徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

ぬか床に産膜酵母がやって来た

2014年06月09日 | 生活

我が家のぬか床にも産膜酵母がやってきました。下の写真で白い膜が全面にはっているのが判ると思います。(判り易くするために一部欠き取っています)これは、前回かき混ぜて二日間おいた後の写真です。

これが出来る前と後では、ぬか床の香りが全く変わります。出来る前には焼きたてのパンのようなイースト発酵のアルコール臭がしていたのが、出現後ではセメダインのようなエステル臭に変わります。これは産膜酵母がエチルアルコールを資化し酢酸エチルを生成しているからに他なりません。この白い膜は、ぬか床が乳酸桿菌による乳酸発酵の安定期に入った事、つまり発酵が順調に進んでいることを示しています。

ところで、酵母って何でしょうか、細菌の仲間? 生物の分類は種、属、科、目、網、門、界と言う順番で大きくなります。地球上の生命は原核生物、古細菌、真核生物の3っのドメインに分けられる、と言うのが最も大きな枠組みとされています。一般の細菌(バクテリア)は原核生物に含まれます。乳酸菌も原核生物です。それに対し、我々ヒトは真核生物です。さて、酵母はと言うと実は真核生物なんですね。酵母と細菌はドメインレベルで違う生物、月とスッポンほど違うわけです。酵母はどちらかと言うとヒトに近い生物で、DNAの40%を我々と酵母は共有していると言われています。

ただ、違う見方をするとカビも真核生物なんですね。カビは菌糸を持ち、見た目もふわふわしています。これに対して酵母は膜状、或いは液中を単独で漂っている。つまり、酵母と言うのは菌糸を持たないカビの仲間、と言うことも出来るわけです。

この白く張った産膜酵母は中に混ぜ込んでしまえば全く無害で、ぬか床にシェリー酒のような芳香を加えてくれます。美味しいぬか漬けにはこの産膜酵母の白い膜が必須というわけです。

 


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