イタリア映画祭2012~Festival del Cinema italiano 2012 

2012-04-30 | Movie
毎年GW恒例のFestival del Cinema italiano 2012は今年で12回目。
日本未公開の新作(2010年以降のもの)イタリア映画が、
すべて日本語字幕付きで上映されています。

東京会場 (有楽町朝日ホール)14本
4月28日(土)~5月4日(金・祝)

大阪会場 (ABCホール) 7本
5月12日(土)~5月13日(日)

詳細はこちらでご確認くださいネ。

Patrizioがスペシャルゲストとして歌ってくれたら素晴しいでしょうネ!


「Into Paradiso」(楽園の中へ)


「La Vita Facile」(気楽な人生)


「Gianni E Le Donne」(ジャンニと彼をめぐる女たち)


「Il Gioiellino 」(至宝)


「Corpo Celeste」(天空のからだ)


「Sette opere di misericordia」(七つの慈しみ)


「Ruggine」(錆び)


「Terraferma 」(大陸)


「Scialla!」(シャッラ/いいから!)


「La kryptonite nella borsa」(バッグにはクリプトナイト)


「Tutta colpa della musica」(何もかも音楽のせい)


「Habemus Papam」(ローマ法王の休日)


「IO SONO LI」(シュン・リーと詩人)



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感動の嵐・・・「製パン王キム・タック」

2011-10-08 | Movie
私、ついについに買ってしまったの、DVD BOXを!
しかも、これまでほとんど見たことがなかった韓国ドラマ!

ご覧になったことありますか?「製パン王キム・タック」(Baker King, Kim Tak Goo)

この夏フジテレビ韓流αでも放送されていた、
70~80年代の実際の韓国製パン業界を舞台にしたこのドラマ。
韓国ではなんと最終回50.8%、瞬間最高視聴率58.1%という
驚異の数字をたたき出した大ヒット作だそうです。

そして内容は・・・もう感動の嵐、嵐、嵐なの!

パン製造会社コソン食品会長ク・イルチュンと使用人との間に、
私生児として生まれたキム・タック。
幼少期に会長の元に引きとられますが、
そこにはもう一人の息子ク・マジュンが・・

ク家の長男、コソンの跡取りとして育てられてきたマジュンとは違い、
タックを待ち受けていたのは逆境と試練でした。

持って生まれたそれぞれの運命・・








会長はタックを「特別な子」として愛情を注いてきたけれど、
コソンの跡取りをめぐる陰謀で12歳のときに母親が行方不明となり、
タックは黙って家を出て、生死すらわからない母親を探し回り、
ありとあらゆる苦労をしながら一人で生きてきました。

そして12年後に行き着いた先が「パルボン・ベーカリー」。

「ボクはパンが大嫌いだ。パンを食べると決まって嫌な事ばかり思い出してしまう。
パンにはいい思い出なんかないんだ。」

そう言うタックに、製パン界の生きた伝説パルボン先生は、
「お前は今まで正しく生きてこなかったようだな。
正しく生きろ。正しく生きるというのは、
恨みや怒りや憎しみ、憎悪の心をなくすことだ。
人を恨んだり憎んだりして生きてきたからパンが美味しくないんだよ。
そろそろこのパンと仲直りしてはどうだ。
お前の心の中にある恨みや辛い思い出とも仲直りしろ。」

タックは先生の作ったパンを食べながら、
パンを食べている幸せな自分もあったことを思い出し、涙を流します。

第8話

(字幕は??ですが・・)


パルボン先生のその言葉、
そしてパンを食べながら思い出す、幼少期に母親から聞いた数々の言葉が、
タックの人生を変えていきます。
そして天性の嗅覚と向上心でパン作りの才能を開花させていきます。

正直で一途なタックには人を感動させる善の魅力があり、
タックにかかわる人たちはいつの間にか正しく導かれ、
それがタック自身の幸せにもつながっていきました。

そして最終回直前・第29話 私が好きなシーンの1つです。




将来が約束されすべてに恵まれてきたかに見えるマジュンは、
実は会長の本当の息子ではなく、母親と秘書室長との子供でした。
さらにマジュンは12歳のときに祖母の死に母親が関わっている現場に居合わせ、
心に深い傷を負い、孤独にさいなまれ、すべてを憎み、つっぱって生きてきました。
だから私は悲しき悪役マジュンを放っておけな~い!

クラブで暴れるマジュンを連れ帰るタック。
「なぜだ?お前には父も母もいる。コソン家もあるじゃないか。ユギョンだっている・・
(ユギョンはタックと相思相愛にもかかわらず、いろいろあってマジュンと結婚してしまった)
それなのにこれ以上、何が必要なんだ?」

「父親?コソン?ユギョンだ?そんなもの、ただのうわべだけのものだ。
俺のものなんかじゃない。俺には何にもない。お前が俺を惨めにさせるんだ。」

「マジュン、お前は大人だ。しっかりしろ!
結婚もして守るべき家族がいるじゃないか。それにまだ俺たちの3番目勝負が残ってる。
世界一幸せなパン、これが最後のテーマ、先生が与えて下さった課題だ。
先生が亡くなる時に何をおっしゃっていたかわかるか?お前のことだよ。
お前は俺の人生の友だ、お前と死ぬまで一緒に生きろとおっしゃった。
これがお前と俺が一生の間、解かなければならない課題だ。
お前もそれをわかっているはずだ。
一緒に生きよう。死ぬまで一緒にいる友達だ。」とタック。

思慮深く洞察力に優れていたパルボン先生は、
これまで2人に2つの試験を課してきました。

第1次試験の課題 「世界一腹を満たすパン」 、
それは、「思いやる心」を、

第2次試験の課題 「世界一面白いパン」は「チャレンジ精神」を、

そして、最後の課題 「世界一幸せなパン」には、
「これから歩んでいく中で作るべきパン」という意味が・・

パルボン先生は、2人をパン職人として育てる前に、人として育ててきたんです。

このドラマを見ていて、人の縁の深さと大切さをつくづく感じます。
人はあらゆる面で影響し合って生きていること、
人を許すこと、すべてのことを受け入れることの意味、
いろいろなことを考えさせられます。

最初からラストまで背景がきちんと組み立てられていて、
いわゆる悪役と呼ばれる人たちにもそれなりの理由があることがきちんと描かれているので、
人を許すという行為を学びやすくなっています。

全30話という長編ですが、レンタルでも出ています。秋の夜長にぜひぜひお勧めです!

