道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

Beerpedia

2010-08-31 22:34:15 | 趣味愛好
「beer garden」を「ビールガーデン」と発音すると、大変野暮ったい響きになる。
しかしながら、そのビアガーデンで「beer」を注文する際に、「ビア」なんぞと言おうものなら、お前は明治の文豪か、と笑われかねない。

日本語は本当に難しい。

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数日前、「ヴァイス・デュンケル」という不思議な種類のビールを飲んだ。

「ヴァイス」というのは小麦を使用して、完成後も酵母を濾過しないというもので、その名の通り白い。日本語訳は「白ビール」。
「デュンケル」というのは、ローストした大麦を使用したビールで、黒い。所謂「黒ビール」の多くはこの種類にあたる。

ということは、「ヴァイス・デュンケル」というのは、和訳すれば「白黒ビール」ということになる。
一体どっちにするのか白黒つけて欲しいものである。


飲んでみた感触としては、香りは白ビールに近く、味は黒ビールのようである。
小麦とロースト大麦を混ぜて作ったものと推測される。
インターネットで検索してみても、やはりそのような記述がいくつか見つかる。

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ところで、グーグル氏に質問している最中に、このようなサイトを発見した。

Beerpedia

ビール好きな私としては、大変嬉しいものである。


さて、これは、「ビアペディア」なのか「ビールペディア」なのか。
いっそ「ビアペヂア」というのは期待できないだろうか。

日本語としての外来語

2010-08-30 21:18:49 | 言葉


中国人の友人と話していると、たまに、
「日本人が英語が下手なのは、カタカナ語のせいだ」
ということを言われる。

確かに、かつて父がアメリカに行った時、マクドナルドで「コーヒー」を注文したらコーラが来たという。これは、まさしくカタカナ語の弊害と謂えよう。
もっとも、「salad」を「沙拉(shala)」、「sandwich」を「三明治(sanmingzhi)」と呼ぶ中国人に言われる筋合いでもないだろう。


しかし、こうした中で、横文字の言葉を如何に表記すべきかという問題について、一律に教科書に従わず、工夫を試みる者もいる。

「丸の内ビルヂング」が「丸の内ビルディング」になったこのご時勢、「コーヒー」がこのように「コーフィー」と表記しても良かろう。この方が、アメリカに行ってもコーラを出されずに済むかもしれない。ならばいっそ「カフィー」にすれば良さそうなものだが、そこであえて「コーフィー」に留めるところに、こだわりが感じられる。

なお、「building」についても、「ビルヂング」「ビルディング」以外に、独自の表記をするものがいる。それも大会社で。
去年だったか、空港が軒並み大赤字であるのに、空港ビル管理会社が免税店や駐車場等を独占的に経営することで巨利を得ていることについて、少しだけ報道されたことがあった。その代表格で、羽田空港を縄張りとしているのが、「日本空港ビルデング」という名称である。

また、その他、「ヒルディング」というものまである。



思うに、
そもそも、「ビルヂング」にせよ「ビルディング」にせよ「ビルデング」にせよ、
英語そのままの発音ではないのだし、日本語の中で使用される単語なのだから、
まずは日本語としての響きがどのようであるかを問題にすべきである。

古くから東京駅と皇居の間に立つ丸ビルが、「ビルヂング」と「ビルディング」のいずれの表記を採る方がその伝統と格式にふさわしいのか、いずれが雅な味わいを有するのか、考えてみるべきだったのではないかと思う。

例えば、地方紙にこのようなものがあるが、

「デイリー」と改称しないからこそ保ち続ける興趣というものがあるのではなかろうか。

いたずらに原語の発音への近さを追求すると、小賢しさをも通り過ぎて、却って野暮ったくなってしまう危険性すらある。


日本語としての見た目・聴こえをもう少し考えるべきであろう。


ただし、もちろん、それにも限度はある。
カタカナとアルファベットが離れすぎていてもいけない。
何事にも、バランス感覚は大切である。

・「Deneii」で「デンエー」


・「Angel Home」で「エンジエルハイツ」

大阪にて

2010-08-27 23:13:00 | 街中
昨年、アルバイトで大阪へ行った時のことである。


その日の仕事が終わり、宿のある十三(じゅうそう)駅に降り立つと、まずキョーレツな出迎えに遭った。



病院の広告なのであるが、とにかくこの「十三(とみ)ちゃん」の宣伝かというくらい、ぬいぐるみの写真が大半を占めている。
駅構内の広告というのは、かなり高額の広告料を収めなければならないのが普通であるが、ここで大枚をはたいてこんな写真を大きく貼り出すのだから、ウケ狙いとしか思えない。
さすが大阪である。


