道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

いざ舞浜へ

2011-06-21 23:41:26 | 趣味愛好
 私はビールが好きだ。「ビール党宣言」を書く程に、ビールにはこだわりがある。故に、悲しきかな、居酒屋の「飲み放題」プランのビールに満足したことは、ほとんどない(尤も、それでも大量に飲むのではあるが)。
 しかし、この度、質・値段ともに納得の飲み放題を発見した。ピルスナー、ベルジャンウィート、ブラウンエールがいずれも素晴らしい味わいであるとともに、サマーバケーションエールというビールが極めて優れている。これで2時間飲み放題1500円(お通し無し、席料無し、食べ物オーダーの義務無し)は、他に類を見ない。この機会を逃すと、あるいは生涯巡り合えない可能性すらある。
 そこで、以下に、その詳細を貼り付ける。この店が混雑することは私にとって損失であるが、このように破格のイベントを堪能する人間が少ないのは、日本にとっての損失である。よって、私利を顧みず、案内させて頂く所存である。
 今月いっぱいであるので、奮って詰め掛けて頂きたい。



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         ハーヴェスト・ムーン
   ジャパン・アジア・ビアカップ2011 受賞記念フェア
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 「ロティズ・ハウス」では「ジャパン・アジア・ビアカップ2011」の受賞を記念して「ビール全種1,500円飲み放題(120分制)」を開催いたします。
 金賞を受賞した「シュバルツ」をはじめ、『ハーヴェスト・ムーン』定番5種等の珠玉の味わいを、どうぞこの機会にお楽しみください。


【飲み放題金額】お一人様1,500円
【飲み放題内容】
「ハーヴェスト・ムーン」全種類(定番5種類、シーズンビール)
ソフトドリンク
※飲み放題は120分制

実施期間:6月10日(金)~30日(木)
     ディナータイム限定

http://www.ikspiari.com/shop/shops/shopinfo/i10.html

日本ビール党

2010-10-13 00:24:45 | 趣味愛好
最近、「共産党宣言」のパロディを作った。その時、「日本ビール党」という言葉を使おうとしたのだが、なんと、すでに使われているのみならず、商標登録までされていた。

日本ビール党公式ホームページ

飲酒マナーを喚起したり、CDを販売したりと、なかなか頑張っているのだが、私とは方向性が異なる。


むしろ、「CAMRA」という団体の方が、私の目指す「ビール党」に近い。近いというよりも、ほぼ一致し、しかも実行して、かなりの成功を収めている。
団体の目的は、簡単に言えば、大企業で大量生産される画一的なビールよりも、伝統的な製法で作られたビールを飲もう、というものである。要するに、ビール飲みの消費者活動。
ここ数十年間で、中小ブルワリーによって多種多様なビールが盛んに生産されるようになったことを、「ビール・ルネサンス」と謂うらしいが、それの原動力となったのがこのCAMRAとも言われる。

まぁ、つまり、いちいち「ビール党」なんか作らずに、CAMRAの日本支部を立てれば良い話なのである。

Beerpedia

2010-08-31 22:34:15 | 趣味愛好
「beer garden」を「ビールガーデン」と発音すると、大変野暮ったい響きになる。
しかしながら、そのビアガーデンで「beer」を注文する際に、「ビア」なんぞと言おうものなら、お前は明治の文豪か、と笑われかねない。

日本語は本当に難しい。

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数日前、「ヴァイス・デュンケル」という不思議な種類のビールを飲んだ。

「ヴァイス」というのは小麦を使用して、完成後も酵母を濾過しないというもので、その名の通り白い。日本語訳は「白ビール」。
「デュンケル」というのは、ローストした大麦を使用したビールで、黒い。所謂「黒ビール」の多くはこの種類にあたる。

ということは、「ヴァイス・デュンケル」というのは、和訳すれば「白黒ビール」ということになる。
一体どっちにするのか白黒つけて欲しいものである。


飲んでみた感触としては、香りは白ビールに近く、味は黒ビールのようである。
小麦とロースト大麦を混ぜて作ったものと推測される。
インターネットで検索してみても、やはりそのような記述がいくつか見つかる。

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ところで、グーグル氏に質問している最中に、このようなサイトを発見した。

