ロシアンメソッドなるものでレッスンをするようになってそろそろ3年を迎えようとしています。
この「ロシアンメソッド」という言葉、どうやら解釈がひとつではなさそうです。
私の理解では「身体の重さを使った奏法、つまり重力奏法を子供たちにどう教え始めるか」をロシアンメソッドというと解釈しています。
ハイフィンガー奏法が一世を風靡していた時代はとうの昔に過ぎ去りました。現代では重力奏法が当たり前です。
日本はとうの昔に過ぎ去ったはずのものが現役な国なので、そう弾かざるを得ない教本がたくさんあります。
フランスではベロフ、ロジェ、ルヴィエ、ジャン=フィリップ・コラール等が十代前半~中頃に現代の奏法に切り替わっていきました。ロジェは元々その奏法だったので直す必要はなかったようですが。
ハイフィンガー奏法が主流だった頃、旧ソ連では既に身体の重みを使った奏法が使われていました。
何がハイフィンガーと異なるかと言えば音色の豊かさです。
大きな音も確かに出しやすいですが、それはガツンとした音ではなく、まろやかな響きを伴った音です。
狭いレッスン室で聴くとガツンとした音の方が大きく聞こえますが、ホールに行くと逆になります。
衝撃音で聴かせるのではないのです。
指だけでコントロールするより身体の様々な部分を使い分けられた方が音色が豊かになります。
その大元になる大きな筋肉を使ってまずは弾き始めましょうと考えたのが「ロシアンメソッド」と私は理解しています。
この方法で始めると誰でもそこそこ深い音で、タッチも使い分けられ、美しい音で弾けるようになってきます。それは、初めに力みのない腕、指、手首、それらを支える肩、指先を徹底して身に付けるからです。力みすぎも力まなすぎも上手くいきません。身体を支えるのは腰、足ですので、それもレッスン中に何度言うか数えられないくらい子供たちに言っています。
ここから先は様々なテクニックを覚えていきます。
それはパッセージを速く弾くことではなく、音色をどう作るかです。
水泳に詳しいわけではありませんが、まずは水に浮いて足の根元からバタ足ができるようにすること。
昔は水しぶきが多い方が良いとされていたそうですが、今は大きな筋肉を使うことで効率よく泳ぐように指導されているとか。シンクロの田中ウルヴェ京さんがそうお話しされていました。
ロシアピアニズムはおそらくロシア人がよくやる歌い方やフレージング、細やかな音色づくりといったことを指すのだと思います。
それはロシア人に教わった方が良いと思われます。
教わったところで同じようにはできません。音楽は育った環境や風土がどうしても表れます。
ロシアは広大ですしロシア人が皆同じように弾くこともないはずです。現に多くのピアニストが今の時代は楽派というものは既に存在しないと言っています。
以前オルガンを習っていた時に、音色や音の高さはそのオルガンのある土地に根差したものだと聞きました。音色だけではなく音の高ささえ土地によって異なるのは衝撃でした。絶対音感なんて持っていたらとても弾けません。ヨーロッパで絶対音感が重視されていない所以はそんなところにもあるのかもしれません。
どんな音で弾きたいか、それをどうやったら実現できるか、それは私自身も永遠に追い求めるのだと思います。
この「ロシアンメソッド」という言葉、どうやら解釈がひとつではなさそうです。
私の理解では「身体の重さを使った奏法、つまり重力奏法を子供たちにどう教え始めるか」をロシアンメソッドというと解釈しています。
ハイフィンガー奏法が一世を風靡していた時代はとうの昔に過ぎ去りました。現代では重力奏法が当たり前です。
日本はとうの昔に過ぎ去ったはずのものが現役な国なので、そう弾かざるを得ない教本がたくさんあります。
フランスではベロフ、ロジェ、ルヴィエ、ジャン=フィリップ・コラール等が十代前半~中頃に現代の奏法に切り替わっていきました。ロジェは元々その奏法だったので直す必要はなかったようですが。
ハイフィンガー奏法が主流だった頃、旧ソ連では既に身体の重みを使った奏法が使われていました。
何がハイフィンガーと異なるかと言えば音色の豊かさです。
大きな音も確かに出しやすいですが、それはガツンとした音ではなく、まろやかな響きを伴った音です。
狭いレッスン室で聴くとガツンとした音の方が大きく聞こえますが、ホールに行くと逆になります。
衝撃音で聴かせるのではないのです。
指だけでコントロールするより身体の様々な部分を使い分けられた方が音色が豊かになります。
その大元になる大きな筋肉を使ってまずは弾き始めましょうと考えたのが「ロシアンメソッド」と私は理解しています。
この方法で始めると誰でもそこそこ深い音で、タッチも使い分けられ、美しい音で弾けるようになってきます。それは、初めに力みのない腕、指、手首、それらを支える肩、指先を徹底して身に付けるからです。力みすぎも力まなすぎも上手くいきません。身体を支えるのは腰、足ですので、それもレッスン中に何度言うか数えられないくらい子供たちに言っています。
ここから先は様々なテクニックを覚えていきます。
それはパッセージを速く弾くことではなく、音色をどう作るかです。
水泳に詳しいわけではありませんが、まずは水に浮いて足の根元からバタ足ができるようにすること。
昔は水しぶきが多い方が良いとされていたそうですが、今は大きな筋肉を使うことで効率よく泳ぐように指導されているとか。シンクロの田中ウルヴェ京さんがそうお話しされていました。
ロシアピアニズムはおそらくロシア人がよくやる歌い方やフレージング、細やかな音色づくりといったことを指すのだと思います。
それはロシア人に教わった方が良いと思われます。
教わったところで同じようにはできません。音楽は育った環境や風土がどうしても表れます。
ロシアは広大ですしロシア人が皆同じように弾くこともないはずです。現に多くのピアニストが今の時代は楽派というものは既に存在しないと言っています。
以前オルガンを習っていた時に、音色や音の高さはそのオルガンのある土地に根差したものだと聞きました。音色だけではなく音の高ささえ土地によって異なるのは衝撃でした。絶対音感なんて持っていたらとても弾けません。ヨーロッパで絶対音感が重視されていない所以はそんなところにもあるのかもしれません。
どんな音で弾きたいか、それをどうやったら実現できるか、それは私自身も永遠に追い求めるのだと思います。