駅から出て、商店街の傍を通ると、更に凄まじいものを見つけた。



アトムでも波平でも、混ぜてしまえば問題無いというのは、かつてのサザエボンを思わせる発想である。しかし、これを商店街のマスコットキャラクターにしてしまうのだから、気合の入り方が違う。


このあたりは、なかなかお盛んな繁華街なのだが、店名もやはり尋常ではない。



「俗武者」などと、いかにも俗っぽい名前にしてしまうのが、逆に笑いを取ってオシャレにも思えて来る。


更には、こんなものまで。



まず、「タコヤキナン」とはいかなる食べ物かと思う前に、「コ」「ナン」が太字で、フォントも例のマンガの題字そっくりになっていることに気が付く。



当時は、なんじゃこりゃ、と思ったのだが、
どうやら、元々は「名案内コナン」であったために、このような店名になったらしい。
産経ニュース2009年12月20日付

十三には、他にも「ジャパネットたかお」という案内所もあるらしい。


どうやら、この十三という地域が特に凄まじいのだろうが、
しかし、他の地域にも、お笑いセンスを爆発させたものがある。



「大阪キリスト教短期大学」の略称が「きりたん」。
なんだかアニメキャラクターの愛称を狙ったかのようだが、
うっかり「キリシタン」にも見えてくる。


また、これはどうやら尼崎まで離れるらしいが、
葬儀社の名前がキョーレツである。



しかも、これ、撮影は2009年12月4日だから、金曜日。
確かに、一般に日本の葬式は、そのまま宴会になることが多いが、しかし、よりによって金曜日の葬儀を「花金」という会社に頼むことはないだろう。
「花金」というのは、今では死語かもしれないが、遺族が知らないことはないだろう。やはり、故意に選んだのではあるまいか。


関西人、おそるべし。

店名其之二

2010-08-26 23:34:35 | 街中
私は、変わった店名について、
①ウケを狙ったもの
②意図せずして面白くなってしまったであろうもの
③よく分からないもの
の三種類があると思っている。


①ウケを狙ったもの
これは特に大阪に多いが、大阪については別項を設け、後日紹介したい。

・「お食事処 高田の馬場」

姫路城門前の店舗。
何か由来があるのかもしれないが、少なくとも東京の人間は「え? 高田馬場??」と思って入ってしまう。私は入らなかったが。


・「宮本むなし」

説明の必要はないであろう。


・「BONSAI ART」

ただ、もしかしたら、「盆栽」を英語にするとこうなるのかもしれない。


・「コックピット根城」

八戸市の「根城」という地域だから、特に狙ったのではないかもしれないが、なんだか強そうな名前である。


・「Pachinko 北大」

これも根城にて撮影。この地域では、おじさんなんかが「ちょっと北大いってくるわ」なんて言って家を出るのだろうから、これはニクイ。


・「買入 中(あたり)」

たぶん「中(あたり)」さんという方が経営している質屋なのだろうが、「買入中(かいいれちゅう)」と読まれることを自覚しているから、こうやって小さくルビを振っているのだろう。


・「トマト銀行」

えらいネーミングにしたものである。これでなかなか大きな銀行らしいが。。


・「トマトリース株式会社」

トマト銀行の系列会社。まるでトマトを貸し出しているかのようである。これは、狙っていないのかもしれない。


②意図せずして面白くなってしまったであろうもの
原因は様々であろうが、もう少し考えて欲しかったというものが多い。
もっとも、私からしたら、嬉しいのだが。

・「ミエテーラー」

洋服の寸法直し・修理などを専門にしているようだが、出来上がっても穴が開いて下着が見えそうな感じである。


・「宮入内科」

なんだか「お宮入り」になりそうで、あまりかかりたくない医者である。


・「NAIKI」

「NIKE」と同じく「ナイキ」という発音。ただ、靴や衣服で「NIKE」が流行る前からあったのかもしれない。うちのコンビニのロッカーも、この「NAIKI」製。
最近、「iPhone」という携帯電話が流行りだが、呼び鈴で「AIphone」というものもある。そこで、両社の協議により、前者が「アイフォーン」、後者が「アイフォン」「アイホン」に定められたとか。
しかし、この「ナイキ」はどうしようもないだろう。


