きょうの朝日新聞に『流鉄が「にゃんにゃん記念号」 「令和2年2月2日」の語呂合わせ22日まで運行 猫のイラスト満載 乗車券セットは完売』というタイトルで、大きく流鉄が紹介されました。
大きく取り上げてくださった朝日新聞
今朝の朝日新聞の紙面では、流鉄の話題はもちろんですが、記念乗車券セットの台紙や「さくら」号の記念ヘッドーマークをデザインされた杉本聖奈(まりな)さんについて詳しく報じられています。NHKEテレ「ろうを生きる難聴を生きる」前後編特集が放送された際、流鉄ファンでもあった聖奈さんの希望で、流山駅の情景を描いた立体イラスト『黄色い電車、到着。』の制作過程が紹介されました。また、流鉄の路線図案内板を20年振りに聖奈さんのイラストにリニューアルし、車内が明るくなったと好評を得ています。
杉本聖奈さんが描いた『黄色い電車、到着。』(流鉄本社所蔵)
流山の流山駅から松戸の馬橋駅まで6つの駅を11分で結び、距離にして5.7キロを単線鉄道で結ぶ流鉄流山線。5年前の3月には開業100周年を迎え、さまざまなイベントが開催されました。東京に人と物資を運ぶ目的で旧流山町民たちの出資で建設された市民鉄道。首都圏にあってレトロな雰囲気を残し、1世紀以上経た今も沿線住民の足として2両編成で走り続けています
ホームでは写真を撮る流鉄ファンも少なくありません
上りターミナル駅の流山駅は木造平屋のこぢんまりした駅舎。発車のベル音が響き渡るころ、駅員が玄関口に立ち、駆け寄ってくる乗客がないか、辺りを見回します。乗客にあいさつの言葉はかけても、「急いでください」とは絶対に言わないそうです。「鉄っちゃん」と呼ばれる鉄道ファン、ローカル線マニアの方々のblogなどには「神対応」「超接遇」などの表現で称賛されています。
駅での対応はNHKBSなどの番組でも紹介されました
電車はワンマンカーで全6駅にカードで乗車する自動改札機はなく、券売機で厚紙の乗車券を買い、降車駅で駅員に手渡す昔懐かしい雰囲気が人気です。5年前の100周年イベントでは、流鉄(本社・流山市)と流山市、松戸市の3者で作る開業100周年記念事業実行委員会が組織され、電車内やホームで飲食を楽しみながら、ご当地アイドルのコズミック☆倶楽部や流山市出身のトランペッター辰巳哲也さんが出演する車内ステージショーが開催されました。
毎年9月に車庫前で演奏を披露している流山出身の辰巳哲也トリオ
また、千葉県立流山南高校家庭科部員の皆さんの手づくり刺繍が車内に飾られたり、子どもたちが書いた夢がヘッドマークになったり、寒い季節には「椅子に掛けて“ヒヤッと冷たいことがないように…”と、座布団を置いてくださる地域の皆さんもいらして、沿線の方々のぬくもりを感じることができる鉄道です。
駅で電車を待つ間、お尻が冷えないように座布団が置かれています
9月の『流鉄ビア電車』のイベント、11月の『流鉄の鉄道の日』などは、沿線住民はもとより遠く県内外の鉄道ファン、ジャズファンにも定着している恒例行事です。日程などは、その都度、流鉄の公式サイトで紹介されますので、チェックしてみてください。
こどもたちに人気の流鉄キャラクターりゅうのしん
トップ画像の朝日新聞の写真では、文字が小さく読みづらいという方のために、関連写真を交えながら、以下紙面より転載して紹介させていただきます。
流山市と松戸市の5・7キロ間を流山線で結ぶ流鉄(流山市)が2日から22日まで、「にゃんにゃん記念号 令和2年2月2日」と書かれたヘッドマーク付きの電車を運行している。記念乗車券セットは、2日間で完売する人気ぶりだ。
流山駅には流山本町を盛り上げる切り絵行灯も
デザインしたのは神奈川県鎌倉市の立体イラスト作家、杉本聖奈(まりな)さん(33)。ヘッドマークは車体がピンク色の「さくら号」の前方に設置。直径約66センチの円形で、「記念号」の横書き文字の周りに猫の顔や尻尾が描かれている。車体上部に通常明記される「ワンマン」の文字を「ニャンマン」と書き換えた。
22日までニャンマン運行中の「さくら」号
記念乗車券は4枚セットで千円(税込み)。「令和2年2月2日記念」などと印字されている。台紙を開くと「さくら号」の絵が飛び出す。車両の中には猫の運転士と乗客が描かれ、車両の横から白い猫が姿を現す。その下に4枚の乗車券が挟まれ、抜き取ると、さくら号以外の4車両も姿を見せる趣向だ。
発売日の2日は杉本さんが流山駅で、記念乗車券セットの裏面にサインと猫の絵を描いて購入者に手渡した。翌3日に完売した。
記念乗車券セットにサインとイラストを描く杉本聖奈さん
杉本さんは発達障害と聴覚障害があり、子どもの頃から、思ったことを瞬間的に絵に描いて相手に伝えるようになったことがイラスト作家へのきっかけになったという。流山線の素朴な風景が特に好きで、2012年には流山駅構内の情景を描いた立体イラスト「黄色い電車、到着。」を流鉄に寄贈。今回のデザイン制作の依頼につながった。母の香苗(かなえ)さん(59)は「彼女が精いっぱい楽しんで制作し、面白い作品に仕上がった」と話した。
森の図書館で展示中の鉄道コーナー
流鉄運輸課の松本浩美さんは「流鉄に興味を持ってもらい、沿線の観光めぐりをしてほしい」と話している。問い合わせは流鉄(04-7158-0117)。(青柳正悟)
流鉄ビア電車のイベントは毎年9月に続けられています