道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

身は馳す、奈良の辺り

2007-08-31 22:00:56 | 旅中
今まで、奈良には行ったことがなかった。大阪や京都に比べ、多少行きにくいところという話を聞いていたからである。
しかし、実際に行ってみると、案外簡単、京都から一時間で到着。

行ってみて、まず分かったのが、鹿の多さである。
奈良公園の芝生の上ならまだしも、道路にまで出張って煎餅をねだる鹿が多いこと多いこと、鹿に取り囲まれ、ついに叫びながら鹿せんべいを地面に放り出す子供もいた。
東大寺の参道も例外に非ず、かの仁王像を有する南大門も鹿のたまり場、運慶快慶の傑作の足元には糞が散らばる始末である。
のどかと言えば誠にのどか。しかしまた、「過ぎたるは猶お及ばざるが如し」とも言える。

もちろん、大仏も見た。
鎌倉の大仏を見た時は、写真のイメージに較べてあまりに小さいのに驚いたが、ここ奈良東大寺の大仏は、あまりにイメージ通りなので、また吃驚した。
建物の中であるため、教科書等の写真と同じような角度でしか見られないためであろうか。

その他、奈良公園では様々な寺社を見て回ったが、いずれもかなり広い。
勝手な空想ではあるが、都が80年程で奈良を去り、二度と戻って来なかったのは、この盆地の中にこれほど大きな寺社を立て過ぎてしまったためではないだろうか。
面積を広大に取って都市計画を制限するとともに、寺社の勢力も豊かになり、政治の運営が面倒になるであろう。
もっとも、そのおかげで奈良は政争や戦乱から一歩遠いところにあり、昔のものを今に留めることが京都より多いのかもしれない。

青と緑と白

2007-08-31 21:38:52 | 旅中
青春18切符を使って、国内放浪のぶらり旅をして来た。

朝9時にバイトを終え、家に帰って身支度を整え、荷物を持って電車に乗る。
そのままほぼ休憩なしで東海道線を一路西へ、最初に改札を出たのは4時半頃、豊橋駅であった。

豊橋には、ほぼ1年半ぶりに会う先輩が車を停めて待っていた。
その車に乗って、仕事の話などを聞きながら、連れて行かれたのがラグーナ蒲郡であった。
とは言っても、温泉施設には入らず、外にある足湯に浸かりながら景色を見ただけである。

しかし、先輩が限られた時間の中でわざわざ連れて来てくれただけあって、綺麗な所であった。
手前には一面若緑の芝が広がり、その向こうには青い海。建物やヨットなどの人工物は白で統一され、どこかのアニメでしか見られないような夏の爽やかな光景がそこにはあった。
残念ながら、あのパノラマを再現できるカメラを持ち合わせていなかったので、ここには携帯電話で撮影した写真しか載せらない。あの光景を再び見るのには、また行く他あるまい。

先輩自身が、その日に東京に戻らなければならないらしく、その後すぐに、蒲郡駅まで送ってもらって、そこで別れた。
それから私は西へ、その日の宿泊地である京都へ向かったのだが、あの光景はなかなか頭から離れなかった。

「ひと雨10 万本」

2007-08-08 17:48:45 | 社会一般
以前、京王線は傘の無料貸し出しをしたことがある。
スポンサーをつけることで傘を調達したのだが、持って行って返しに来ない人が多過ぎたせいか、すぐにそのサービスはなくなってしまった。

ところで、電車に傘の忘れ物はかなり多いらしい。
だからこそビニール傘の産業が廃れないとも言えるが、処理させられる鉄道会社も大変だし、何より資源の無駄である。

ならば、忘れ物として廃棄される傘を、駅に置いて、乗客に提供すれば良いのではないのだろうか。
スポンサーを募る必要なく、ほとんど金銭的負担なくサービスを提供できる。そして、何よりゴミを減らして資源をより有効に活用できる。
前々からこのように思っている人は多かったはずであるが、恐らく何らかの事情のために、それが実現されることはなかった。

しかし、たまたま都営浅草線の戸越駅に行くと――あった。
明らかに乗客の忘れ物の傘だが、無料で貸出すようである。

ビニール傘産業には打撃になってしまうであろうが、限りある資源を無駄にしないために、他の鉄道会社も是非このサービスを始めて欲しいものである。
……もっとも、そもそも我々が傘を忘れないように気を付ければ良い話なのではあるが。。