・「真宗大谷派 道教寺」

仏教寺院なのに「道教寺」とはこれいかに。


・「東京キリストの教会」

直訳したら、確かにこうなる。


・「ビッグウエスト社」

「太っ腹」ということであろうか。


・「はつねや」

「初閨」と変換されそう。


・「おせわ整体院」

ちょっと押し付けがましい響きを感じるのは、私だけであろうか。


・「Gurume」

国際化進む浜松町に建っているビルの一角にて。
もしかすると、日本人には「グルメ」と宣伝したいのだが、西洋人に胸を張って美味いとは主張できない代物なのかもしれない。
なお、類似のもので、私の家の近所に「Furansu」という名前のパン屋がある。


・「Bikan Historical Quarter」

倉敷にて。店名ではないが、ここで「美観」を敢えて訳出していないのは、やはり西洋人には「Beautiful」などとは主張したくなかったのかもしれない。


・「髪切の館」

渋いネーミングなのだが、「髪切」と言えば、実は妖怪を指す言葉である。
カミキリ虫と考えても嫌だが。


③よく分からないもの
何故そんな名前になったのか、さっぱり分からないし、何故それをおかしく感じるのかも分からない。

・「ショップ Velvet paw サンドブラスト教室 ねこふんじゃった」

何の店なのかさっぱりわからない。


・「株式会社ギヤマン」

たぶんガラス屋であろうことは分かる。


・「おまる屋」

乳児用便器を売っているのかと思いきや、居酒屋。


・「ぴよぴよ村」

ぴよぴよ。


・「ピコリーノ」

昔ながらの喫茶店。味・雰囲気はなかなか良い。


・「白髪歯科医院」

何が白髪なのかよく分からない。


・「ヒランヤー瞑想室」

「ヒランヤー」という名前も、「瞑想室」で何をするのかも、
そもそも中に人がいるのかも分からない、暗くてボロボロの小屋。
とにかく全てが謎。

店名其之一

2010-08-25 23:36:37 | 街中
「街中」というカテゴリーを作っておいて、
何より「道草あつめ」というブログ名にしておいて、
このカテゴリーでの投稿を全くしていないことに気が付いた。

その間、街中に興味が無くなっていたかというと、そうではなく、
どこかへ行く度に変な看板を探して、携帯電話で撮影を続けていた。

人間がいれば、必ず面白いものがある。
我がコレクションの一部を、ここに披露してみたい。



・「あるけや」

靴屋である。「歩けや」とは、また命令口調なネーミングをしたものである。


・「旅館とまれ屋」

「あるけや」の姉妹編と謂えよう。


・「ネムールイン立川」

キョーレツなネーミングである。最近、友人がこの裏手に住んでいることを知った。
なお、この看板、ごく稀に電気が切れていることがある。きっと眠っているのであろう。


・「健勝苑」其之一

何を取り扱っているのか分からないが、ネットで検索すると呉服屋がヒットした。
いずれにせよ、「腱鞘炎」を連想させる名前はよろしくないと思うのだが。。

・「健勝苑」其之二

其之一は大阪だが、この其之二は岡山県にて撮影。どうやらチェーン展開をしている模様。


・「SAPPORO KEN」

「札幌軒」ということなのであろうが、ついつい、「札幌県」かと思ってしまう。
ラーメンズのコントに「横浜県」というネタがあったのが連想される。


・「狐狸庵」

韓国の人が見たら怒るかもしれない発音。


・「金大楼」

「きんたろう」と読みたくなるが、「太」ではなく「大」であることに注意したい。


・「黒川徽章」

これも、発音から違うものが想像されるケース。
もっとも、黒川紀章氏が有名になるより前からあったのかもしれない。


・「KYビルディング」

これも、「KY」なる言葉が生まれる前からあるのだろうから、気の毒である。
ところで、「読めない」の略を「Y」とするのは同意しがたい。「NEET」でもそうだが、否定形にするならば、それを表す言葉の頭文字も取るべきで、「KYN」とすべきではないだろうか。
「KY」って、「空気読める」ですか?!
じゃあ、「NHK」は「日本放送しない協会」でもいいんですか?!!
……などと、ホコサキさんみたいなことを言ってみる。