Beerpedia

ビール好きな私としては、大変嬉しいものである。


さて、これは、「ビアペディア」なのか「ビールペディア」なのか。
いっそ「ビアペヂア」というのは期待できないだろうか。

「恐竜家族」

2010-08-24 11:24:19 | 趣味愛好
前回述べたように、円谷英二の大傑作「ウルトラQ」は幸いにしてDVD化されて普及しているが、
その一方で、優れた番組でもDVDが販売されていないものは数多い。
その中の一つが、この「恐竜家族」である。
(もっとも、英語版はアメリカで発売されたようだ。)

DVDもなく、再放送もしていないのだから、いきおい動画サイトを見る他無いが、
NHKもなかなか厳しく、youtubeには余り残っていない。
ただ、ニコニコ動画には割とまとまった量がある。
(違法投稿を削除するのは権利を守るためには当然の行為であるが、
 それならばコンスタントな再放送かDVD化をして欲しいものである。)


ともあれ、この「恐竜家族」というのは、実に優れたドラマである。
どの話も、アメリカ合衆国の様々な社会問題への批判が盛り込まれていて、
従って合衆国の追従者である我々にも見るべきところが多い。
15年以上前に製作された番組だが、その価値は未だ衰えない。

特に、「ナッツ戦争」の回は長編ながら、非常によくできている。前編之二は最も秀逸。
この話のモデルがベトナム戦争であるのは明らかだが、イラク戦争に通じるところもある。

前編之一

前編之二

後編之一

後編之二


アメリカ合衆国という国が凄いとつくづく感じさせられるのは、こうした番組が普通に放送される点である。恐ろしく頭の良い人もいれば、救いようのないアホもいるが、社会全体として非常に寛大である。
この番組では、政治家はもとより、大衆やメディア自身をも批判する内容がどんどん盛り込まれている。特に、利益を求めて報道を行うあくどいメディアと、それにまんまと載せられる愚かな大衆という構図が数多く見られる。
果たして日本に於いて、今現在の自分達をモデルとした番組で、このようなブラックな皮肉を大量に盛り込めるだろうか。

「幸せのマグカップ」前編

「幸せのマグカップ」後編


また、おそらくは新興宗教への批判を意図したものなのだろうが、しかし同時にキリスト教への批判にもなり得るのではないかと思われる、かなり際どい内容の話もある。

「おばあちゃんの霊界旅行」前編

「おばあちゃんの霊界旅行」後編

すこし話題は反れるが、この婆さんのセリフは秀逸である。
日本語訳を考えた人のセンスの切れを感じる。


他にも優れた話は多い。
特に最終回のストーリーは、環境破壊によって恐竜が絶滅してしまうというもので、ファミリードラマとしては異例の結末である。
我々人間も恐竜の轍を踏まぬよう、この話をよく見ておくべきなのであるが、残念ながら動画は見つからない。


上述の通り、DVDは売り出されておらず、再放送も現在のところなされていない。
よって、NHKによって削除されるまでの間に、動画サイトにアップロードされたものを見る他ないのであるが、とにかく、この「恐竜家族」も素晴らしい作品であるから、是非ご覧になって頂きたい。

「ウルトラQ」

2010-08-23 23:18:26 | 趣味愛好
少し前に、ふと気になって「ウルトラQ」をツタヤで借りた。

幼少の頃、夏休みになるといつも「ウルトラマン」の再放送が楽しみだった。あれは、でかいヒーローが現れて問題を解決するから、安心して見られる番組であった。(その割に初代「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」以外のシリーズを見なかったのは、子供心にも、やはり初期の作品が良いと思っていたからであろう。)
それに対し、そういうヒーローが存在せず、全て人間が対処しなければならないという「ウルトラQ」は、怖くてあまり見る気がしなかった(そもそも見たいと思っても、見る手段が無かった)。

小学校も高学年に差し掛かると、そのワンパターンも見るに耐えなくなって来て(というよりも、既にかなりを見てしまったから、ストーリーも分かっていて飽きたのかもしれない)、夏休みになっても「ウルトラマン」を探さなくなった。


それから10年以上たった今、超級ヒーローが力技で怪獣を倒す「ウルトラマン」は最早見る気がしないが、むしろ「ウルトラQ」の方に、普通の人間たちがどうやって問題を解決しようとしたかに興味が湧いたのである。

オープニングテーマ

一言で言えば、面白い。
毎度毎度の怪獣が実にユニークで、かつ、考えさせられるテーマが多い。
そして、巨大ヒーローという他人任せ的万能手段がないから、毎回毎回、人間達自身が知恵と努力を尽くして何とか解決しようとする。
そこには、科学の進歩に対する希望と、そして変化して行く社会への不安が交錯している。
謂わば、『鉄腕アトム』にも近いものがある。

