東京で勤めていた20代のとき、前職の先輩から聞いた。
忙しいとき自分はロボットになるのだと。
ロボットと化し、マシンになりきって、余計なことは考えずにひたすら仕事をこなすのだと。
なるほどと思った。
以来、自分もそうしている。
先輩のようにロボットになり、マシンと化して黙々の事務作業をこなしたり。
ロボットだけではない。
悔しいなどの感情をもたない能面男になったり、気の利かない頑固オヤジになったり、何も知らないおどけたピエロになったり。
場面場面よって、仕事用の自分を敢えて演じ切るのだ。
自分が壊れないために。
自分を守るために。