希望は眠らない夢/ギュヒョン(Super Junior)


毎晩、夜な夜な繰り返し繰り返し観ているの!
でも実は最終回はまだ観ないで大切にとってあるんです。
観るのがもったいなくて(#^^#)

ちょっぴり浮気・・!

2010-10-11 | Movie

この連休、「Hornblower (ホーンブロワー 海の勇者)」のDVD BOXを久しぶりに見たんです。
・・恋心再燃・・!!!



これはイギリスの人気長編TVシリーズ。
17歳で海軍士官候補生となったHoratio Hornblower(ホレイショ・ホーンブロワー)、
気弱ですぐ船酔いしてしまうような少年が、海の上での様々な困難を乗り越え、
逞しく凛々しい海軍提督へと成長していく姿を描いたもの、
エミー賞受賞作品です。

キャ~~、Ioan Gruffudd(ヨアン・グリフィズ)、なんってハンサム!!!







Ioan Gruffuddとの最初の出会いはタイタニック!
五等航海士ロウ役を演じた人、
ほら、覚えているでしょう?最後の最後に唯一ボートで戻りローズを見つけた航海士!



Ioanは、1973年イギリス・ウェールズ出身、ハンサムでセクシーなジェントルマン





Ioan Gruffudd - TV & Film








また続きを見ちゃお~~~

イタリア映画祭2010 ~FESTIVAL DEL CINEMA ITALIANO

2010-04-11 | Movie
FESTIVAL DEL CINEMA ITALIANO 2010 TOKYO & OSAKA



ゴールデンウィーク恒例の「FESTIVAL DEL CINEMA ITALIANO」(イタリア映画祭)。
2001年「日本におけるイタリア年」をきっかけに始まったイタリア映画祭も今年で10周年、
それを記念して今年は大阪でも2日間開催されます。

詳細は「イタリア映画祭」公式サイトで。

★東京会場 4月28日(水)~5月4日(火・祝)有楽町朝日ホール

★大阪会場 5月8日(土)~9日(日)ABCホール

今回は2008年以降に製作された日本未公開の新作12本を上映予定です。

「Solo un padre」(ただ、ひとりの父親)2008年/93分
監督:Luca Lucini(ルカ・ルチーニ)
東京 4/28(水) 5/1(土)



「Tutta colpa di Giuda」(それもこれもユダのせい)2008年/102分
監督:Davide Ferrario(ダヴィデ・フェラーリオ)
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペ部門出品
東京 4/30(金) 5/3(月・祝)



「Ex」(元カノ/カレ)2009年/120分
監督:Fausto Brizzi(ファウスト・ブリッツィ)
東京 4/30(金) 5/4(月・祝)
大阪 5/8 (土)



「Giulia non esce la sera」(ジュリアは夕べに出かけない)2009年/105分
監督:Giuseppe Piccioni
東京 4/28(水) 5/2(日)
大阪 5/ 8(土)



「Gli amici del Bar Margherita」(バール・マルゲリータに集う仲間たち)
2009年/90分
監督:Pupi Avati(プーピ・アヴァーティ)
東京 4/29(木・祝) 5/4(火・祝)
大阪 5/ 9(日)



「Questione di cuore」(ハートの問題)2009年/104分
監督:Francesca Archibugi(フランチェスカ・アルキブージ)
東京 4/29(木・祝) 5/2(日)



「Vincere」(勝利を)2009年/128分
監督:Marco Bellocchio(マルコ・ベロッキオ)
09年カンヌ国際映画祭コンペ部門出品
東京 4/29(木・祝) 5/3(月・祝)



「Cosmonauta」(コズモナウタ-宇宙飛行士)2009年/85分
監督:Susanna Nicchiarelli(スザンナ・ニッキャレッリ)
09年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門
東京 4/28(水) 5/4(火・祝)
大阪 5/ 9(日)



「La doppia ora」(重なりあう時)2009年/95分
監督:Giuseppe Capotondi(ジュゼッペ・カポトンディ)
09年ヴェネチア国際映画祭主演女優賞
東京 4/30(金) 5/3(月・祝)



「Lo spazio bianco」(まっさらな光のもとで)2009年/98分
監督:Francesca Comencini(フランチェスカ・コメンチーニ)
09年ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品
東京 5/1(土) 5/3(月・祝)
大阪 5/9(日)



「L'uomo che verrà」(やがて来たる者)2009年/117分
監督:Giorgio Diritti(ジョルジョ・ディリッティ)
09年ローマ国際映画祭審査員賞・観客賞
東京 5/1(土) 5/4(火・祝)
大阪 5/8(土)



「Alza la testa」(頭を上げて)2009年/87分
監督:Alessandro Angelini(アレッサンドロ・アンジェリーニ)
09年ローマ国際映画祭最優秀男優賞
東京 4/30(金) 5/2(日)
大阪 5/ 9(日)



特別上映

「Fuori dal mondo」(もうひとつの世界)1998年/100分
監督:Giuseppe Piccioni(ジュゼッペ・ピッチョーニ)
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞5部門受賞
東京 4/29(木・祝)