放送時間が限られているのと、そもそも論理的手順に無頓着なのとで、
おいおい、それはおかしいだろ、というシーンも多い。
突然現れた怪獣の名前を子供が叫び、その倒し方を知っている場面すらある。
しかし、その筋書の荒っぽさを気にせず、とにかく構想の妙を楽しむべきであろう。


レギュラーの三人組が出てこないのにも関わらず、
名作と誉高い(と私が思っている)第15話「カネゴンの繭」
http://www.56.com/u53/v_NTM1NjQ0MTA.html
カネゴンのユーモラスなキャラクターが非常に優れている。
話の展開のテンポが良く、オチも面白い。

私のお気に入りは第11話「バルンガ」
http://www.56.com/u11/v_NDg3MTUyODQ.html
電気に頼る我々の生活をよく指摘しているし、
「太陽がバルンガを食うのか、バルンガが太陽を食うのか。」
「明日晴れていたら、空を見上げてください。
 そこに輝いているのは、バルンガかもしれません。」
というナレーションには、哲学的な味わいすらある。



youtubeではほとんど削られているし、
ニコニコ動画では全て有料区分となっている。
それどころか、中国の動画サイトyoukuやtudouでも、
日本からは見られないように制限がかかっている。
円谷プロが頑張って著作権を守っているのだ。

上の「我楽.com」というのは私もあまり使ったことがなく、
時間帯によっては読み込みが非常に遅いが、
今のところフリーで見られるのはこのくらい。

ちゃんとしたDVDが出ているので、是非入手して観賞することをお勧めしたい。

映画「タイタニック」雑感

2010-08-09 23:06:06 | 趣味愛好
昨日、初めて映画「タイタニック」を見た。公開が1997年だから、世間の流行から13年遅れである。
そもそも当時の私には映画を見るという習慣がなかったのと、広告を見ただけでは単純なラブストーリーにしか思われず、そういったものには興味が無かった。

知人曰く、「プリ男はあの映画で主演を張ったがために、恋愛キャラクターのイメージが定着してしまって、以後だいぶ苦労した」と。
私が以前にディカプリオを見たのは、「ディパーテッド」という映画である。そこでの彼の演技は、潜入捜査官の葛藤を生々しく伝えて来るもので、内面の表現が実に優れている。それに較べると、確かに「タイタニック」のディカプリオは、少し平板な感じを受ける。

しかし、またその知人の曰く、「『タイタニック』は、とにかく映像が凄い。内装も凝っているし、CGも迫力がある。『スター・ウォーズ』と同じ理由で、見るべきだ」と。
なるほど、そういえば「スター・ウォーズ」もシリーズ中の一作しか見たことがないが、映像は確かに良かった。ストーリーを楽しむというよりは、映像にかけた手間を味わうべき映画というものは、確かに存在する。


と、このような理由で「タイタニック」を見てみたのだが、確かに映像は圧巻であった。
加えて、沈没を目前にした人々の描写が、なかなか優れている。必死に逃げ惑う乗客達、死後の幸いを説く牧師、誰も聴いていないのに演奏を続けるカルテット(「弾いている方が体が温まるさ」「夕食の時だって誰も我々の演奏を聴いていないだろう」という彼らのセリフは気が利いている)。
中でも、救命艇に群がる男達を押し止め、女子供を優先して救命艇に乗せようとする乗組員達については考えさせられる。四半世紀前のノルマントン号事件は例として不適切かもしれないが、少なくとも私が乗組員だったら、まず自分達のボートを確保するだろう。しかし、彼らは女子供を乗せ、そこに最低限の船員を乗船させた後は、自分たちは沈み行くタイタニック号に残った。貧富の別に拘らず、賄賂も受け取らず(受け取っても使い途が無かろう)、とにかく女子供を助けるという目的を設けて、それのみをルールとして行動した。
その目的自体の意味についてというよりも、極限状態で一つの規律を定め、それを全ての乗組員が共有・遵守し、尊厳を保ったということについて、深く考えさせられる。



