雨にも負けず、風にも負けず、丈夫な体だがそこそこに欲がある私、おしる子、
テレビや雑誌を見ては「これ欲しい」「これ食べたい」と考えてしまいます…。
東北の詩人・宮沢賢治の生き方を少しは見習いたいと、「小池博史meets宮沢賢治」
シリーズ全3作を観たのは2012年から2014年の3か年でした。
2013年の銀河鉄道流山公演
2014年「風の又三郎」流山公演
昨年11月、小池博史ブリッジプロジェクトの新作「幻祭前夜~マハーバーラタより」流山公演
中でも強く印象に残ったのが第1弾の「注文の多い料理店」でした。
3人のハンターたち
私、おしる子の地元・流山で生まれたこの舞台は、流山市文化会館の初演を皮切りに
世界17都市で上演された話題のダンス演劇作品です。
3.11から始まった「小池博史meets宮沢賢治」シリーズ第1弾が再び流山で公演されるのですが、
既に満席で、追加公演が行われると伺い早速、お話を伺ってきました。
左から小谷野哲郎さん・大塚陽さん・荒木亜矢子さん
演出家・小池博史が、知る人ぞ知るパフォーミングアーツグループ「パパ・タラフマラ」を解散した後、
1作目に選んだのは名作童話"注文の多い料理店"でした。
演劇であり、ダンスでもある。人間でありながら、森の動物でもある。喜劇であり、悲劇である。
世界で評価される小池博史の深遠なる童話作品。大人も子どもも楽しめるダンス演劇です。
「あっ!」というまに時間も国も飛び越える流山で生まれたあの名作が5年の時を経て再び流山に帰ってきます。
当初から予定されている2月11日(木・祝)14時30分開演(14時開場)は既に満席のため、追加公演が急遽行われることになりました。追加公演は2月10日(水)19時30分開演(19時開場)。
ここで、ちょっと復習です。宮沢賢治の名作童話「注文の多い料理店」は…。
山奥に狩りの楽しみを求めてやってきた青年紳士たちは嵐に遭い、這々の体で、
発見したのが「西洋料理店 山猫軒」。そこは不思議な「注文の多い料理店」だった。
次々と注文を出されて、はじめは意気揚々と要求に応える紳士達だったが、不思議な
動物達の誘いを甘受しつつ、いくつもの部屋を通り抜けていくとそこには大きな得体の
知れない“なにか”が潜んでいた。 それは一体何であるのか、そして私たち人間は
それとどのように対峙すべきなのか。 紳士達がみた風景は人間の存在そのものを
問いかける…というお話です。
小池博史さんは、『2011年3月11日以降、自問自答し続けて、30年続けた組織を解体させ、
真っ先に生み出した作品です。人間と自然の関係を問い直し、私たち自身に向かっての回答
としてではなく、疑問として提示しています。?今、人間とって必要なのは胸を張れる輝かしさです。
人としての源泉を、全感覚を通して探求することで、初めて次が見えてきます。
その源泉を問うのが、悲しく、怖く、楽しく、可笑しい「注文の多い料理店」。ご来店くださいませ。』と語っています。
今回は初めての国内ツアーで、流山をはじめ仙台や金沢、徳島、真庭など6都市で公演されます。
なんといっても舞台の動きが早い
仮面を被るとなかなか誰が誰やら
いよいよご馳走を食べましょう
キャストは、小谷野哲郎、大塚陽、荒木亜矢子の3人。たった3人が演じ、踊り、それはもう汗びっしょり。
人間になったり、動物になったり、不思議な舞台です。文庫本で15ページ程の短編童話を上演時間
約70分の舞台に仕立て、3人は全員出ずっぱり。キレのあるダンスやアクションで魅了します。
スタッフは…
演出・脚本は、演出家・作家・振付家・舞台美術家・写真家、「からだのこえをきく」著者、
「舞台芸術の学校」代表といくつもの顔を持つ小池博史。
演出・脚本の小池博史さん
作曲とピアノは、サントリー烏龍茶、AC骨髄バンク、SoftBank、シャープなどのCM音楽も手掛ける中川俊郎。
尺八は、バークリー音楽大学、ニューイングランド音楽院大学院で作曲を学び、文化庁芸術祭賞等多数の受賞をしている中村明一。
パーカッションは、NHK教育番組や民放こども番組の作品等多く手がける下町兄弟。
左から下町兄弟さん・中川俊郎さん・中村明一さん
星野冨広展などで流山ではお馴染み中川俊郎さんは前回公演では生演奏
ヴォイスは、宮崎駿監督作品 「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」を作曲して歌い、
日本レコード大賞金賞や日本アカデミー賞主題歌賞等を受賞している木村弓。
ヴォイスで出演される木村弓さん
美術は、韓国国立芸術大学の舞踊科の客員教授や杉野服飾大学先端ファッション研究科の非常勤講師も努める松島誠。
衣装は、ESMOD PARISを卒業し、フランス国家認定上級技術者資格取得者の川口知美。
まだまだ舞台監督や照明、仮面等々有名な方々がいっぱいです!
舞台が終わるとこんな感じのお茶目ぶり
舞台で使われる仮面って不思議な魅力がありますよね!
2012年に流山公演をご覧になった田口ランディさんは、『小池博史はいま、おのれの野生に
無自覚である人間に向けて、宮澤賢治の「注文の多い料理店」を、闇を照らす「うすあかり」として
放ったのだ。そこに意味は存在しない。良い悪いではない。ダンスはことばを越えたものであるから、
この残酷さも、強さも、平然とわたしたちの裡なる場所へ踏み込んでくるのだ。
ひかりの素足をもつ者として……。』
(「ひかりの素足をもつ者」田口ランディ~小池博史「注文の多い料理店」を観て~より一部抜粋)。
考えさせられるシーンもいっぱいですが、頭で考えず体で感じる舞台です
また、この流山初演を観た千葉日報の日暮耕一記者は、『思い通りに物事は運ばない。
この当たり前の認識が、機械文明にもたれた社会では忘れられがちに。
震災と原発事故に揺れる我々にとって痛烈なメッセージだろう。3年前から流山で公演を重ねてきた小池氏。
来年は「銀河鉄道の夜」を基にした舞台を流山で発表する予定で、今から楽しみ。
今回1日だけだった「注文の多い料理店」の再演も望みたい。』(2012年6月30日千葉日報文化欄より一部抜粋)。
実は、私おしる子は、昨年末に小池博史ブリッジプロジェクトの「幻祭前夜マハーバーラタより」を
流山市生涯学習センターで観たばかりなのですが、年に1回くらいは、小池ワールドに足を踏み入れて「考える」ではなく「感じる」世界に浸らないと五感が衰えてしまうような気がしています。小池博史さんのご著書のタイトルではありませんが、頭でばかり考えるのではなく「からだのこえをきく」(新潮社)ことも大切だと思うこの頃です。
小池博史meets宮沢賢治「注文の多い料理店」流山『追加』公演
会場 流山市生涯学習センター(TX流山セントラルパーク駅3分)
日時 当初から予定されている2月11日(木・祝)14時30分開演
(14時開場)は既に満席のため、
追加公演が急遽行われることになりました。
追加公演は2月10日(水)19時30分開演(19時開場)。
ぜひ、この機会にお見逃しなく!お求めは、流山市生涯学習センター窓口、
お電話(04-7150-7474)で。
予約フォームはhttp://ticket.corich.jp/apply/71179/
チケット 前売一般2,500円、高校生以下1,000円(当日一般3,000円)
お問い合わせ 流山市生涯学習センター04-7150-7474