おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

発達障がいについて① 分類と種類

2023年01月19日 | 苦手なことがある子供たち

発達障がいについて、本を読むと書かれていることですが、こちらに少しまとめてみたいと思います。

発達障がいは、
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・子供の時期~青年期(22歳以前)に現れる
・生涯続き症状の軽減はあるものの治るものではない
・脳の機能障害が原因と言われている
・発達障がいの特徴として、同じ子供に異なる障がいが重複して現れる
・対応を誤ると本来発症しなくともよい障がいを発症-2次障害
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発達障がいという言葉はアメリカで使われるようになり、世界中に広がりました。Developmental disorders と言います。

日本語では「〇〇障害」と以前は表記されていました。
日本語では、学習障がいLDをLearning disabilitiesの略にしています。
disabilitiesは障害です。しかし、アメリカ、ヨーロッパでは disorders 混乱を使っています。

最近では日本語表記に害の字を当てないのはこのような理由もあると思います。
障碍とも書かれますが、常用外の文字なのでひらがながよく使われます。碍は妨げるという意味です。

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発達障がいには世界共通で使われている分類法があります。

アメリカ精神医学会(DSM)と世界保健機関(WHO)の2種です。

アメリカ精神医学会の精神障害の診断・統計マニュアルは精神疾患のみに使われているのに対し、WHOは身体の病気も含めた疾患全般の分類(ICD)を記載しています。


発達障がいに関しては、個人的にはDSMの方がわかりやすい印象です。
日本でもこちらを使うのが一般的だそうです。(但し、厚生省のウェブサイトにはWHO の内容が掲載されており、日本はWHOに加盟していることから公式な診断や報告はICD を使う義務があるそうです)

DSMは、1992年に発表された第Ⅳ版が長く使われてきましたが、2013年に第5版が作られました。第Ⅳ版まではローマ数字で表記されていますが、第5版はアラビア数字です。


第5版では自閉症について変更が成されました。

第Ⅳ版では広汎性発達障害の中に、自閉性障害・レット障害・小児期崩壊性障害・アスペルガー症候群・特定不能の広汎性発達障害がまとめられていました。

それが、第5版ではこのカテゴリーがなくなり自閉スペクトラム症 / 自閉症スペクトラム障害(ASD)となりました。


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発達障がいはDSMでは、神経発達症群 / 神経発達障害群という大きな分類の中にあります。

そこに7つの診断名があります。
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・知的能力障害群(知的障害)
・コミュニケーション障害群
・自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)
・多動症/注意欠如(ADHD)
・限局性学習症/限局性学習障害(LD)
・運動症群/運動障害群(発達性協調運動障害、チックなど)
・他の神経発達症群/他の神経発達障害群
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発達障がいは単独では起きません。
上記の7つのものがいくつか重複して現れます。

LDに関しては、読字・書字・算数障がいと種類があります。
自閉症がスペクトラムとなったのは、線引きが困難であるからではないかと個人的には思っております。
ADHDは第Ⅳ版には更に細かく分類されています。

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これらは誰でも見ることは出来ますが、診断は必ず専門医に診て頂かなくてはなりません。


私たちはこれではないかと思うことはあっても、軽率に保護者の方に口にしてはいけないと思っております。
ピアノのレッスンでは、LD、ADHD、ASD、運動障害の可能性のある生徒さんに出会うことがあります。


その可能性があることを念頭に置いたレッスンは何も言わなくとも行うことは出来ます。
障がいのある人に有効なことは、ない人にも有効であると言われていますが、全くその通りです。
むやみに混乱したレッスンにならないように、基礎知識としてピアノ講師も発達障がいのことを知っておくべきだと思っています。


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参考文献
『発達障がいの子供たち』編者 細川徹 / 中央法規 / 2003年

参考サイト
DSM-5とは?診断の分類や目的・用途を解説
DSMⅣからDSM5への改訂で発達障害が神経発達障害と総称されます。
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf
https://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/dl/naiyou05.pdf
広汎性発達障害とは?自閉症スペクトラムとの違い、原因と症状、診断、受けられる支援を紹介します。 | LITALICO仕事ナビ
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