「風に舞い上がるビニールシート」 森絵都著 文春文庫(09/07/24読了)
結構前に森絵都の「カラフル」は読んだことがあって、その時点で「好きじゃない作家」に分類していました。「嫌い」と言えるほどの心の引っ掛かりもなく、なんとなく読み終わっちゃいました~って感じでした。
だから、読み始める前は、大して期待もしていませんでした。サラっと斜め読みして、その場限りで忘れてしまえばいいのだろうというぐらいの気持ちだったのですが…。ずっしりと重たい小品集でした。
主人公も設定もバラエティに富んでいます。「器を探して」は、気まぐれな美人パティシェに翻弄される秘書の弥生ちゃん、「鐘の音」は仏像修復師の潔。他にも、国連職員、専業主婦、小さな出版社の営業のおじさん…。
誰の人生にも、どんな平凡な日々の生活にも、ある日、突然のように、不条理な選択を迫られる瞬間があるんだ-という、当たり前の現実を、そして、それが、その当人にとっては鉄の玉を飲みこむように辛いことであるということを丁寧に、丁寧に描いています。
主人公たちは、みな、たくましい。最初からパワフルでマッチョなわけではないけれど、不条理や、苦しみや、悲しみを受け入れて、落ちるところまで落ちて、でも、結局、人間は生きていかなければ行けないんだという答えにたどりつく。
静かで、おだやかな文章の中に、最後まで折れることのないしたたかさが潜んでいました。
1つ1つが完成度の高い作品です。でも!!! 私は圧倒的に長編好きなので、2番目の作品が、1番目の作品の「続き」ではないとわかった瞬間、かなり、がっかりしました。
結構前に森絵都の「カラフル」は読んだことがあって、その時点で「好きじゃない作家」に分類していました。「嫌い」と言えるほどの心の引っ掛かりもなく、なんとなく読み終わっちゃいました~って感じでした。
だから、読み始める前は、大して期待もしていませんでした。サラっと斜め読みして、その場限りで忘れてしまえばいいのだろうというぐらいの気持ちだったのですが…。ずっしりと重たい小品集でした。
主人公も設定もバラエティに富んでいます。「器を探して」は、気まぐれな美人パティシェに翻弄される秘書の弥生ちゃん、「鐘の音」は仏像修復師の潔。他にも、国連職員、専業主婦、小さな出版社の営業のおじさん…。
誰の人生にも、どんな平凡な日々の生活にも、ある日、突然のように、不条理な選択を迫られる瞬間があるんだ-という、当たり前の現実を、そして、それが、その当人にとっては鉄の玉を飲みこむように辛いことであるということを丁寧に、丁寧に描いています。
主人公たちは、みな、たくましい。最初からパワフルでマッチョなわけではないけれど、不条理や、苦しみや、悲しみを受け入れて、落ちるところまで落ちて、でも、結局、人間は生きていかなければ行けないんだという答えにたどりつく。
静かで、おだやかな文章の中に、最後まで折れることのないしたたかさが潜んでいました。
1つ1つが完成度の高い作品です。でも!!! 私は圧倒的に長編好きなので、2番目の作品が、1番目の作品の「続き」ではないとわかった瞬間、かなり、がっかりしました。