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郎女迷々日録 幕末東西

薩摩、長州、幕府、新撰組などなど。仏英を主に幕末の欧州にも話は及びます。たまには観劇、映画、読書、旅行の感想も。

宝塚キキ沼に落ちて vol13

2020年12月14日 | 宝塚

宝塚キキ沼に落ちて vol12 - 郎女迷々日録 幕末東西

上の続きです。

 去年(2019年)のタカラヅカスペシャルが、専門チャンネルで放送されたみたいです。
 私は、今年のはじめにキキちゃんにはまってから、検索をかけていましたら、「キキちゃん スカーレット」といいますワードが、けっこう上に出てくるのに気づきました。
 さっそく見てみましたら、タカスペの宙組コーナーで、えー、簡単に言ってしまえば、キキちゃんがスカーレット・オハラの扮装で「ソーラン宙組」を歌って踊って、全部もっていった!!! ということでして、どーしても、どーしても、どーしても見たくなり、私は円盤を買いました。

 いや、もう、すばらしくデコルテがきれいだし、真風バトラーと芝居をしている間は、見事に女声で、スカーレット・オハラなキキちゃん。
 「風と共に去りぬ」のいわゆる階段落ちの場面です。スカーレットはバトラー船長と言い争って階段から落ち、暗転。バトラー船長が一人で「愛のフェニックス」を熱唱し終わったところで、階段の上に元気なキキちゃんスカーレットが姿を現し、ドスのきいた男の声で「あー、どっこいしょ、どっこいしょ」。ソーラン節の前奏に乗って、クリノリンの輪っかドレスにはっぴを羽織って、肩をいからせ、勇ましい表情で下りてきます。
 真風バトラーの「スカー、レッ、ト???」というつぶやきの中、センターでソーラン節を歌い出すスカーレットを、やがてはっぴを着終えた真風バトラーが押しのけ、はじき出されたキキ・スカーレットは、2番手の位置にいる小公子・和希そらを押しのけ、輪っかドレスで踊りぬくんです。

 実際、ほかのすべての場面がかすんでしまうほど面白く、私は円盤を買った当初、何十回も、この場面だけ見返していました。
 しかし、少し落ち着いてみますと、望海さんと真彩ちゃんのお歌はすばらしいの一言で、星組さんは「桜華に舞え」の主題歌を歌ってくれてますし、見所は他にもたくさん、ありました。

 それはそうと、ですね。今回この話を出してきましたのは、この宙組コーナー、演出がウエクミ先生、だったんですが、他の組コーナーとは、雰囲気もちがえば、組み合わせもちがいました。
 雪組は、男役二番手さん以下多数、次いでトップ同士・望海さんと真彩さんがからんで、最後は全員。
 花組さんは、最初に二番手の瀬戸さん以下男役3人、次いでトップ同士・柚香さんと華ちゃん、柚香さんとマイティ、そして全員。
 星組はちょっと変則的で、まず二番手愛ちゃんとトップ娘役の瞳ちゃんがデュエット、男役娘役数人が歌って、トップの礼真琴さん独唱、しめは全員、です。

 で、宙組なんですが、まずは「ベルばら」の小公子・小公女を男役娘役3人ずつ、次いで3番手のずんちゃん(桜木みなと)とトップ娘役のまどかちゃんが「王家に捧ぐ歌」より「月の満ちるころ」。そして、キキ&真風の「風と共に去りぬ」です。

 えーと、なにが言いたいかと言いますと、ですね、トップ娘役がトップとも二番手とも組まないで三番手と組み、トップと二番手、男役同士が組んだのは、宙組だけだったんです。
 キキちゃんと真風さんは、もちろんお似合いでした。もしかすると、ほんとに風共ができるかもしれないくらいに、です。
 それは意外でもなんでもなかったんですが、私が驚いたのは、ずんちゃんとまどかちゃんが、びっくりするするほどお似合いだったことです。
 「王家に捧ぐ歌」の新人公演主演コンビだったそうですし、驚くようなことではないのかもしれないのですが、声の質もよく合って、すばらしいデュエットでしたし、「まどかちゃん、真風さんと組むより似合ってない?」と、つい思ってしまったんですね。