・「うかり整形外科」

「うっかり整形外科」っぽくて、なんとなく嫌なネーミングである。


・「おおえ歯科」

「おおえ」というか、「おええ」っぽい。
確かに、治療の際、口に何かの器具を入れられている最中は、「おええ」となる。


・「おちたかお」

これは店名ではないが、見間違い・誤変換シリーズ。
選挙ポスターで「落ちた顔」と変換されるようなものはよろしくないだろう。
なお、これを撮影した時は見事当選したのだが、今回の衆議院選では落選した。


・「イスズ工務店」

カタカナ版。「イスズエ」に見える。
ついでに、キリスト教徒以外でも、うっかり「イエズス」と読みそうになるのではなかろうか。


・「一大工工務店」

これはさすがにカタカナではなく漢字だと分かる工務店。
ただ、従業員は一人なのだろうな、と思ってしまう。


・「インドマグロ築地日本海」

築地で、かつ日本海で、その上「インドマグロ」。


・「カフェレストラン 栗・マロン」

「カフェ」と「レストラン」はともかくとして、
「栗」と「マロン」は完全に重複している。


・「スカラシップ奨学金」

重複シリーズ。店名ではないが、とある大学の広告。
奨学金の名前が「スカラシップ」はちょっとひどいでしょう。


・「春夏冬」

これはなかなかひねった名前で感心した。
要するに、「あき(飽き)」が無い、ということであろう。
その甲斐あってか、あきない(商い)はうまくいっている模様である。



「恐竜家族」

2010-08-24 11:24:19 | 趣味愛好
前回述べたように、円谷英二の大傑作「ウルトラQ」は幸いにしてDVD化されて普及しているが、
その一方で、優れた番組でもDVDが販売されていないものは数多い。
その中の一つが、この「恐竜家族」である。
(もっとも、英語版はアメリカで発売されたようだ。)

DVDもなく、再放送もしていないのだから、いきおい動画サイトを見る他無いが、
NHKもなかなか厳しく、youtubeには余り残っていない。
ただ、ニコニコ動画には割とまとまった量がある。
(違法投稿を削除するのは権利を守るためには当然の行為であるが、
 それならばコンスタントな再放送かDVD化をして欲しいものである。)


ともあれ、この「恐竜家族」というのは、実に優れたドラマである。
どの話も、アメリカ合衆国の様々な社会問題への批判が盛り込まれていて、
従って合衆国の追従者である我々にも見るべきところが多い。
15年以上前に製作された番組だが、その価値は未だ衰えない。

特に、「ナッツ戦争」の回は長編ながら、非常によくできている。前編之二は最も秀逸。
この話のモデルがベトナム戦争であるのは明らかだが、イラク戦争に通じるところもある。

前編之一

前編之二

後編之一

後編之二


アメリカ合衆国という国が凄いとつくづく感じさせられるのは、こうした番組が普通に放送される点である。恐ろしく頭の良い人もいれば、救いようのないアホもいるが、社会全体として非常に寛大である。
この番組では、政治家はもとより、大衆やメディア自身をも批判する内容がどんどん盛り込まれている。特に、利益を求めて報道を行うあくどいメディアと、それにまんまと載せられる愚かな大衆という構図が数多く見られる。
果たして日本に於いて、今現在の自分達をモデルとした番組で、このようなブラックな皮肉を大量に盛り込めるだろうか。

「幸せのマグカップ」前編

「幸せのマグカップ」後編


また、おそらくは新興宗教への批判を意図したものなのだろうが、しかし同時にキリスト教への批判にもなり得るのではないかと思われる、かなり際どい内容の話もある。

「おばあちゃんの霊界旅行」前編

「おばあちゃんの霊界旅行」後編

すこし話題は反れるが、この婆さんのセリフは秀逸である。
日本語訳を考えた人のセンスの切れを感じる。


他にも優れた話は多い。
特に最終回のストーリーは、環境破壊によって恐竜が絶滅してしまうというもので、ファミリードラマとしては異例の結末である。
我々人間も恐竜の轍を踏まぬよう、この話をよく見ておくべきなのであるが、残念ながら動画は見つからない。