「L'ora di religione 」(母の微笑)2002年/102分
監督:Marco Bellocchio(マルコ・ベロッキオ)
02年カンヌ国際映画祭審査員賞・ヨーロッパ映画賞主演男優賞
東京 5/2(日)




さらに「イタリア文化会館」では、
1938年から1990年のイタリア映画のオリジナルポスター約70点を展示する
「SOGNI DI CARTA - PAPER DREMAS - イタリア映画ポスター展 1938-1990」が開催されます。

4月15日(木)~5月7日(金)イタリア文化会館

映画と共に歴史を刻んできたポスターやグラフィックアート、
1枚の中に、映画を作る側・見る側の大きな大きな夢が詰まっていますよね。

「LA RAGAZZA DI BUBE」(ブーべの恋人)1963年
Luigi Comencini(ルイジ・コメンチーニ監督)


「AMARCORD」(フェリーニのアマルコルド)1974年
Federico Fellini(フェデリコ・フェリーニ監督)


「NUOVO CINEMA PARADISO」(ニュー・シネマ・パラダイス)1988年
Giuseppe Tornatore(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)



映画の方はすでに完売のものもありますので、事前に確認してからお出かけくださいネ。


映画のポスターではないけれど、Patrizioが表紙になったとっても目をひく雑誌をチラ見せ



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Patrizioも好きな映画「The Godfather」 ~そして「愛のテーマ」

2009-03-31 | Movie
「The Godfather」which is one of the all time greats!





何度でも聴いて~
Patrizioが日本語で歌う「ゴッド・ファーザー愛のテーマ」・・

日本での映像:銀座山野楽器でのショウ・ケース(2006/9/15)
         「題名のない音楽会」(2006/7/14収録・8/20放送)

Patrizioのファンの方にはもちろん、
まだPatrizioのことを知らない方にもぜひぜひ聴いていただきたいです。
Patrizioが日本を特別に考えてくれたのは嬉しいですよね。


私が初めて映画「The Godfather」を観たのは、
Christophe Lambert(クリストファー・ランバート)の「The Sicilian(シシリアン)」(1987年)や、
同じく1987年のKevin Costner(ケヴィン・コスナー)とAndy Garcia(アンディ・ガルシア)の
「Untouchable(アンタッチャブル)」を観て、
シチリアのマフィアやアメリカのギャングという、
とてつもない世界に興味を持ってからのことでした。

映画「The Godfather」の原作は、
アメリカのMario Puzo(マリオ・プーゾ)のベストセラー小説です。
Francis Coppola(フランシス・コッポラ)の監督で、
1972年にPART I、1974年にPART Ⅱ、1990年にPART Ⅲが映画化されました。



そもそも「Godfather」というのは、マフィアのドンへの敬称です。

ヴィト・コルレオーネは子供の頃に父と兄を殺され、
シチリアを追われて一人アメリカに移住し、
苦闘の末、アメリカで闇の権力者としてのし上がっていく・・・

そのヴィトを演じるMarlon Brando(マーロン・ブランド)の存在感ったら!

このヴィトには3人の息子がいましたが、
なんと温和な三男のAl Pacino(アル・パチ-ノ)演じるマイケルが、
2代目ドンとしてコルレオーネ・ファミリーを引き継いでいくこととなります。

しかし・・・
家族を守ろうとしたことが結果的に家族の崩壊につながっていくマイケルの悲劇・・・

全作を通して残酷なバイオレンス・シーンが随所に出てきますが、
単にマフィアやギャングの組織犯罪や復讐劇ではなく、
アメリカに移民しドンとして生きた一人の男コルレオーネの生き様、
その一族の栄光と悲劇、権力ゆえの孤独、愛ゆえの哀しみ
家族や仲間を守るために命を懸けるというシチリア気質、
社会や人と人との重い繋がり、様々なことがテーマにあると思います。



マフィアのドンの最期の場面が孫と遊んでいるトマト畑だったりっていう対比や、
「The Godfather Ⅱ」では、若かりし日のヴィト・コルレオーネを
Robert De Niro(ロバート・デ・ニーロ)が演じていますが、
父ヴィトと息子マイケル、この若き2人のドンが時空を超えて同時進行で描かれていたり、
また映像がNino Rota(ニノ・ロータ)の音楽と一体となって織り成す数々の場面も
とても印象的です。

流れる音楽で最も知られているのが、
「ゴッド・ファーザー愛のテーマ (Love Theme From The Godfather)」でしょうね。
原曲は「Brucia La Terra(燃える大地)」というシチリア民謡なんです。

こちらは、「The Godfather Ⅲ」で、
マフィアの後継者になることを拒み
オペラ歌手となったマイケル(アル・パチーノ)の息子のアンソニーが、
父に歌を捧げているシーンです。
ドンの涙が・・・

シチリア方言で歌われています。
ナポリ語もですが、シチリア語も味がありますネ。

「Brucia La Terra」 from「The Godfather」


Brucia la luna n'cielu
E ju bruciu d'amuri
Focu ca si consuma
Comu lu me cori

L'anima chianci
Addulurata

Non si da paci
Ma cchi mala nuttata

Lu tempu passa
Ma non agghiorna
Non c'e mai suli
S'idda non torna

Brucia la terra mia
E abbrucia lu me cori
Cchi siti d'acqua idda
E ju siti d'amuri

