道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

フーガの技法

2008-07-02 00:18:30 | 音楽
今までいろんな曲を弾いて来たけれども、
私は、やはり、フーガが一番好きである。

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フーガとは、浜辺に打ち寄せる波だと思う。

同じような形の波が、
少しずつ変化して、
絶え間なく打ち寄せる。

波ごとに長短はあるが、
一つだけが突出して大きいことはない。

しかし、様々なタイミングで繰り出される波が、
時に間隔を開け、時に間隔を狭め、
その密度によって盛り上がりを生み出して行く。

そして、盛り上がりの中で、ある時、
多くの波が一体となって、
突如として、
巨大なうねりを浜にぶつける。

この瞬間がたまらない。

また、激流が徐々に収束して行っても、
フーガの波は淡々と打ち寄せ続け、
何ともいえない余韻を引く。

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思うに、人生も同じではないだろうか。
誰か一人が主旋律を奏でて後が伴奏をするのではなくて、
一人一人にドラマがあって、それの重なりあいで盛り上がる。

まぁ、バッハのフーガとは違って、
不協和音の方が多いのだろうけれども。

「人多力量大」

2008-07-01 23:38:42 | 世間話
この間、先輩からコピーさせてもらった『四庫全書』文字データ版CD、さすが約三千五百部八万巻だけあって、検索かければ何でも出てくる。便利便利。

あれはもう2年以上前になるのか。南京の道端でCD売ってるおじさんの隠れ家に単身乗り込んで、壁ぎっしり海賊版という部屋の中で交渉して手に入れた『四庫全書』画像版CD153枚セット、
空港でひやひやしながら持ち帰ったものだった。
取り締まりが厳しくなっているというが、あのおじさんは元気だろうか。
いやいや、海賊版は永遠に不滅であろう。

画像版は、いちいち中国語優先に切り替えて再起動するという、よく分からん作業が必要で、その上、本文検索ができないという代物だったが、
この文字データ版は、多少入力ミスの危険性はあるものの、検索できるし、コピペできるし、非常に便利。
便利なものが手に入ると、以前の不便なものはお蔵入りするのが世の常で、CD153枚は、早くも本棚の裏側へ。


しかし、文字データのくせに、CD16枚というのはなかなか凄い。
約八億字である。八億字。
こんなのを打ち込んだというのだから、中国人はつくづく信じ難いことをする。仮に100人で作業したとしたら一人800万字、一日一万字入力とすれば約三年……と計算してみたら、それほど大したことではないようにも思われて来た。
いや、しかし、そもそも、古典文献の漢字入力を一日一万字ペースでできる人間を100人集め、3年間週5日出勤させるというのが、とんでもないことなのか。
しかし、中国なら可能だろう。何しろ母数は13億人なのだから。
ひょっとしたら、1000人くらい動員してたのかもしれない