ところで、映画の中ではほとんど触れられていなかったが、実際のタイタニック号沈没事件には、かなりの数の要因が絡んでいる。船内で火災が起きて船体が弱体化している状態で出航していたこと、見張り用双眼鏡を紛失した状態で航海を進めたこと、先行する船からの流氷群の警告を見過ごしていたこと。このうちの一つでも欠けていれば、これほどの大事故にはならなかったかもしれない。
また、そもそも救命艇の数が不十分であったこと、初航海のためか乗組員が未熟で救命艇の扱いに不手際があったこと、最も近くに停泊していた船舶の通信士が睡眠中で救援信号が届かなかったこと等、被害を拡大した要因も多くあった。
不沈船と雖も、人為ミスが連鎖すれば、大惨事となるのである。


では、当時同じく不沈船と呼ばれていた、姉妹船オリンピック号はどうだったのであろうか。聞くところによると、タイタニック号と同じ頃に、やはり事故を起こしているらしい。
そこで調べてみると、オリンピック号は、1911年に軍艦と衝突している。タイタニック号沈没の前年である。やはり危なっかしいな……と思ったのだが、客船なのに軍艦と衝突して沈まなかったというのは、相当頑丈なのではあるまいか。

更に調べてみると、このオリンピック号、処女航海で沈没したタイタニック号とは対照的で、1935年まで24年間、延べ500回もの大西洋横断を行ったという長寿ぶりである。
しかも、第一次大戦中には、なんと、Uボートを一隻沈めている。しかも、体当たりによって真っ二つにしたという。
Uボートというのはドイツ軍の用いた潜水艦で、一次大戦中に数百隻用いられ、数々の軍艦と数千隻もの商船を沈めた。そのUボートを、商船であるオリンピック号が撃沈したというのだから、凄まじい。
以前、youtubeで、カバがどどどどどと突撃して、その巨体によってチーターを倒す映像を見たことがあったが、ちょうどあんな感じであろうか。

ブリューゲル展

2010-08-02 14:13:19 | 趣味愛好
すっかりブログの更新はご無沙汰してしまったが、一昨日に論文を一本書き終え、昨日は友人とブリューゲル展へ。


この画家、怪物画が非常に面白い。百聞は一見に如かず、という言葉に倣い、以下は購入した図録から撮影した写真をいくつか紹介したい。




まず、ポスターにもなっているこの絵、聖人を怪物たちが誘惑しているらしいのだが、いったいこのバカ騒ぎの何によって誘惑しようとしているのかは、謎である。



これも例によってバカ騒ぎ状態である。いくつか絵を眺めていて思うのだが、どうもこの人は、魚と、割れた卵と、頭から何かに突っ込んでいる人間を描くのが大好きなようだ。



ちょっと昔のマンガに似たようなキャラクターがいたが、こっちの方が400年は昔。



これは、マトリョーシカ式。



「ムシャムシャ食べる君」と命名。



これはポスターから撮影。何故おしりから液体が出ているのかさっぱりわからないし、液体を出すことに全く意味もないが、いかにも怪物っぽくて佳い。


日本の百鬼夜行絵に近いセンスを感じられる。むしろ鳥山石燕なんぞは実際にブリューゲルを見ていたのではないか、とも想像してしまう。
このまま発達すれば、世界のマンガ文化の中心はオランダになっていたかもしれなかったが、残念なことにというか幸いなことにというか、今のところは日本のキャラクター力の方が発展している。


もちろん、ブリューゲルには怪物画以外の方が多くて、写実的な上に、かなり躍動感を感じられる絵が多い。こうした基礎があるからこそ、活き活きと踊り回る怪物たちを描けたのであろう。
また、見ていると、非常に細かい。上に並べたものは、いずれも原物は小さめである。銅版画ならではの精密さとも謂えるが、とにかく非常に解像度が高い。
大き目の作品に「バベルの塔」というものがあったが、これは図録では全く紹介できないレベルの細かさで、機会があれば是非原物を見て頂きたい。かつて友人の知り合いが、大きな紙に大勢刻み込まれた人物たちの、あまりに精密であまりにリアルな描かれ方に、3時間立ち尽くしてしまったらしい。



人間万事塞翁が馬馬虎虎式漢作文

2010-06-30 00:38:31 | 趣味愛好
友人が異動先で突きつけられた課題:
先輩の女性五人を、それぞれ結婚したい順位ランキングして下さい。またその理由についてもしっかり述べて下さい。
期限は7月9日。形式は書面。

