The Beautiful Scenery of Italy 8
~ Toscana ~ 「Under the Tuscan Sun」
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Grazie mille, Toshimiさん!
イタリア半島の中央よりやや北、エルバ島が浮かぶティレニア海に面し、
半島の州の中では3番目に広い面積を持つトスカーナ州(Toscana)、
今回はイタリア屈指の景勝の地である、このトスカーナをご紹介します!
※写真素材(Euro-selection.com All rights reserved)(p-fan.net)
トスカーナ州は、ローマに次ぐと言われるルネッサンス芸術都市フィレンツェやシエナ、
斜塔で有名なピサ、塔の街サン・ジミニャーノ、ピエンツァなど
歴史的文化的魅力のある街が数多く存在し、
キャンティに代表される世界的に知られた高品質のワインは言うまでもなく、
オリーブ、小麦などの農業、また繊維や革製品などファッション関連の産業も盛んです。
サン・ジミニャーノ
モンテプルチャーノ
歴史的にもイタリアにおけるこのトスカーナの重要性は計り知れません。
古代ローマ以前はエトルリア人が多く住み、
トスカーナという名は、‘エトルリア人の土地’を意味します。
長い激動の歴史の中、特に都市国家の時代に、
後にフィレンツェ共和国としてトスカーナを統治することとなったメディチ家を中心として、
シエナ、ルッカなど豊富な経済力を元に繁栄し、
ダ・ヴィンチやミケランジェロなどを擁護支援してルネッサンス芸術の発展に大きく貢献、
ローマと同様、イタリア文化の礎をになう上で重要な役割を果たしてきたのです。
長くメディチ家の支配が終わった後も、オーストリアの支配下に置かれたり、と
波乱の歴史の後、1860年にようやくイタリア王国に統合されました。
フィレンツェ
ユネスコ世界遺産も多いトスカーナ、中でもオルチャ渓谷に代表されるように、
イメージそのままブドウやオリーブの畑がのびのびと広がり、
糸杉が点在する起伏に富んだ丘陵地帯の美しさは
ルネッサンス時代から変わることなく大切に守られ、
イタリア国内はもちろん、世界中の観光客を惹きつけています。
トスカーナ丘陵
フィレンツェ他、一つ一つの街もそれぞれにみな魅力的、
イタリアの世界的芸術遺産の多くがこのトスカーナのいたるところで見られるのです。
それはまた追々にご紹介していきましょうね。
今日は、豊かな大地とそこに広がる緑のぶどう畑、紺碧の空、
ゆったりと過ぎる白い雲と穏やかな時間・・・・
そんな夢の世界を楽しんでいただける素敵な映画をひとつご紹介しましょう。
全編にトスカーナの青い空と絵のような景色が散りばめられた、素敵な作品です。
『 トスカーナの休日 ~Under the Tuscan Sun~ 』 2003年アメリカ
ピエンツァのダイアン
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(写真はイメージです。映画の内容とは関係ありません)
サンフランシスコで暮らす作家のフランシス(ダイアン・レイン)は、
突然夫から離婚を突きつけられ、順調だったはずの結婚生活と家を同時に失ってしまいます。
落ち込む彼女に友人がプレゼントしたトスカーナへの旅行、
憂鬱なまま旅をするフランシスでしたが、
コルトーナというトスカーナの田舎町で、偶然目にした築300年の古い家に一目で惚れ込み、
衝動的にそれを買ってしまいます。
その家に付けられた名は『ブラマソーレ』~太陽に焦がれる者~・・・・・
単なる傷心旅行のはずだったトスカーナへ、突然移住することになったフランシス、
勢いで買ってしまったものの、ボロ家の修繕や異国での生活に悪戦苦闘の連続!
嵐の夜、壊れた窓から吹き込む風雨になすすべもなく、
途方にくれて挫折感にうちひしがれるのです。
しかし、帰る場所はない、ここで生きるしかないと懸命に頑張るフランシス、
不動産屋のマルティニや家の修理を手伝ってくれるポーランド人の職人たちとの交流を通じ
徐々に元気を取り戻していきます。
一人で大丈夫といきがってみても、やはり誰かの助けが必要なこと、
それは家の修繕だけではない、心の支えも・・・
それを痛感しておずおずと周りの人に心を開き、
トスカーナでの生活を受け入れ、人生を立ち直らせていくフランシス。
光あふれるトスカーナのおおらかな自然と、人懐っこくユニークな人々に囲まれ、
家の修理に専念しながら新しい人生を模索する等身大の女性を、
ダイアンが可愛らしく健気に演じます。
彼女を支えるマルティニ、イギリス人のキャサリン、親友のパティ、
この3人の個性が、また素晴らしい。
妻帯者マルティニ(ヴィンセント・リオッタ)のフランシスに寄せる親愛の情、
見守っていないと心配でたまらない。
心細がるフランシスに「もう悲しまないで、でないと君と間違いを犯しそうだ。
僕は妻を裏切りたくない」・・・
優しく静かに彼女を見つめる目が、なんとも切なくて・・・。
親友パティを演じるサンドラ・オーが、これまた表情豊かに脇を固めています。
彼らの他にも屋敷の改築を手伝う職人たち、毎日祠に花を手向けに来る寡黙な老人など、
登場人物のすべてが、そのままトスカーナの景色の一部のように優しく暖かく
フランシスを包み込むのです。
都会でのあわただしい生活とはまったく逆のゆったりとした時間の中で、
少しずつ癒されていく傷ついた心。
絵に描いたようなイタリア男との恋、転がり込んできたアメリカの友との友情、
そして自分が本当に求めているのはいったい何なのか・・・
終盤・・・
肩の力を抜き、一歩踏み出して、そして他人を思いやったとき・・・
フランシスは自分が本当に願い求めていたものを、
ようやく手にいれることができるのです・・・。
ローマ、コルトーナ、モンテプルチャーノ、フィレンツェ、
そしてポジターノ・・・
登場する場所すべて名前を聞いただけでも、私たちには胸キュンもの。
移り変わる四季の毎、姿を変えるイタリアの景色を見るだけでも、
十分楽しめること請け合いです。
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イタリアって人を元気にしてくれる国ですけど、まさにそのとおりですよね。
トスカーナは、観光というより、このフランシスのように住んでみたいです
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Toshimiさん、素敵な記事と写真をどうもありがとうございました!