おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

「遊藝黒白」第2巻読んでます#1

2019年09月23日 | 書籍紹介
今頃読んでいるのですかと思われるかもしれませんが、ご紹介したい本があります。

焦元溥(チャオユアンプー)という台湾の音楽ジャーナリストの方が書いた「遊藝黒白」という世界のピアニストにインタビューしたものを日本語に訳した本です。
好評なようで何冊かシリーズで出版されています。
私が読んでいるのは第2巻の「音符ではなく、音楽を」です。

ツィメルマン、シャンドール、アシュケナージ、ミラ・ダヴィドヴィチ、キーシンなど15人のピアニストたちのインタビューが掲載されています。

内容はどれも興味深く、ピアニストたちが焦氏だからと時間を作ってインタビューに応じたという、他では知ることのできないであろう話が丁寧に綴られています。

本物の音楽家たちが集められています。

さて、この中からルーマニア生まれでパリコンセルヴァトワールのピアノ科教授であるテオドール・パラスキヴェスコ氏の話を少しだけ。

彼はコルトーの弟子のルフェビュールに師事したそうです。
ルフェビュールは手がとても小さかったのでコルトーとは別のテクニックを自分でみつけたそうです。ラヴェルを得意としラヴェルも彼女の演奏を認めていたとのこと。

彼女自身もテクニックを教えることはなく、どう表現するかについて考えそのためのテクニックは自分で考えなさいという指導だったそうです。

ルフェビュールとコルトーの関係は良好だったそうですが、彼女はコルトーの校訂した楽譜やテクニックの教材はあまり使おうとしなかったそうです。

なぜなら、コルトーが真に意味したことが教材の中にないことをよく知っていたから。

例の「コルトーのピアノメトード」
この本をコルトーは本当は出したくなかったのだそうです。出版社の圧力に負けて仕方なく出したとのこと。才能があり、音楽を愛している人ならば自分に合った練習法を自然に見つけるだろうし、才能がない人はどんなに練習しても仕方がないというのが彼の考え方だったそうです。ですから教材を書いても何の役にも立たないと思っていたと。

はは

こちらルフェビュールのマスタークラスと演奏です。
Yvonne Lefébure teaches how to play Ravel

見たことがある動画でした。情熱的な方だなぁとあっけにとられながら見ておりました。
「水の戯れ」の冒頭はラヴェルはスラーを書いていますが、ここはハーフ・スタッカートでなければ水滴が戯れて舞い飛ぶ情景を描写できないと考えそのようにラヴェルに弾いて聴かせたところ、ラヴェルも気に入ったのだそうです。こちらの動画でも最後の方でその話をしていると思います。Ah,oui,comme ça!!


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