Acu la cantu
La me canzuni

Si no c'e nuddu
Ca s'a affacia
A lu barcuni

Brucia la luna n'cielu
E ju bruciu d´amuri
Focu ca si consuma
Comu lu me cori

大地が燃え 月が空で燃え 私の心は愛に燃えている
狂おしくて魂が泣き叫ぶ
君が戻ってこないのなら 太陽が輝くことは二度とない・・・


切なく情熱的な詞ですよね・・・
そしてこの曲は、いろいろな言語で歌われています。

Andy Williams(アンディ・ウィリアムス)が英語で歌った「Speak Softly Love」



そしてこちらは、
尾崎紀世彦さんの日本語バージョンです。


Patrizioのファースト・アルバムには、
イタリア語の「Parla Piu Piano」が入っていますよね。


歌われている世界はそれぞれ少し違いますが、でもどれも切ないラヴ・ソングです。


Patrizioは「The Godfather」の映画が好きで、全DVDを持っているんですって。
原作の小説は、まだ映画を観る前、18歳のときに読んだそうです。

「愛のテーマ(ささやき)」を日本語で歌うにあたり、
Andy Williamsがかつて日本語で歌ったものも参考にしたでしょうし、
尾崎紀世彦さんの歌も当然聴いたでしょうネ!

来日時の「題名のない音楽会」では、
残念ながらオーケストラとの行き違いで演奏と歌が合わない場面があり、
Patrizioには申し訳なかったと思います。
なのにPatrizioは最後までexpressiveに歌いあげてくれました。
Patrizio、もしかしたら逆に申し訳なかったと今でも気にしているかもしれませんね。
日本語の「愛のテーマ」もいつかステージで聴かせてくれると嬉しいですネ!


Patrizio, Ti ringrazio di cuore...Non vedo l'ora di vederti..

この世界のすべてを超えて~「 Al Di La 」(アル・ディ・ラ)in Atlantic City

2008-10-09 | Movie
What a beautiful song Patrizio sang..
at The Xanadu Theatre, Trump Taj Mahal, Atlantic City, New Jersey, 2008/10/4

10/4、ニュージャージー州アトランティック・シティでのコンサート、
ちょっぴりドレスダウンして、ちょっぴりロックなPatrizioでしたが、
でも言うまでもなく、やはりPatrizio・・
世界中のファンが歌ってほしいと願う「Al Di La」(アル・ディ・ラ)・・
こんなロマンティックなイタリアのラヴ・ソングで、
アメリカをすっかり魅了してしまいました・・

Patrizio singing 「Al Di La」so beautifully..






「Al Di La」

Al di la del bene piu prezioso, ci sei tu
Al di la del sogno piu ambizioso, ci sei tu

Al di la delle cose piu belle
Al di la delle stelle, ci sei tu
Al di la ci sei tu, per me, per me, soltanto per me

Al di la del mare piu profondo, ci sei tu
Al di la dei limiti del mondo, ci sei tu

Al di la delle cose piu belle
Al di la delle stelle, ci sei tu
Al di la ci sei tu per me

Al di la della volta infinita, al di la della vita
ci sei tu, al di la,
ci sei tu per me
Al di la...

この世にあるすべての美しいものの先に
太陽の輝きよりも眩しい君がいるんだ

空に輝く星の先にも
海より深いところにも
世界の果ての先にも
永遠の時を超えたところにも
そして・・僕の人生の先にも君がいるんだ

僕のために君がいるんだよ
君は僕だけのものだ・・




この世界のすべてを超えて、ただ君を愛しているよ・・だなんて、
「You're My World」(Il Mio Mondo)もそうですが、
なんていうのかしら、こんな大げさなほどの愛情表現に胸キュンキュンなの・・


この「Al Di La」は古いカンツォーネで、
1961年のサンレモ音楽祭で、Luciano Tajoli(ルチアーノ・タヨーリ)と
Betty Curtis(ベティ・クルティス)が歌って優勝した曲です。
その後イタリアの多くの歌手を始め、
Dean Martin(ディーン・マーティン)やRay Charles(レイ・チャールズ)など、
世界中のシンガーによってさまざまな言語で歌われてきました。
中でもEmillio Pericoli(エミリオ・ペリコーリ)がレコーディングしたものが
一番有名でしょうか。

そして・・
この美しいバラードが印象的な挿入歌として使われた映画があります。
1962年製作のアメリカ映画「恋愛専科」、
イタリアを舞台に繰り広げられるSweetな恋愛映画です。

筋はお決まりのラブ・ロマンスですが、
でも主役二人の魅力と、何よりイタリア観光地の映像が本当に素晴らしいのです。
まだ観光客もまばらだった頃のローマをはじめ、
ピサ、ベローナ、そしてアルプスの風景の美しさは圧巻です。
そして、マックス・スタイナーの音楽とともに要所要所に流れる「Al Di La」の歌声が、
いっそうこのSweetな映画を盛り上げるのです。


myspace layouts, myspace codes, glitter graphics「 恋愛専科 ~ Rome Adventure (Lovers Must Learn) 」
                    1962年アメリカ(オール・イタリア・ロケ)

                            Grazie mille, Toshimiさん!

                         


 
アメリカの女子大で司書として働いていたプルーデンス・ベル(スザンヌ・プレシェット)は、
学生に禁じられている小説「恋愛専科」を貸し出したとしてとがめられ、
自ら辞表を出して退職し、新たな人生(恋愛)を求めてイタリアに旅立ちます。

客船の中で、母の知り合いの息子アルバートや
イタリア紳士のロベルト(ロッサノ・ブラッツィ)と親しくなったプルーデンスは、
ローマでロベルトから紹介された下宿屋に入ることになりますが、
そこにはすでにアメリカ人留学生のドン(トロイ・ドナヒュー)が滞在していました。
意気投合したふたりは、連れ立って夏のイタリアのバカンスを楽しむことになるのです。

プルーデンス(スザンヌ・プレシェット)とドン(トロイ・ドナヒュー)


