ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

幕山・南郷山

2017-03-02 08:00:12 | 登山(伊豆・箱根・富士山周辺)

3月1日(水)

湯河原駅→幕山公園バス停→幕山公園(湯河原梅林)→幕山山頂→自鑑水→南郷山山頂→
大石ヶ平分岐→大石ヶ平→幕山公園(湯河原梅林)→幕山公園バス停→湯河原駅



一月に1回のマーさんとのレベルアップ登山は、湯河原の幕山・南郷山に決定した。

湯河原駅前には郷土を代表する人物として土肥実平(どひさねひら)夫妻の像がある。
実平は、治承4(1180)年の源頼朝の挙兵に参じ、石橋山の戦いで頼朝が敗れると
頼朝に従って湯河原や箱根の山に潜み、真鶴から房総半島の安房国へ脱出を助けた。
湯河原駅からは、幕山公園で開催されている「梅の宴」期間中に運行している
幕山公園バス停までの臨時直通バスを利用することにして
9時25分発のバスに乗れるようにマーさんと待ち合わせた。
バスに揺られること15分。
幕山公園バス停(第1駐車場)に到着。

橋を渡り、少し進むと「梅の宴」期間中だけ設置されている入場料を払う小屋がある。
200円の入場料を支払い、幕山に向かう前に散策路を歩きながらウメを愛でる。

木々を見るとちょうど満開の頃合いか、早咲きの株は既に落花している。
だた、天候のせいか樹齢のせいかは不明だが、今年は花つきがあまり良くないようだ。
満開なのに花がまばらで、少々寂しい。

幕岩を見上げると、所々に登攀するクライマーの姿が。

幕岩を回り込むように東に進むと、枝垂れ梅だけが植えられている場所に出る。
写真の枝垂れ梅は「淡路枝垂」という園芸品種。

散策路を登ると、岩の下部でたくさんのクライマーが登攀の準備をしている。
お仲間というよりは、黒いシャツの方が指導者のようで、登攀講座のメンバーか。

梅林最高地点からの眺めも、満開のわりには寂しい感じ。
ウメを愛でながら散策していたら、なんと1時間以上経っていた。
10時46分、梅林最高地点を後にし、幕山登山道に入る。

登山道を進めば、眼下に真鶴半島が見えた。
晴れて空気の澄んだ日ならば、それこそ房総半島まで見えて
頼朝が小舟で安房国を目指したことが、地勢を見て納得できるはずだ。
この景色を見ると、ぴすけの脳内では頼朝が小舟に乗り安房に向かう姿が合成される

危険箇所も急な登りもなく、11時38分に幕山山頂に到着。
山頂は広く、周辺はカヤトの原だ。
幕山公園の人出がそこそこあったので、山頂はさぞ混雑しているだろうと心配したが
3組のパーティがお昼を食べているだけだった。
山頂広場の北側に陣取ってお昼にしていると、前方で休憩していた人を猛禽類が突然襲った
おそらくトンビだと思うが、休憩していた人の食べ物を狙ったのだろうか。
あっという間の出来事で、急降下してくる物体が突然視界に入ってきた時は驚いた。
注意してみていると、トンビは幕山山頂上空で旋回しながら
常に登山者の様子を窺っているようだった。
12時5分、日が陰って風も冷たくなってきたので、山頂を後にして南郷山に向かう。
南郷山に向かう道は、途中架線工事で木の伐採が行われている区間があり
ヒノキの芳香が辺りに漂っていた。
そこでマーさんが思わずつぶやいた。
「あー、山って無心になれますよね。それが良いんですよね~。もうやみつき
「そうそう私が山に魅力を感じる一つは、無心になれること。
 歩く時はその一歩一歩に集中して、景色を見る時はその景色と一体となる感覚で
 余計な雑念は一切なくなるよね~
「もう、日常の生活だと気持ちが揺れることばかりで、疲れちゃうんですよ
わかるよ、マーさん。
せめて山に来た時は、思う存分きれいな空気を吸いこんで
一歩一歩に集中して、帰ったらぐっすり寝てくださいね。

