進もうという気が起きてこないんです。「こんな怖い世の中にあなたはしたいんですか?それ知って何も行動しないんですか!?!?」と責められてるような気分になり、たちはだかる巨大な壁の前に無力感とあきらめがきてしまう。やっぱり美しい世界、守りたい楽しい世界が先にあってこその平和かなあ・・・。

うまく言えないのですが、直接的な表現や描写は敬遠したくなる私たちでしたが、でも語り部の存在は絶やされてはいけないよね、というところでも共通していました。実際の体験者のお話を耳で聞くのはこれまた違う。私たちも戦争を知らない世代ですが、でも戦争を体験している世代から直接話を聞く機会がまだあって、それがいまの子どもたちとは感覚が違うよね、という話にもなりました。今の子どもたちにどうやって伝えていったらよいのか・・・。
『はだしのゲン』(漫画)なんかも子どもたちみな読んでいましたが、どういう風に受け取ってたんだろう?ただただ怖いもの見たさというかグロテスクな感覚だけが残ってしまっているのではないか・・・?
今回はとっても真面目な話し合いになりました。

BOOKリストは結構なボリュームなので、また別の機会にアップしようと思いますが、さらりと読める絵本で平和を考えさせられるのが、以前にも紹介したこちら↓



『せかいいちうつくしいぼくの村』小林豊 作・絵 ポプラ社

参加者MMちゃんと私の一押し。最後の一文が強烈です。
『ひろしまのピカ』よりもこちらを読むほうが平和を守りたい!って思えるんです(私の場合は)。友だちを失いたくない、大切なものを再認識させられる。しかし、戦争文学ってやっぱり私自身はエネルギー吸い取られちゃうんですよねえ・・・。どよーん。暑さもあってか、子どもたちとお互いイラっともし、暑い暑い夏の日にいろいろと考えた一日でした

第4回児童文学カフェ

2016-07-14 22:12:54 | 児童文学cafe&picnic


昨日は雨だったので児童文学ピクニックを変更して、児童文学Cafe@我が家を開催。夏野菜の持ち寄りが並びましたよ~。トマト、ズッキーニ、オクラなどなど。もう美味しくておしゃれなブルスケッタにレバーのパテ(これまた手作り!)まであったから思わず昼間から出しちゃいましたよ・・・ワイン
本当はひんやりデザートもいくつかあったのに、話に夢中ですっっっかり忘れて、タイムアウト。我が家で美味しくいただいちゃいました

と、開催するたびに先に食べ物の話になってしまうのですが、今回のテーマは『地図』!
児童文学の見開きページによく出てますよね。あれです、あれ。地図好きのKさんからの発案で、いままで地図をそれほど意識したことなかったのですが、調べてみると出てくるわ出てくるわ。これが意外と面白い!冒険ものファンタジーにはつきものの地図ですが、サトクリフなんかの歴史小説にもつきもので、これらは実際にある地形の当時の様子がほとんど・・・個人的にはあまりワクワクせず。地図の話から挿絵の話にまで話が広がりました~

ところで、地図でワクワクした原点ってみなさんは何でしたか?
Kさんも私も『エルマーのぼうけん』シリーズだったんです。記憶にある限り初めて地図をワクワク眺めたのがエルマー。地図というより挿絵的だから子どもでも印象に残ったんでしょうね

最初にテーマを告げられたとき、自分の中では正直ここまで盛り上がれるとは想像していませんでした。地図もなかなか面白い
『影なし山のりん』の地図は別にいらないんじゃないか、『ゲド戦記』の地図はカタカナの島名を多く載せすぎてて探すのが大変すぎる、もっと的絞ってほしい、『王への手紙』の地図も地名多すぎてごちゃごちゃしすぎ・・・etc.etc.な~んて毒舌(!)が飛び出すのもお茶会ならでは

さらに地図が掲載されていないけれど、この地図がほしかった!とKさん言っていたのが『トムは真夜中の庭で』。イギリスの地図は載ってるのですが、Kさんがほしかったのは庭園内の地図。うんうん、確かに。『公園のメアリー・ポピンズ』の愛蔵版では公園内の地図(下記写真)があるのですが、そんな感じの。ちなみに『公園のメアリー・ポピンズ』も岩波少年文庫版では地図はないんです、残念!地形の地図ではないけれど、実は『クローディアの秘密』にもメトロポリタン美術館内の地図があったってこともすっかり失念していました。みんなで持ち寄ると新しい発見があってやっぱり楽しい♪

 

個人的に好きな地図は『銀のほのおの国』(上記写真)、内容と照らし合わせて一番よく見た地図は『ツバメ号とアマゾン号』のシリーズかな。アーサー・ランサムシリーズの地図は本当にワクワクします。いつか行ってみたいな。

思い切って始めてみた児童文学ピクニックorカフェ。最初は人集まるのかな~?一人でも語り合える人がいたらいいかな、なんて感覚だったのだけれど、ちゃんと続いていて嬉しい。そして、何よりも私自身が楽しいのです~。来てくれるみなさま、ありがとうございます