優しくハンサムなドンにしだいに惹かれていくプルーデンス、
しかし彼女の気持ちが固まらないまま旅を終えて帰ってきた二人を待っていたのは、
彼の別れたはずの恋人リダ(アンジー・ディッキンソン)でした。

大人の女の魅力でドンを翻弄するリダ、
ドンにまだ彼女への未練があると感じたプルーデンスは、
リダにはとても敵わないと、一人傷心を抱いて帰国の途につくのでした・・・・・


主役を演じたのは、
1950年後半から60年代にかけて大人気となった、トロイ・ドナヒュー!
長身に甘いマスク、青い瞳、ブロンドの髪、と、
ハリウッドの俳優の中でも抜群のハンサム君だったトロイ。
その頃の雑誌の表紙を何度も飾ったり、日本での人気も一時相当なものでした。

相手役のプルーデンスは、吸い込まれるような瞳に黒髪、
品の良い優しさと美しさを兼ね備えたスザンヌ・プレシェットが愛らしく演じています。
後に実生活でもパートナーとなった二人(すぐに別れたそうですが)、
残念ながら両者とも俳優として大ブレイク、とまではいかなかったようですが、
ここでは美しい恋人同士を魅力たっぷりに演じています。

二人の脇を固める俳優たちが、また豊かです。
ドンの前の恋人役のアンジーは、
プルーデンスの正反対のちょっと崩れた大人の魅力を発散し、
ロベルト役のロッサノは、
イタリア紳士といったらこの人!の貫禄で若い彼女を見守ります。
プルーデンスが働く書店の女主人も、言葉に重みとウイットを含ませいい味を出しています。

60年代の衣装やスクーター、恋愛の重要な小道具となる燭台、
甘過ぎるほどの台詞とイタリアの風景、そして何といっても・・・
恋に落ちる二人の後ろにいつも流れる、「Al Di La」の美しいメロディー・・・

「Al Di La」 Emillio Pericoli






歌の最初の部分、

Non credevo possibile
Se potessero dire queste parole..
(自分でも信じられないよ
こんな言葉を僕が言えるだなんてね・・) も、Patrizioに歌ってほしいナ・・


そして最後の台詞は・・

プルーデンス「What does Al di la mean?」(Al di laってどういう意味?)

ドン「It means..it's kind of hard to explain,
far, far away, beyond the beyond, beyond this world.
That's how much he loves her in this song.」

(むずかしいな・・・遥か遥か彼方まで、この世界のすべてを超えて、
どれほど彼女を愛しているか・・)


Patrizioのサードアルバム、どれほどロマンティックなものになるんでしょう。
想像がつきません・・

Patrizio, Mi sono emozionato...

「La Finestra di Fronte」 ~ 「向かいの窓」

2008-04-26 | Movie
GW恒例の「Festival del Cinema Italiano 2008 Tokyo」、イタリア映画祭の季節です!
今回で8回目となるこの映画祭、
来る5月1日(木)~5月6日(火・祝)、有楽町朝日ホール(マリオン11F)にて開催、
2006年以降の作品11本、短篇4本、
そして60年代を代表する作品1本が上映されます。
詳細はこちらで!

そしてそれに関連し、素敵なイタリア映画の紹介記事をいただきました。
文中の過去記事も併せてお楽しみくださいネ!

                              Grazie mille, haruさん!



イタリア映画が好きです。
今年もイタリア映画祭が開催されます。
以前、Toshimiさんが紹介された「家の鍵」も、私が書かせていただいた「輝ける青春」も、
この映画祭出身です。
素晴らしい作品でヨーロッパでは評判なのに日本で公開されないことが多いのが残念です。
日本人は、ファッションだ、旅行だ、と老若男女、イタリア好きなのに・・。
イタリア映画を観てイタリア人やイタリアの日常を知ることによって
観光も倍楽しむことが出来ると思うのです。

今日ご紹介の映画も、イタリア・アカデミー他、数々の賞を受賞し、
日本では2004年のイタリア映画際で上映されましたが、公開には至りませんでした。
(DVD化はされています)


myspace layouts, myspace codes, glitter graphics「La Finestra di Fronte(Facing Window)」 
             ~ 「向かいの窓」 ~
2003年イタリア




主人公ジョヴァンナはローマで暮らす30代の主婦、娘が2人、
子煩悩だけれど甲斐性なしの夫はリストラ失業、やっとありついたアルバイトは夜勤、
彼女は家計のために鶏肉工場で経理の仕事をしている。

今日も2人は歩きながら喧嘩(凄まじく早いイタリア語で)、夫を攻めてもあまり効果はなく、
気が付くと夫は、橋の上で一人の老人に話しかけている。
その老人はどうやら徘徊中で、自分が誰なのか、どこから来たのか分からないらしい。
仕方なく連れ帰り、警察に届けて素性がハッキリするまで家で世話することにした。
失業中だというのにサッカー中継に夢中になる夫は、
口約束ばかりでなかなか警察に届けようとしない。


この老人に扮しているのは、
あのイタリアの名優でチネタッチ(ローマ郊外の撮影所)のイコン(聖像)といわれた
マッシモ・ジロッティ。
ヴィスコンティ作品「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の強烈な印象がありますが、
この「向かいの窓」が85歳の彼の遺作となりました。

この老人の謎を横の線とすると、縦の線はジョヴァンナの日常、
お菓子作りの夢も諦め、不満だらけの彼女が時々目をやる向かいの窓、
その窓の中のハンサムな青年ロレンツォに、ほのかな想いを寄せるようになる。
そして偶然、老人のことで彼と会話をするようになり、一緒に身元を探しをするうちに、
彼も、向こうの窓の彼女を見つめていたことが分かった。
お互いの気持ちは・・。