湯河原や熱海・伊豆周辺の山々はやはり温暖なのか
アオキの葉は緑も鮮やかで、実が赤くなりかけている。

山頂付近がハコネダケのトンネルになっているのも、この辺りの山に多くみられる特徴だ。

12時28分、石橋山の戦いで敗れた頼朝が自らの姿を映したとされる自鑑水(じがんすい)に至る。
頼朝や実平の話をしながら歩いていると、マーさんが
「もっとこういう話を聞いていたら、歴史が好きになっていたかもしれないのに~」
と言って、歴史が苦手だったことを話してくれた。
「そうだね。その地に来て、そこでどういうことがあったか知るだけでも見方が変わるよね」

12時53分、人っ子一人いない南郷山山頂に到着。
広さは幕山山頂の3分の1程度か。
休憩はせずに、下山。
途中の分岐でマーさんとぴすけの意見が分かれ、地図でも判然としなかったので
マーさんの意見を採用したところ、来た時とは違う急な下りで舗装林道に出た。
これにはマーさんも驚いたようだが、南郷山の一帯は舗装林道と登山道が絡んでいて
舗装路を幕山方向に歩いて行けば、先ほどの道に必ず出るからと言うと、ホッとしたようだ。
案の定、幕山から来た道が見つかり、その道を戻る。

13時22分、マーさんに、疲れたら来た道をそのまま幕山に戻るか
歩けるのなら大石ヶ平を周るか、どちらにするか尋ねたところ、歩いてみようと言うので
道標の指し示す如く右に折れて、大石ヶ平を目指す。
なかなか風情の良い登山道で、見晴らしの良い場所もあり、楽しみながら下山。

13時54分、大石ヶ平に到着。
ここから先は舗装路歩き。

途中にあった山の神の祠。
道なりに進んでいくと、ほどなく幕山公園に着く。

散策路を歩くより、舗装路から見上げた方が、ウメの花数が多く見える。
もしくは、今年の湯河原梅林の花つきは、西高東低か。
幕山公園に戻り、「梅の宴」の地場産品・特産品売店がある広場のお休み処で
ミルクティーを入れて休憩。
マーさんはお腹が空いたらしく、のり巻きを頬張っている。

広場には、河津桜が咲いていた。
ウメもサクラも見られて、ちょっと得をした気分。
幕山公園バス停15時5分発の湯河原駅行きのバスに乗り、各々帰途に就いた。


マーさん、梅林に人はたくさんいて、山も人が多いのではないかと心配しましたが
予想に反して人に会わず、静かな山歩きが楽しめましたね
前回(宝登山)の時の話の続きを聞けたのも良かったです。
ゆっくり疲れを取って、次回に備えてください。



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2 コメント

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ゆったり (マー)
2017-03-04 00:53:25
ぴすけさんのおかげで、
色んな山に行ける喜び😉
ありがとうございます。

酒まんじゅうのお味は、どうでしたか?

そういえば、登山中で別世界の空間、
素敵でした。家の近くにも欲しい~。
めっちゃ、声が 、こだまして
心が弾みました。

登山後の、のり巻き最高でした。
具は、ツナマヨ。きゅうりも入っていると
美味しいなあと思いました。

日常では味わえない、すっきりとした空腹感
。 次回の山が楽しみ😄
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酒まんじゅうは秩父に軍配が上がるかな (ぴすけ)
2017-03-04 19:26:45
マーさん、家の近くに山があったら良いですよね~。
関東平野のど真ん中に住んでいる我々としては、山に行くまでの時間と、交通費が響きます

酒まんじゅうは、買った時、ホカホカのまま食べれば良かったのかもしれません。
これは好みの問題ですが、秩父の小麦まんじゅうに軍配が上がるかな。
長瀞のすまんじゅうや、宝登まんじゅう、花の季節に名所の出店で売っている、秩父の小麦まんじゅうはおいしいです。

山に行くと体調が整うのはマーさんだけではありません。
昨年から薬の減量で苦しむ期間が長かったので、日常が不安定で活気も気力も減退している時に、マーさんと山に出掛けると、不思議と少し持ち直すのです。
私もマーさんと歩けて、うれしいです。
ありがとうございます。
私にとって山は、最高の治療なのかもしれません。
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