小樽の最西部にある忍路の半島を地図でみると、面白い形をしている。
この忍路海岸と隣の蘭島海岸とを結ぶ山道があることを知る市民は少ない。
グーグルマップにも出てこないが、矢印部分がその山道。
調べてみると市道認定されているようだ。
市道の正式名称は「忍路蘭島間新道線」。
蘭島側の一部は「忍路蘭島間旧道線」となっている。
旧道線の一部を付け替えて新道線を作ったのだろう。
蘭島側から登ってみた。
ここはまだ旧道部分だ。
余市方面に目をやると、蘭島海水浴場が一望できる。
まっすぐな道に出た。新道部分に入ったのだな。
右手に目をやると畑が広がっている。
軽自動車が停まっていて、ブーンと草刈機の音がしている。
農作業、お疲れさまです。
振り返ると、蘭島の海が下に見える。
このあたりが一番高いところ。
通行止の看板があり、細い道路が交差していた。
ゼンリンの地図には、徳源寺忍路観音堂と記載されている場所付近だ。
下りになった。
ここら辺から住所的には忍路。
人家が見えた。
ここをまっすぐ下ると忍路十字街。
ドン付きには、北海道大学の忍路臨海実験所がある。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション忍路臨海実験所 HP
HPに沿革が掲載されていた。
1908年 東北帝国大学農科大学水産学科 忍路臨海実習所として設立
1918年 北海道帝国大学附属水産専門部 忍路臨海実験所に改称
1935年 北海道帝国大学本部所管
1940年 北海道帝国大学農学部水産学科
1953年 北海道大学水産学部
1971年 北海道大学 学内共同利用施設に改組
2001年 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
2004年 国立大学法人北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
100年以上の歴史があるのだなあ。
設立時は東北帝国大学農科大学と言うのは知らなかった。
1908年といえば、小樽港北防波堤が広井勇によって建設された年。
小樽港ができつつあるときに、すでに忍路では大学の研究機関が設立されているとは。
忍路が小樽の中で最も古い歴史を持つ地区の一つであることを示す事例と言える。
小樽市民にも案外知られていない秘境感たっぷりの忍路なのである。