老人は決して痴呆なのではなく、ある記憶に苛まれて時々自分を見失うようだった。
そして、老人の腕にはユダヤ人強制収容所の焼印が、
洋服のポケットの中には古い一通の恋文が・・
老人の謎は少しずつ解けていく・・


お話はこの辺で止めておきます。
ハンサムな向かいの青年は、
これもToshimiさんが以前ご紹介のダイアン・レイン主演「トスカーナの休日」
ラウル・ボヴァです。
老人の記憶の中に、かつての恋人の姿が??ダンスをするシーンがあるのですが、
そのバックの曲、もの凄く懐かしくて思わず歌ってしまいました。
ラテン(スペイン)の名曲「ある恋の物語」(邦題)で、
ザ・ピーナッツが歌って日本でもヒットした「Historia De Un Amor」でした。
記憶の中の恋人の姿を追い求める老人、昔の恋人を今でも想い続けるその切なさ。
ヨーロッパ映画は派手な波瀾万丈とは遠いけれど、
自分に振り返ってみるような感性があると思います。最近のお薦め映画です。
それからおまけマッシモ・ジロッティの昔と今、横顔には面影がありました。

主人公の女性ジョヴァンナの心の表情を捉えたビデオも合わせてご覧ください。




また、「向かいの窓」とは関係ありませんが、
ナポリというと最近読んだ本で知ったことがあります。
牧野宣彦さんが書いた『ゲーテ「イタリア紀行」を旅する』で紹介されていたことです。
ワイン好きの方ならご存じでしょうか?



ナポリからヴェスヴィアス(火山)へ行く道のブドウ畑、
古代ローマに起源を持つブドウで「キリストの涙」と言われる有名なワイン、
ラクリマ・クリスティ(勿論Patrizioはご存じよね)の原料で、
言い伝えによると、神によって天国から追放された大天使サターンが、
天国の土地を一部持って逃げる途中、土地の一部を落としてしまった・・
それがナポリだそうです。
しかし、恵まれた土地にもかかわらずナポリの人が悪行の限りを尽くしているのを
見たキリストは、彼等の行為を憂えて一粒の涙を流した、
するとそこからブドウの木が生えてきて素晴らしいワインが生まれたそうです。
ワイン好きのゲーテは、「何故キリストはドイツで涙を流してくれなかったのか」と嘆いた、
というエピソードがあるそうです。



haruさんのおっしゃる通りですね。
イタリアのお洒落で華やかなところだけでなく、イタリアの日常や歴史に触れていくと、
更に深くイタリアを感じることができるんじゃないでしょうか。
機会があれば、ぜひイタリア映画祭にも足を運んでみてくださいね。
片手に、家でのんびりイタリア映画三昧も素敵ですね!

Cosa ne dice di questo film?

「 Le Chiavi di Casa 」 ~ 「 家の鍵 」

2007-04-27 | Movie
毎年GWに開かれる、イタリア映画祭、いよいよ明日からとなりました。
この機会に素敵なイタリア映画を紹介していただきました!

                           Grazie mille, Toshimiさん!



今年もまたゴールデン・ウィークに合わせ、イタリア映画祭が開催されます。
(有楽町朝日ホール、4月28日~5月5日)
2001年から始まったこの映画祭、
ここで評価されて一般上映となったり、他での賞に繋がったりと、
その持つ意味、役割もすっかり定着したようです。

映画が作られるようになって、百十数年、
イタリアも数々の佳作、名作を産出してきました。

遠く無声映画の時代に、巨額の資金を投じて製作された、
歴史大作「クオ・ヴァディス」 や 「カビリア」 から始まり、
敗戦を経て 「自転車泥棒」、「道」、「鉄道員」 等、
必死で生きる人の姿や心の孤独、愛憎を描いた作品群。
戦後高度成長を遂げるイタリアの人々の、心の渇望と混迷を描き出した
「情事」、「甘い生活」、「太陽はひとりぼっち」、
歴史の流れの中に描きだされる重厚な人間模様 「ルードヴッヒ」、「家族の肖像」、
多様性を帯びてきた80年代からの作品、代表的な「グッドモーニング・バビロン」、
「ニュー・シネマ・パラダイス」・・・
後世に残る秀作の数々は数え挙げたらきりがありません。

トーキー時代に作られた前述2作のような、
ハリウッド的壮大スペクタクル映画こそ影を潜めましたが、
デ・シーカやフェリーニ、ヴィスコンティら、名匠が築き上げてきたイタリア映画の真髄は、
現在も脈々と受け継がれてきています。

今年は新作12本他、短編作品などの上映も予定されています。
「結婚演出家」、「新世界」など、どれも期待がもたれる、佳作揃いとのことです。

イタリア映画祭2007 公式サイトはこちら

過去6年の間に上映されたものの中で、ひときわ評判の高かったものが、
「ペッピーノの百歩」、「僕の瞳の光」、「家の鍵」、
そして我が友人haruさんがご紹介くださった「輝ける青春」等々・・・・

今回上映される「気ままに生きて」で監督デビューを果たした、
キム・ロッシ・スチュアート、
イタリアで今、美形俳優として最も有名な彼が、
苦悩する若い父親を演じて絶賛を得たのが、「家の鍵」。
2005年の映画祭でオープニングを飾った、秀逸なこの作品をご紹介しましょう。


myspace layouts, myspace codes, glitter graphics 「 Le Chiavi di Casa(Keys to The House)」
                  ~「 家の鍵 」~
 2004年 イタリア 



出産で最愛の恋人を失った若いジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)は、
そのショックで生まれた我が子をも手放してしまう。

そして15年後、
障害をもった息子パオロ(アンドレア・ロッシ)を、
ミュンヘンからベルリンの施設へと送り届けることとなったジャンニ。
初めて息子と向き合うことになるのだが、
パオロの知的障害ゆえの感情の揺れと、その時々で変化する態度に、
どう接していいやら戸惑いと苦悩を隠せない。
初めはぎこちなかった二人だが、
一緒に行動するうちに少しずつ関係に変化が現れてくる。