友人が採った回答方針:
「夜静還未眠,虫吟遂難歇。無那一片心,説向雲間月。」という詩を入れて、その後に文章を続ける。そして、それを毛筆で清書、装丁して提出。

友人からpingへの依頼:
漢作文。


ping案:

夜静獨思服,蟲吟難止歇。
心無彼一片,但愛雲間月。
(詩は平仄を正す必要あり。よって多少改めた。)

古今人同,思服淑女輾轉反側,未見君子憂心忡忡。而亦有異,古人嘆于漢之廣,今人苦於海之狹。兩岸不遠,京邊愈近,驅車登古原,即日到沙丘。我無一片冰心,猶有五指。月有陰晴圓缺,而総相宜。願結情游,相期雲漢。
(女性五人の名前「海野・岸本・京子・上原・理沙」から一文字ずつ取って文中に使用。)



夜は静かで独り思う、虫は鳴き続けて止みそうもない(「静か」と相矛盾?)。
心中には例の一片は無く、ただ雲間の月を愛するのみ。

古今の人間は相も変わらず、彼女を求めてはごろごろと思い悩むし、彼氏がいなければ鬱々と憂う。しかし、また、差異もある。古人は漢水の広くて渡れないこと(恋人に逢えないこと)を嘆いたが、今人は大海が狭くて渡り易すぎること(恋人に恵まれること)に苦しむ。両岸はもはや遠からず、都会と辺境はますます近い。車を駆けて草原に向かえば、その勢いで沙丘にも着いてしまう。私には一片の氷心のような純粋さは無いが、五本の指(五人の女性)という不実さなら有る。月には晴れ・曇り・満ち欠けがあるが、いずれも美しい(どれかを選ぶことなどできない)。願わくば末永くお付き合いして、遥か雲間の彼方でもお会いしましょう。

典故
「思服淑女輾轉反側」――『詩経』国風周南関雎
「未見君子憂心忡忡」――『詩経』国風召南草虫
「漢之廣」――『詩経』国風周南漢広
「驅車登古原」――李商隠「登楽遊原」
「一片冰心」――王昌齢「芙蓉楼送辛漸」
「月有陰晴圓缺」――蘇軾「水調歌頭」
「結情游相期雲漢」――李白「月下独酌」


詩の平仄(○:平声、●:仄声、◎:韻字)。
●●●○●
○○○●◎
○○●●○
●●○○◎



語彙の時代感覚はバラバラだが、しかし、この際、それには目をつぶろう。
人間万事塞翁が馬馬虎虎式漢作文。

それよりも問題なのは、
そもそも、書の作品にしてしまうことで、順位をつけるという問題をうやむやにしてしまおうという魂胆であろうが、果たして、彼女たちに漢作文という冗談が通じるのであろうか。

まぁ、モテる男はつらいねぇ。

コメント力

2010-05-14 00:58:19 | 趣味愛好
この写真は金文(殷周の青銅器に鋳こまれた文字)の「歩」だが、
秦代に同文同軌が実施される以前というのは、相当おかしな字がたくさんある。
これもこれもこれも同じ字かよ、おいおい、と思いつつ、
古代中国人の奔放さにひたすら感心させられる。

たとえば、「客」は、こんな字こんな字もある。
実にユニークである。

思想も同様で、儒・仏・道といった枠組みが確定して以降のものは、
解釈改憲も真っ青な牽強付会によって、経典の内容をうまく自分の主張や現実のニーズに合わせるという、その職人芸の巧みさは面白いが、
やはり既存の枠組みの中にあるという印象は残る。
それに対して、先秦諸子の言論というのは、実に自由で、力強さを感じる。孔子にも老子にも全く気を遣わず、言いたいことを好き放題に主張する。読んでいて、実に爽快な気分にさせてくれる。

文字にせよ、思想にせよ、
統一的規範の下では端麗で水準の高い作品が生まれるが、
好き勝手やっている自由奔放さにも、捨てがたいものがある。


ところで、こんなサイトがある。
特に、「篆書でGO! 1」が佳い。
奔放な字体をたくさん掲載しているが、それについて奔放な解説を附しているのが真に秀逸。

限られたスペースの中で、面白いコメントをつける文章力は凄い。

このサイトもコメントが非常に面白い。
例えば、これなど、内容は非常に下品なのに、このコメントには管理人の品性を感じる。


短く、要を押さえ、かつ奔放な面白さを盛り込む。
このようなコメント力を目指したいものである。