集団的自衛権に関する論議が喧しい。集団的自衛権は同盟国の戦争に加担するもので、戦争放棄を規定した憲法9条に違反する事に議論の余地は無い。とはいえ元々、自衛隊なる戦力を保持していること自体が憲法9条第2項違反そのものな訳だが、共産党も社民党もその点はもう何も言わないらしい。これが、ドイツやアメリカなら当然の事ながら憲法は書き変わって然るべきだろう。日本人と言うのは本当に変っている...
自衛隊は朝鮮戦争勃発の1950年に、アメリカの意向で警察予備隊として組織されたのが始まりだ。ベトナム戦争でもそうだが、アメリカはアジアでの争いはアジア人同士で殺しあわせる、という基本的な戦略がある。日本はアメリカにとって、東アジアにおける最も重要な防波堤なわけだから、朝鮮戦争(中国、アメリカの代理戦争)で日本にも戦力としての貢献を求めた訳だ。
さて今回、安倍首相が声高、且つ拙速に集団的自衛権の閣議決定を求めている。この理由が良くわからない。なぜ安倍はこんなにも急いでいるのか?
私は、この裏にはアメリカの意向が強く働いていると見ている。問題は中国の台頭だ。恐らく今後10年のうちに中国は経済力、軍事力の両面でアメリカに匹敵する力を持つ。そして、その国家体制は共産党一党独裁であり、議会制民主主義とは明確に異なる憲法を持っている。以前このブログでも書いたが、戦争は結局のところ相手の憲法を書き換えさせる為に起る。
http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx/e/832b5884c5fddedbe68dad0fb3285f63
だとすると、国家体制の違う中国とアメリカはホットかコールドかは別にして、必ず争う運命にある。結局のところ、アメリカの対中戦略の行き着くところは戦争しかない。そして、それにはアジア人同士を充てるのが基本戦略だ。そこで、アメリカとしては対中戦争の前面に日本を振り向けたいと当然考える。これが、集団的自衛権論議の核心だろう。
さて、そのアメリカの意向を受けた安倍首相の目の上のタンコブが公明党だ。公明党はご存知の通り創価学会の政治部の様なもので、その政治信条の裏には宗教的な信念がある。今回の集団的自衛権に関しては創価学会(つまりは池田大作)が反対を唱えている以上、安易な妥協は絶対にしないと見ていた。ところが、ここに来て風向きが逆転して合意の意向を見せ始めている。これはいかなる事か...
事態が逆転したのはこの出来事の後だ、
6月2日の事で、キャンベル前国務次官補が公明党の山口代表と極秘で会って以降、風向きは変わった。この会談でアメリカはある事柄を公明党に突きつけたと思われる。それはある週刊誌が取り上げている以下の話が真実に近いのではなかろうか?
「もし、公明党が集団的自衛権に反対したら、アメリカが創価学会をカルト認定するらしい」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150966/1
アメリカでも大々的に布教活動を展開している創価学会にとって、カルト指定は致命的になる。池田大作も、これには妥協せざるを得ないだろう。
結局のところ、日本はアメリカの意向に従って朝鮮戦争で自衛隊を作り、今度は同様にアメリカの防波堤として中国と闘うハメになるのだろう。まあ、地政学的にアメリカと中国に挟まれた小国の運命とはこんなものか...
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