 前回お話ししました「神々の土地」は、朝夏まなとさんの退団公演でしたし、真風さんとまどかちゃんは次期トップコンビと決まっていたのですが、役柄としては、まったく交わりようもない役でした。
 真風さんは、ニヒルで、大人で、しかしけっして醒めきってしまっているわけではなく、熱いものをうちに抱いている感じが、素敵でした。
 まどかちゃんは、前回も書きましたが、一見無邪気で、しかし無意識のうちに激しく嫉妬心を燃やし、無鉄砲に突っ走って愛する男を窮地に陥れるという、子供ゆえの怖さを持った少女を、的確に演じていました。

 その「神々の土地」があった上での、「フライングサパ」です。

 "FLYING SAPA" at Umeda Arts Theater – Main Hall in JAPAN <For J-LODlive>

 宝塚では珍しいSFだというので、楽しみにしていたのですが、チケットは手に入らないないだろうし、とあきらめていました。
 ところが、舞台よりも現実の方がSFじみてきまして、思いもかけないコロナ蔓延。コンサートも観劇もスポーツ観戦も、すべてが中止にいたるという悪夢が続き、ようやく8月になって、梅田芸術劇場で上演となりました。
 花組さんも星組さんも、感染が出てなかなか再開できませんでした中、小公演だったことなどもあったんでしょうか、「フライングサパ」は無事開幕。初日、流れてきたツイッターで、キキちゃんと真風さんが、ぼろぼろ泣いていた情景が忘れられません。

 で、地方在住者にとって、これはむしろありがたことなのですが、楽天テレビでの千秋楽ライブ配信があって、見ることができました!
 なにしろコロナ禍の異常な状況でしたので、最初は、華やかなフィナーレやパレードがなく、歌もほとんどないことが、さみしいような気がしました。
 歌は、松風輝さんが歌う子守歌と、キキちゃんが口ずさむ歌と、どちらもつぶやくような歌が流れるだけですし、踊りもまた、アンニュイな雰囲気のもので、宝塚らしく、パッと思いを発散できる感じからは遠かったんです。
 しかし慣れてくれば、スタイリッシュな雰囲気を楽しむのもいいか、とも思い直したんですが、おそらく、生で見ていればもっと、雰囲気にひたりやすかったかと思います。

 SFとしてどうか、と言えば、そうですねえ。現実の方がシュールです。
 独裁的な管理社会って、ソ連が長らくそうでしたし、中国はいま、それが極端にIT化され、ネットで監視の目が張り巡らされ、電子マネーが普及していますから、反体制分子は下手をすると買い物もできなくなってきた、ともいわれます。しかしもちろん、一方で物々交換の世界も残っていたりします。物語のように、アウトサイダーだって生存はできるわけです。
 そんな恐ろしい監視社会で、当初、コロナ感染を隠蔽しようとして、結局は、世界中に散らばってしまっちゃったあげくに、人間のコミニュケーションが普通にできず、楽しみはすべて御法度、というような、異常な社会が出現したわけですよねえ。なんてシュールなんでしょ!!!

 だから、まあ、別に、なんの違和感もなく、「フライングサパ」の世界には、すっと入っていけました。
 宝塚の定番ならば過去のファンタジーなのが、未来を想定したファンタジーになっただけでして、人間関係はいつものウエクミ節。しっかり描けてます。
 ニヒルで大人な真風さんは素敵でしたし、まどかちゃんは体当たりの演技。私は、この作品ではじめて、二人はお似合いだな、と感じました。
 キキちゃんは、精神安定剤のようなお役で、素敵は素敵なんですが、うん、ウエクミ先生、キキちゃん主役だと、どんな感じに描いてくれるんだろうなあ、と、つい、考えてしまいました。

