ひとつの音ではなく、繋ぐと美しくなるものがあると2音のレガートを教えているのが第13回。
教本の上巻ではまだレガートの曲はありません。
しかし、お猿を使い全音符で腕を横に開き、伸びのある音を作り出すことを「さあ、ねましょう」でしたところでこれをされています。
ミャーォ、と言いながら。
正しいイントネーションを初めから身に付ける。
これはとても大事なことです。レガートで弾くこともここでは必要ですが、後ろの音が重くならないようにすることも必要です。
初めてやるからこそ、最初から正しいイントネーションを覚えてもらうのです。
ここを見逃してレッスンを進める先生が少なくないと感じます。
日本人は特に言葉のアクセントの感覚が弱いので、2つの8分音符で裏拍が重かったり、2音とも同じ強さでまっ平らという人が多いです。
特に後者が多いと感じます。
教える方もそう教えている可能性があります。リズム感の良い演奏はこのようなことの積み重ねだと思います。
イリーナ先生は、イントネーションが正しくないときちんと直されています。
滑らかに弾く時は指を高く上げない、という注意もされています。
彼女のレッスンを見ていると、あとで直せばいいはありません。
もちろん、生徒さんが出来るまでその時に言い続ける、という意味ではなく、教える側がきちんと伝えるということです。
そして、すぐに出来なくても良いとか、そのうち出来るようになる、といった言葉も決して仰いません。
教師が満足する所まで到達していなかったとしても、笑顔で「Good job !」と仰っています。
そのあとのレッスンで何度も復習をして、正しく身に付くように進めてもいますが、「これはママと一緒に練習してね」と保護者の方へのご協力も求めています。
日本人の忖度で後回しにすることがレッスンではあると思います。
今これを要求するのは悪いかな、趣味だしそこまで求めていないかな、と。
私にはこれがあります。
保護者の方もすぐに出来ない、覚えられないことは趣味だからと逃げる傾向があります。
全員がそうではありません。趣味だとしても本物を身に付けたい、知りたいという人も珍しくありません。
彼女のレッスンを拝見する中で、下手な慰めの言葉は必要ではないと知りました。
「よくやった」「練習してさっきより良くなった」で良いなと。
「よくやった」が日本語ではどれが妥当なのでしょう。
最低限のことはできている意味だと「がんばった」?
本人が特に頑張ったわけではないのにそう言われたら、「こんなもんでいいの?」になるし··
言葉を選ぶのは難しい