上述の通り、DVDは売り出されておらず、再放送も現在のところなされていない。
よって、NHKによって削除されるまでの間に、動画サイトにアップロードされたものを見る他ないのであるが、とにかく、この「恐竜家族」も素晴らしい作品であるから、是非ご覧になって頂きたい。

「ウルトラQ」

2010-08-23 23:18:26 | 趣味愛好
少し前に、ふと気になって「ウルトラQ」をツタヤで借りた。

幼少の頃、夏休みになるといつも「ウルトラマン」の再放送が楽しみだった。あれは、でかいヒーローが現れて問題を解決するから、安心して見られる番組であった。(その割に初代「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」以外のシリーズを見なかったのは、子供心にも、やはり初期の作品が良いと思っていたからであろう。)
それに対し、そういうヒーローが存在せず、全て人間が対処しなければならないという「ウルトラQ」は、怖くてあまり見る気がしなかった(そもそも見たいと思っても、見る手段が無かった)。

小学校も高学年に差し掛かると、そのワンパターンも見るに耐えなくなって来て(というよりも、既にかなりを見てしまったから、ストーリーも分かっていて飽きたのかもしれない)、夏休みになっても「ウルトラマン」を探さなくなった。


それから10年以上たった今、超級ヒーローが力技で怪獣を倒す「ウルトラマン」は最早見る気がしないが、むしろ「ウルトラQ」の方に、普通の人間たちがどうやって問題を解決しようとしたかに興味が湧いたのである。

オープニングテーマ

一言で言えば、面白い。
毎度毎度の怪獣が実にユニークで、かつ、考えさせられるテーマが多い。
そして、巨大ヒーローという他人任せ的万能手段がないから、毎回毎回、人間達自身が知恵と努力を尽くして何とか解決しようとする。
そこには、科学の進歩に対する希望と、そして変化して行く社会への不安が交錯している。
謂わば、『鉄腕アトム』にも近いものがある。

放送時間が限られているのと、そもそも論理的手順に無頓着なのとで、
おいおい、それはおかしいだろ、というシーンも多い。
突然現れた怪獣の名前を子供が叫び、その倒し方を知っている場面すらある。
しかし、その筋書の荒っぽさを気にせず、とにかく構想の妙を楽しむべきであろう。


レギュラーの三人組が出てこないのにも関わらず、
名作と誉高い(と私が思っている)第15話「カネゴンの繭」
http://www.56.com/u53/v_NTM1NjQ0MTA.html
カネゴンのユーモラスなキャラクターが非常に優れている。
話の展開のテンポが良く、オチも面白い。

私のお気に入りは第11話「バルンガ」
http://www.56.com/u11/v_NDg3MTUyODQ.html
電気に頼る我々の生活をよく指摘しているし、
「太陽がバルンガを食うのか、バルンガが太陽を食うのか。」
「明日晴れていたら、空を見上げてください。
 そこに輝いているのは、バルンガかもしれません。」
というナレーションには、哲学的な味わいすらある。



youtubeではほとんど削られているし、
ニコニコ動画では全て有料区分となっている。
それどころか、中国の動画サイトyoukuやtudouでも、
日本からは見られないように制限がかかっている。
円谷プロが頑張って著作権を守っているのだ。

上の「我楽.com」というのは私もあまり使ったことがなく、
時間帯によっては読み込みが非常に遅いが、
今のところフリーで見られるのはこのくらい。

ちゃんとしたDVDが出ているので、是非入手して観賞することをお勧めしたい。

「そして誰も知らなくなった」

2010-08-20 11:34:22 | 社会一般
不明100歳以上、二百数十人 警察届け、わずか49人(産経新聞) - goo ニュース
リュックに母の骨?男性が保管 大田区の104歳女性か(朝日新聞) - goo ニュース


最初に「都内最高齢の男性が白骨で見つかる」「孫には“即身成仏”と説明」というニュースを見たとき、その猟奇性から、巣鴨事件を連想した。
そして、「誰も知らない」のように映画化されるのだろうな、くらいにしか思っていなかった。

