腕時計をする人が減っているというのは分かる。
そして、携帯電話が時計の代用をしているというのも分かる。
私も、大学に入ってから携帯電話を持って、腕時計を持たなくなった。
試験の時に「携帯電話を切って下さい」と言われる段になって、
腕時計を持ってきていないことに気づいて、試験時間がさっぱりわからなくなったことも度々であった。
しかし、記事中に紹介されている、
「バブル世代や、その上の世代にとっては、腕時計はステイタスアイテムでしたが、逆に、20代くらいの若い人たちに聞くと、まさにそこが腕時計をしない理由だという声もあります。『腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない』と言うんですよ」
という分析は、少し納得がいかない。
なぜなら、同じ記事の中で、
1993年の出荷量/出荷額が2552万4千個/92771百万円、2008年が731万6千個/77843百万円、
というデータを紹介しているからである。
15年間で出荷量が3分の1以下に落ちているのに対し、
出荷額は92771百万円から77843百万円に、つまり2割も落ちていない。
細かいデータがなければ何とも言えないが、これだけを見てすぐに思うのは、
安価な時計の売れ行きが減っているのだな、ということ。
少なくとも、高額な時計の売り上げが激減した、ということは読み取れない。
「腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない」という意識は確かに存在するのかもしれない。
私もブランドものの時計をつけたいとは思わない。
しかし、これが時計の出荷量を激減させた原因の一つかどうかというと、話が別なのではないかと思う。
詳細なデータやアンケート調査を元にした分析なのかもしれないが、
少なくとも、このように短い記事の中で断片的に紹介するだけでは、
説得力がまるでない。
表面上のデータを見る限り、
出荷されている時計の平均価格は上がっている。
このデータのみを提示して分析をするならば、
「実用上の理由で安価な腕時計を付ける者が減った」
くらいのことしか言えないのではないかと思う。
----------------------------------------
(前略)
では、腕時計の出荷量などには実際に変化が出ているのだろうか。
社団法人日本時計協会に聞いたところ、
「腕時計の出荷量はやはり確実に減っていますよ」として、ある資料を教えてくれた。
JCWAデータの「時計完成品の国内出荷の推移」~「ウォッチ完成品の国内出荷の推移(1993年~2008年)」によると、水晶アナログ・水晶デジタル・機械式の合計は、1993年が2552万4千個(92771百万円)、そこから1998年まで増減を繰り返していたが、1999年には急減し、1689万3千個(71517百万円)に落ち込んでいる。
さらに2000年以降は徐々に減って、2008年にはとうとう731万6千個(77843百万円)に。
なんと1993年からたった15年ほどで、3分の1以下の出荷量になっているのである。
身の回りの「腕時計をしていない人」にその理由を聞くと、大多数の声として挙がるのが「携帯電話を持っていれば、時間がわかるから、腕時計は不要」というもの。
他に、「もともとファッションとして腕時計をしていたけど、今はしない人のほうが多いから」「海外旅行に行くときだけ、時差対策として、腕時計をする」などという声もあった。
また、ある新聞の経済記者はこんな分析をしてくれた。
「バブル世代や、その上の世代にとっては、腕時計はステイタスアイテムでしたが、逆に、20代くらいの若い人たちに聞くと、まさにそこが腕時計をしない理由だという声もあります。『腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない』と言うんですよ」
(後略)
(excite.ニュース2009年10月9日より)
そして、携帯電話が時計の代用をしているというのも分かる。
私も、大学に入ってから携帯電話を持って、腕時計を持たなくなった。
試験の時に「携帯電話を切って下さい」と言われる段になって、
腕時計を持ってきていないことに気づいて、試験時間がさっぱりわからなくなったことも度々であった。
しかし、記事中に紹介されている、
「バブル世代や、その上の世代にとっては、腕時計はステイタスアイテムでしたが、逆に、20代くらいの若い人たちに聞くと、まさにそこが腕時計をしない理由だという声もあります。『腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない』と言うんですよ」
という分析は、少し納得がいかない。
なぜなら、同じ記事の中で、
1993年の出荷量/出荷額が2552万4千個/92771百万円、2008年が731万6千個/77843百万円、
というデータを紹介しているからである。
15年間で出荷量が3分の1以下に落ちているのに対し、
出荷額は92771百万円から77843百万円に、つまり2割も落ちていない。
細かいデータがなければ何とも言えないが、これだけを見てすぐに思うのは、
安価な時計の売れ行きが減っているのだな、ということ。
少なくとも、高額な時計の売り上げが激減した、ということは読み取れない。
「腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない」という意識は確かに存在するのかもしれない。
私もブランドものの時計をつけたいとは思わない。
しかし、これが時計の出荷量を激減させた原因の一つかどうかというと、話が別なのではないかと思う。
詳細なデータやアンケート調査を元にした分析なのかもしれないが、
少なくとも、このように短い記事の中で断片的に紹介するだけでは、
説得力がまるでない。
表面上のデータを見る限り、
出荷されている時計の平均価格は上がっている。
このデータのみを提示して分析をするならば、
「実用上の理由で安価な腕時計を付ける者が減った」
くらいのことしか言えないのではないかと思う。
----------------------------------------
(前略)
では、腕時計の出荷量などには実際に変化が出ているのだろうか。
社団法人日本時計協会に聞いたところ、
「腕時計の出荷量はやはり確実に減っていますよ」として、ある資料を教えてくれた。
JCWAデータの「時計完成品の国内出荷の推移」~「ウォッチ完成品の国内出荷の推移(1993年~2008年)」によると、水晶アナログ・水晶デジタル・機械式の合計は、1993年が2552万4千個(92771百万円)、そこから1998年まで増減を繰り返していたが、1999年には急減し、1689万3千個(71517百万円)に落ち込んでいる。
さらに2000年以降は徐々に減って、2008年にはとうとう731万6千個(77843百万円)に。
なんと1993年からたった15年ほどで、3分の1以下の出荷量になっているのである。
身の回りの「腕時計をしていない人」にその理由を聞くと、大多数の声として挙がるのが「携帯電話を持っていれば、時間がわかるから、腕時計は不要」というもの。
他に、「もともとファッションとして腕時計をしていたけど、今はしない人のほうが多いから」「海外旅行に行くときだけ、時差対策として、腕時計をする」などという声もあった。
また、ある新聞の経済記者はこんな分析をしてくれた。
「バブル世代や、その上の世代にとっては、腕時計はステイタスアイテムでしたが、逆に、20代くらいの若い人たちに聞くと、まさにそこが腕時計をしない理由だという声もあります。『腕時計のブランドや値段で、自分を判断されたくない』と言うんですよ」
(後略)
(excite.ニュース2009年10月9日より)