そして訪れた施設で、同じく障害者の娘の面倒をみるニコール
(シャーロット・ランプリング)と知り合い、励まされる。
「この子たちにとって問題なのは障害ではなく、親なのよ」という彼女の言葉に、
ジャンニにある思いが生まれ、
やがてパオロを連れて二人だけの旅に出る・・・

とりたてて、見る者に感動を与えようなどという大業な姿勢は見せず、
二人のふれあいを丁寧に描き、ジャンニの心の変化を細かく静かに追う。
そこに父と子の、ひいては人と人との愛と絆の大切さ、尊さを深く感じさせます。

15年会うことのなかった、それも、知的障害を持つ息子に相対して行くという
難しい父親の役をキムが好演。
そして息子役のアンドレアの自然な演技がまた素晴らしい。
名優シャーロットも心に深い苦悩を抱えつつ、
ジャンニ親子を気遣う母親の心を、微妙な表情の揺れで表現していて、また絶妙。

二人の苦難の道はまだまだ続くということを示すようなラスト、
思わず頑張れと二人を応援したくなってしまう。心に響く感動作です。

最近DVDも出ましたので、是非ご覧になってみてください。
ちなみに、主演のキム・ロッシ・スチュアート、現在イタリアで最も売れている彼、
演技力の確かさは勿論ですが、とにかくハンサムで素敵!
今、映画の世界でも時代はイタリア! と納得する美しさですよ。
パットも彼を知っているかしら? 
まったく違うタイプだけれど、二人とも最高!
二人並んだら、きっとハリウッドも適わないでしょうね。



派手さこそないけれど、観た人の心にずっとずっと残る映画なんでしょうね。
感動した映画って、その後の自分の人生に勇気や励みもくれますね。
人にも優しくできるんじゃないでしょうか。
他にもたくさんの映画を挙げてくださって、ありがとうございます。
また機会があれば、詳しくご紹介くださいね!

Pat, Quale film vuoi vedere?

「La Meglio Giovent&ugrave」 ~ 「輝ける青春」

2007-04-11 | Movie
Patrizioもこの世で一番大事にしているのが、「愛」。
愛にも色々ありますが、
一番身近にあるのに薄れつつあるのが、「家族愛」ではないでしょうか。
イタリアを舞台に、素晴らしい家族愛を描いた感動作がありました。

この映画は、毎年GWに東京で開催される「イタリア映画祭」で2004年に上映され、
大好評だったそうです。ご紹介しますね!
                              Grazie mille, haruさん!



myspace layouts, myspace codes, glitter graphics 「 La Meglio gioventù(The Best of Youth)」
                  ~「輝ける青春」~
 2003年イタリア



セピア色の写真には・・キューバ危機のケネディーとフルシチョフのツーショット、
イタリアの人気女優クラウディオ・カルディナーレ、ファッションショー、
電化製品、ストライキ・労働運動、戦後の復興から生まれた貧富の差、
様々な社会問題が吹き出し始めた時代が写っています。
バックにはアニマルズの“朝日のあたる家”が流れています。説明はいりません・・・

・・・この映画の主人公の家族が暮らすイタリアはそんな時代でした。
イタリアの家族の物語といっても、
コルレオーネやソプラノズのようなファミリーではありません。
父がいて母がいて子供たちがいる、どこにでもある家族のお話です。

世界中の若者が新しい理想の社会を求めて燃えた、1960年代から21世紀を迎えるまで、
激動の時代を生きてきた、あるイタリアの家族の歓びと悲しみの物語。
まるで大河小説を読むように時代を噛みしめながら、
時には涙して、6時間の長編を一気に観てしまいました。
若者が若者らしく思い悩み、反抗し、愛し、苦しむ・・
こんな青春があったことを思い出しました。
ぶつかりながらも思いやる家族の愛。親子愛、兄弟愛、恋愛、夫婦愛、
そしてまた親子愛・・繰り返されていきます。

物語は1966年のローマの夏から始まり、
一つ違いの兄弟を中心に家族の人生を描いていきます。
前向きに生きようとする兄、才能豊かでも繊細すぎて傷つきやすい弟。
この違いが二人の歩む人生を大きく分けてしまうのです。
彼らが「フィレンチェの洪水」、「トリノの学生運動」、「赤い旅団のテロ活動」、
こんな事件を体験することで、戦後20年当時のイタリアが浮き彫りにされていきます。
大きな社会の動きの中、この家族にも幸せな結婚、誕生、そして別れ、死、
計り知れない悲しみや苦しみがあります。
その中で、私が自らに語りかけた「どうしてなの?なぜなの?」という辛い死がありました。
声を出して泣いてしまいました。とにかく悲しかったのです。

でも、家族は強い!新世紀を迎えた頃には、
この家族にも新しい幸せが訪れるのです・・・・・。

観終わった時には、
37年の人生を一緒に歩んできて迎えることのできたような安らぎ・安堵感がありました。
2003年、ノルウェーの冬の夜(どうしてノルウェーなのかはあえて書きません・・)で
映画は終わります。
俳優さんは知らない人ばかり(イタリアではスター級らしいです)、
逆にそれが、映画だということを忘れて自分もその家族の中にいるような、
そんな気持ちにさせてくれたのでしょう。

イタリアというと、芸術、観光、ファッション、スポーツばかりが目立ちますが、
この《家族愛》こそがイタリアと思わせる映画でした。
そしてこの映画でも、日本人が大好きなイタリアの美しい街や風景は
いつも生活の背景にありました。
最後に21世紀を迎え、家族を捨て運動に走った母と娘が再会した時、
日本人の観光客に写真を撮ってくれと頼まれるシーンがありました。
今のイタリアはどこに行っても日本人の観光客の姿があるということなのでしょう。
でも、そういう私もイタリア大好きです。