 この「フライングサパ」は、未来の水星を舞台にしていますけれども、萩尾望都のSF作品で、火星を舞台にしたものがあります。
 
 

 この「スター・レッド」、「ポーの一族」と同じくらい好きでした。
 火星を愛してやまない火星生まれの少女、レッド星(セイ)。
 数千年の孤独を生きた異星人・エルグは、レッド星に出会い、最後の最後に、「狂うことにする」と、自分の精神を封じ込めていたいましめをときます。
「存在していれば、なにかが見つかるかもしれないと思った。そしてきみに出会った。一つの星、一つの運命に、恋している少女。きみを独りじめし、数千年の孤独をすべてうめたかった。……星、心からきみを大切に思う」

 惑星の盛衰がからむ遠大な物語で、エルグと星のはるか時空を越えた愛は、忘れがたく胸にしみます。
 私の夢は、このエルグをキキちゃんに演じてもらえたらなあ、ということです。
 しかし、レッド星をやれるようなトップ娘役さんなんて、いますかね? うーん。ぴったりなのはSU-METALですけれども(笑)

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宝塚キキ沼に落ちて vol12

2020年12月11日 | 宝塚

宝塚キキ沼に落ちて vol11 - 郎女迷々日録 幕末東西

上の続きです。

 人事発表があってから、フライングサパの感想を書こうと思っていたのですが、発表がありません。
 いま、大劇場のアナスタシアで、空席が目立っているそうなのですが、これ、大方はコロナのせいでしょうけれども、一部に、宙組ファンがモヤモヤを抱えてテンションがあがらないから、ともささやかれているそうです。

 中途半端に、まどかちゃんの専科移動と、次期宙組トップ娘役に潤花ちゃん、という発表のみがありました。そして、次期大劇場公演でご卒業か、と噂されていました真風さんが、どうも長期になるらしく、では2番手の長いキキちゃんは? と、わけがわからないままでは、モヤモヤするな、という方に無理があります。
 いったい、なんの必要があって、こんな変則的な人事発表のみを、劇団はしたのでしょうか。

 そして、噂ですけれども、まどかちゃんの専科移動は、次期花組娘トップとなって柚香さんの歌介護をするためとか、キキちゃんは2番手のまま退団とか、モヤモヤを通り越してムカムカするような話が、流れ放題です

 私はこれまで、真風さんとまどかちゃんがお似合いだとは、まったく思っていませんでした。

TAKARAZUKA CAFE BREAK ★オーシャンズ11で大暴れ!芹香斗亜 20190628

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宝塚キキ沼に落ちて vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

「桐野利秋in宝塚『桜華に舞え』観劇録後編下」の続きであり、「幕末維新はエリザベートの時代vol1」の続きでもあります。といいますか私、「宝...

宝塚キキ沼に落ちて vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上に書いておりますが、「オーシャンズ11」は、同名のアメリカ映画を宝塚独自にミュージカル化したものでして、小池修一郎氏の脚本・演出で、2011年星組で初めて上演され、2013年花組で再演されました。
 初演の新人公演で真風さんが主人公のダニィ、キキちゃんが相棒のラスティ。花組再演の新人公演では、キキちゃんがダニィ、マイティ(水美舞斗)がラスティ。初演の星組本公演で、真風さんがライナス。花組再演本公演ではキキちゃんがライナス。

 で、真風さんとキキちゃんは宙組でトップと2番手となり、昔星組の新人公演でやったダニィとラスティを、本公演で演じたわけなのですが、キキちゃんの宙組作品の中で、ラスティは屈指のはまり役です。同時に、ダニィとラスティのバディ感は、歴代でもピカイチだったのではないでしょうか。

