いま、森の図書館で展示中の『森の図書館とbeyond2020』展での紹介されている東深井の鈴木清子民生委員児童委員さんが自らの介護体験を絵本にした『みどりのおうち』。NHKニュースなどでも何度も放送され話題となりました。2月5日には、その鈴木さんがスターツおおたかの森ホールで開催された東葛飾地域の「人権サミット」で講演された様子が今朝、朝日新聞に折り込まれた「朝日れすか」3月号に特集されていました。
以下、紙面から。
認知症の家族とどう向き合うか
「プライドを傷つけない」介護体験を絵本にした鈴木清子さんが講演」
東葛6市の市長が一堂に会し、人権にかかわる課題への対応を話し合う「東葛地区人権サミット」が2月5日、流山市のスターツおおたかの森ホールで開かれた。テーマは「認知症の家族とどう向き合うか」。義母の介護記録をもとにした創作絵本『みどりのおうち』の作者、鈴木清子さん(63)の講演と6市市長による意見交換会があった。
東葛6市市長が意見交換
同サミットはNPO法人「人権ネットワークPEaCE21」が主催し、今年で7回目。認知症はだれもがなり得る身近な病気だけに、約450人が耳を傾けた。
流山市に住む元小学校教諭で、民生委員・児童委員を務める鈴木さんは「みどりのおうち~おばあちゃんはわすれんぼうです でもしあわせです~」と題して講演。手作り絵本『みどりのおうち』の朗読を挟みながら、アルツハイマー型認知症と診断された夫の母親を2年間、介護して気づいたことなどを語った。
鈴木さんが働いていた間は、同居の義母が家事全般を引き受け、子ども2人の面倒をみてくれた。厳格ですべてにきちんとしていた義母も80歳を過ぎるころから物忘れがひどくなり、大好きだった料理や庭いじりもできなくなっていった。鈴木さんは57歳で早期退職し、介護に専念した。
義母のために家族が心がけたのは「みんなで見守り、ちょっとだけサポートしてあげる」ことだった。失敗したときも笑顔で接し、自尊心を傷つけるような言動は慎んだ。「認知症になっても、人格や個性は失われません。大切にされていることが伝われば安心するし、感情は心に残ります」と鈴木さん。義母は2018年5月に他界した。87歳だった。
第2部では6市市長が自身の体験や行政の具体的な事例を踏まえ、「認知症の方と周りの人々がより良く生きるためにできることは何か」について意見を交わした。
各市とも認知症の予防や早期発見、認知症になっても安心して暮らせる地域を実現できるよう、さまざまな対応策を講じている。認知症の人と家族への理解を深め、マイナスのイメージを払拭しようと、認知症の人が接客サービスをするカフェ、認知症の人が見ている世界をバーチャルリアリティー(VR)で疑似体験してもらう取り組みなども報告された。