しかし、調査・報道が進むに連れ、それは巣鴨事件のように一件のみの特異な出来事ではなく、かなり多く起こっている事態だということが分かって来た。

よくよく考えてみれば、死亡届を出さずに遺体を保管しているというのは、まだマシな方である。家の中で生者が死体と同居しているというのは凄まじい状況で、古来タブーとされている。また、それで年金をせしめていたというのも、せこくはある。しかし、少なくとも死ぬまでは家族と一緒に生活していたということだし、年金詐取だって必要にかられて行ったことかもしれない。
むしろ、一人で暮らしている家の中で孤独死したという方が少し悲惨だが、それも家族に居場所は知れていたのだし、まがりなりにも文明的な生活ではあっただろう。

今回の行方不明者の中で最も数が多く、そして最も悲惨なのが、恐らくホームレスとなって死んでいった人達なのではないだろうか。渋谷にも新宿にも、そして八王子にだって、老人のホームレスはいる。
家族が「○○年前から弟の所で暮らしているものだと思っていた」「住所登録が姉のところだからずっとそこに住んでいると思っていた」と思っていたり、あるいはホームレスになっていたことは薄々感づいていても引き取る気はないからそのままにされていたり、そもそも身寄りが一人もいなかったり。
ホームレスとして生きていけるのは80歳が限界で、それを越えると体力がついていかないという。今回の行方不明者は、恐らくほとんど生き延びていないだろう。


この一連の事態で、最も猟奇的なのは、これほどの人間が文字通り「野垂れ死に」したであろうことを、これだけ放送される前まで、我々が普段全く実感していなかったことではないだろうか。
定職についていない自分にその資格があるかは分からないが、せめて『ビッグイシュー』を買うくらいはしようかと思う。

残暑の夜長に

2010-08-19 23:39:45 | 旬事
立秋過ぎても猛暑が続くある日、社長から俳句が送られてきた。
  八月の金魚の口は閉まらない
(あまりに暑いために、普段バカみたいにパクパクしている金魚が、ついに「パ」の字で止まってしまったということであるが、これは、実は、社長本人が口を開けっ放しでダレていることをも指しているのであろう。)

そこで、不肖の秘書もお返しに一句。
  あついよう
  あたまがゆだる
  あせまみれ
(「パ」の字で止まっている社長に対抗して、「あああ」と頭韻。)


続いて、社長、詠みて曰く。
  紫陽花も向日葵もだれるよんべかな

秘書返して曰く。
  向日葵が地中の太陽追いかける

(社長の句は読んで字の如し。秘書の句は、だれてうつむく向日葵は、実は夕方から引き続いて太陽の方角を追いかけているが故である、の意。社長の評:「マグマ級にあつくるしい」)


社長、ついに暑さのあまり、季語の蝉に八つ当たり。
  ジリジリとやかましいわい蝉の声
(ここまでくると、俳句というよりは、日常会話。そういえば、かつてNHK教育で「アリス探偵局」というアニメを放送していたが、そこに出てくる「八代目松尾ノ芭蕉」という少年、全てのセリフが五七五だった。)

そこで、秘書は初代松尾芭蕉を本歌取り。
  閑かにせい鬱陶しいわい蝉の声


社長続いて蚊を詠みて曰く。
  またひとつ
  かみやがったな
  こんちくしょう

秘書曰く。
  耳元は
  ささやく声でも
  やかましい

(社長の句は優れている。秘書の句は力不足。)



ここで〆に川柳を一句。

  駄かの
  句へみ
  ばり会
  かにの
  り詠
   ん
   で
   も

オソマツサマでした。


デブゼロの一族

2010-08-18 22:23:14 | 社会一般
悠仁さま、博物館に 東京・上野(産経新聞) - goo ニュース

皇族には全く詳しくないが、
ニュースなどで映像を見る限り、
肥満の人がいない。

多額の予算を持っている宮内庁のことだから、
万全の栄養管理・健康管理を行っているのだろうし、
皇族達自身の自己管理能力が優れているとも言える。

しかし、ひねくれた言い方をすれば、要するに、
彼らに太る権利は認められていないのである。
皇室典範には書いていないが、暗黙の人権侵害か。

もっとも、一生涯アイドル業を仕事にしているようなものだから、
ファッションモデルが太ってはいけないのと同じで、
当然といえば当然である。