おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「こいしり」 畠中恵

2010年01月05日 | は行の作家
「こいしり」 畠中恵著 文藝春秋社 (10/01/05読了)

 町名主の跡取り息子・麻之助と、その悪友である清十郎&吉五郎が、お江戸・神田で起こる事件を解決するライト・ミステリーの連作。

 江戸を舞台にしたほんわかした畠中ワールドです。が、正直、ちょっと、飽きたなぁ。大人気の「しゃばけ」シリーズとは主人公も違うし、妖怪も出てこないけれど… でも、「一見ダメダメな主人公が実は賢くて、周囲の力を借りながら、事件解決」という枠組みは同じ。ただ、問題はそこではなくて、物語として甘々過ぎるということ。いくら、お江戸が舞台であろうとも、「ほんわか」こそが畠中ワールドの真価であろうとも、語るべき物語が何なのかという骨組みがしっかりしていないと、そりゃぁ、のめり込めません。