道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

ブリューゲル展

2010-08-02 14:13:19 | 趣味愛好
すっかりブログの更新はご無沙汰してしまったが、一昨日に論文を一本書き終え、昨日は友人とブリューゲル展へ。


この画家、怪物画が非常に面白い。百聞は一見に如かず、という言葉に倣い、以下は購入した図録から撮影した写真をいくつか紹介したい。




まず、ポスターにもなっているこの絵、聖人を怪物たちが誘惑しているらしいのだが、いったいこのバカ騒ぎの何によって誘惑しようとしているのかは、謎である。



これも例によってバカ騒ぎ状態である。いくつか絵を眺めていて思うのだが、どうもこの人は、魚と、割れた卵と、頭から何かに突っ込んでいる人間を描くのが大好きなようだ。



ちょっと昔のマンガに似たようなキャラクターがいたが、こっちの方が400年は昔。



これは、マトリョーシカ式。



「ムシャムシャ食べる君」と命名。



これはポスターから撮影。何故おしりから液体が出ているのかさっぱりわからないし、液体を出すことに全く意味もないが、いかにも怪物っぽくて佳い。


日本の百鬼夜行絵に近いセンスを感じられる。むしろ鳥山石燕なんぞは実際にブリューゲルを見ていたのではないか、とも想像してしまう。
このまま発達すれば、世界のマンガ文化の中心はオランダになっていたかもしれなかったが、残念なことにというか幸いなことにというか、今のところは日本のキャラクター力の方が発展している。


もちろん、ブリューゲルには怪物画以外の方が多くて、写実的な上に、かなり躍動感を感じられる絵が多い。こうした基礎があるからこそ、活き活きと踊り回る怪物たちを描けたのであろう。
また、見ていると、非常に細かい。上に並べたものは、いずれも原物は小さめである。銅版画ならではの精密さとも謂えるが、とにかく非常に解像度が高い。
大き目の作品に「バベルの塔」というものがあったが、これは図録では全く紹介できないレベルの細かさで、機会があれば是非原物を見て頂きたい。かつて友人の知り合いが、大きな紙に大勢刻み込まれた人物たちの、あまりに精密であまりにリアルな描かれ方に、3時間立ち尽くしてしまったらしい。




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