イタリアの家族の光と影を描いたこの映画、お薦めします。
家族への愛おしさに溢れていました。
難しい評論ではなく、《家族愛》にしぼって、涙を拭くハンカチを用意して観てください。
歴史的にも有名な事件をすべてこの家族が体験するのは
不自然という人もいるかもしれません。
でも、家族という見方からすれば、その時々の愛や喜び、
苦しみ悲しみを一つの家族にまとめて描いたと思えばいいのではないでしょうか。

この映画は国内では数々の賞を受賞し、
2003年のカンヌ映画祭で6時間の長編にも拘わらず大喝采を得た大作で、
日本では岩波ホールで上映され、現在はDVDも出ています。

【参 考】

★サンレモ音楽祭が人気で、
「夢見る思い」でジリオラ・チンクエッティが優勝したのは1964年のこと。
★1965年にヴィスコンティの「熊座の淡き星影」(私が好きな映画)がカルディナーレ主演で、
カンヌで大賞を受賞しました。イタリア映画全盛期。
★1966年はビートルズが来日した年。
★フィレンツェの洪水:1966年の11月、修復には世界中が協力し現在も続けられている。
★トリノの学生運動:フランスでも日本でもイタリアでも、学生運動が火を噴いていた1968年。
この事件はトリノの自動車工場の大論争が発端。
★赤い旅団:1970年頃結成されたレーニン・マルクス主義を掲げる民兵組織、
労働者を支援することから始まり、やがて過激な武力闘争へ。



イタリアの家族愛を描いた、6時間の大作。
政治的要素の大きい映画のように思われるかもしれませんが、
決してそうではないようですよ。
私はまだ観ていないのですが、見た目だけのイタリアではなく、イタリア、
そしてイタリア人の本質に迫ったこの映画、
イタリア史における重要なできごとも出てくるようですし、これは観のがせないですね!!

アニマルズの「朝日のあたる家(House of The Rising Sun)」、こちらで試聴できます。
あたらめて聴いてみると、心の叫びのような曲ですね・・。




Romeo and Juliet

2007-03-14 | Movie
イタリアは、ヨーロッパではフランスと並び評される、
数々の名作を排出してきた映画大国です。
その中で、私がとても好きな映画、『 Rome and Juliet (ロミオとジュリエット)』。
シェイクスピアさま、貴方の物語の中でこれほど心惹かれ胸焦がしたものはありません。
あなたって、なんてロマンティック・・。

数々ある‘ロミジュリ’の中でも、
1968年に製作されたフランコ・ゼッフィレッリ監督の作品は、ダントツに素敵だと思います。
今観てもとても新鮮です。
この映画の成功の鍵は、なんと言っても主役の二人。

レナード・ホワイティングは当時18歳、オリビア・ハッセーは15歳、
この二人の起用がこの映画を世界的にヒットさせたのではないでしょうか。
それまでのジュリエットの常識といわれていた‘金髪’ではなく、褐色の髪と瞳を持ち、
そして15歳にしては見事な成熟をみせるオリビアの美しさは驚きです。
彼女はゼフィレッリ監督自らが街中で見出してきたそうです。
そして、彼女に相応しい美少年ぶりのレナード。
この若い二人の瑞々しい演技と姿態の美しさは絶品。
回りのキャストをイギリスの舞台俳優で手堅く固め、
そしてさらに中世イタリアの街並みや石畳、貴族の館、城など、
重厚な映像の美しさも特筆に値するでしょう。

舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。ストーリーはもうあまりに有名ですよね。
そこでは随所にちりばめられた、美しい愛のセリフ・・。
古典劇とはいえあまりに甘く切ないです。
お馴染みの「おお、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?・・・」、
「日毎に姿を変える、あの不実な月になぞ、誓わないでください。」、
とても14歳の娘の言うセリフとは思えない、
なんて大胆で、かつ愛に溢れた言葉なんでしょう。
そして映画をより一層輝かせる、ニーノ・ロータのあの美しいテーマ音楽も
重要ポイントです。


「What is the Youth~~」 (こちらで一部試聴できます)

What is a youth? Impetuous fire. (若さとはなんだろうか? 激しく燃える炎)
What is a maid? Ice and desire. (乙女とはなんだろうか? 氷と熱い情)
The world wags on.(世は移ろいゆく)
A rose will bloom It then will fade (薔薇は咲き、そして枯れていく)
So does a youth. (若さもまた束の間に消え)
So does the fairest maid(乙女もまた老いゆく)


これをPatrizioに、ギター弾き語りで、甘く素敵に歌い上げてほしいナ・・
Patrizioがもしロミオを演じるとしたら・・
あの目で、あの声で、真剣に愛をささやかれたら? 
捕まる危険を覚悟で、夜、貴女のベランダによじ登ってきたら・・・
あ、だめです。フィルムを止めて・・

でもPatは先を見ずに突っ走る、ティーンの恋などしないかもしれない・・
Patが演じるなら、心に炎を秘めつつ、
思慮深く復讐に突き進む‘ハムレット’の方かしら。


ヴェローナのジュリエットのバルコニーのモデルとされる場所


O Patrizio, Patrizio...wherefore art thou Patrizio...?
おおパトリツィオ、あなたはどうしてパトリツィオなの・・?

Good night, good night...
Parting is such sweet sorrow, That I shall say good night till it be morrow.
おやすみ、おやすみなさい。別れはあまりに甘い悲しみ・・
朝になるまでおやすみを言い続けていたい・・