 私、花組の「オーシャンズ11」は、キキちゃんがライナスをしていることもあって、円盤を買って見てみたのですが、それでつくづく感じたのは、ダニィとその妻のテス、敵役のベネディクトとの三角関係が、花組のものの方が、くっきりとあざやかだった、ということです。
 なにしろ花組のベネディクトは望海風斗さんでしたので、これには宙組のずんちゃん(桜木みなと)は、迫力と感情表現で、どうしても負けていました。
 そして花組でテスを演じていた蘭乃はなさんは、色香ただよう大人の女として、夫のダニィとホテル王ベネディクトの間を揺れ動く気持ちを見事に表現していましたが、まどかちゃんのテスは、いかにも子供っぽく、ダニィが夢中で愛していることが、ちょっと絵的に信じられませんでした。テスのもっと若いころを、夢白あやちゃんが演じていましたが、正直、そちらの方が大人っぽくて、ダニィとお似合いでした。

 「神々の土地」と「フライングサパ」を見るまで、私はどうも、真風さんとまどかちゃんと、それぞれの本当の魅力に気づいていなかったような気がします。
 あるいは、もしかして、二人が別れて、お互いに別の魅力でこれから輝けるのかもしれないのですが、しかし、今回の人事発表は、噂が噂を呼んでいる感じですし、いままでのところ、なんだか、とてもいやな感じしか受けません。

 一部に流れているように、キキちゃんが2番手で退団だというのでしたら、私は二度と宝塚は見ません。

 しかし、これも一部に流れているように、真風さんが長期になったからキキちゃんが宙でトップになれない、というのは、だいぶんちがうのではないか、と思うんです。

 あるいは、妄想と言われるかも知れないのですが、コロナ禍の最中に、潤花ちゃんが宙へ来る、と発表されたときから、私は「これはキキちゃん、宙を出ることになるのでは?」と思ったんです。
 引き金は、月組トップ珠城さんの退団発表だったと思います。それが早すぎたのか遅すぎたのか、コロナがどう関係したのかわかりませんけれども、当初は、100周年を迎えた最中の退団では、なかったのではないでしょうか。

 キキちゃんは、阪急を背負っています。親会社がスポンサーだと、劇団側では、けっこう融通をきかせてもらえるのではないんでしょうか。いくらコロナ不況でも、です。あくまで、私の妄想かもしれないのですけれども。
 ともかくキキちゃんは、阪急を背負っているがゆえに、月移動になるのではないか、と、私はとっさにおもいついちゃったんですね。

 後は玉突きではないんでしょうか。
 月の次期トップ予定の月城かなとさんは、雪組の出身です。
 雪組では望海風斗さんの退団後、彩風咲奈さんがトップになりますが、彩凪翔さんも退団で、二番手候補が朝美絢さんしかいません。朝美さんは、まだ三番手羽も背負っていなかったかと思いますし、月城さんが帰るのが、一番、雪組のためではないのでしょうか。
 また彩風さんにはまだスポンサーがついていなかったので、次期トップ娘役にするつもりだった潤花ちゃんにスポンサー(ヒガシマル醤油)がついたわけですが、月城さんはカミノモトを背負っているので、月城さんが雪に帰れば、潤花ちゃんを出せるわけです。
 私は、スポンサーつきの潤花ちゃんが宙に来たからこそ、キキちゃんが出ることになったのだと、思いました。

 しかし、ですね。雪の新体制に間に合うように月城さんが雪に帰るとなれば、珠城さんの退団公演まで月にはいられず、おそらくキキちゃんは、珠城さんの退団公演から月へ行くのではないか、つまり落下傘ではないのではないか、とまで、妄想しました。
 だとすれば、12月のはじめには、発表があるはずなんです。大劇場アナスタシアの千秋楽でお別れ、ということになりますから。
 で、キキちゃんが月に行くのだとすれば、真風さんの長期は、キキちゃんが抜けた後の宙組の人気維持の必要から、ということになると思うんですね。

 でも、ですね。もしもそういうことなら、そりゃあ、できればキキちゃん、宙でトップの方が落ち着きはしますが、もしも月でトップなのならば、それはそれで、発表した方がいやな噂は打ち消せるのではないか、と思うのですが、発表がありません
 ほんとうに、モヤモヤを通り越してムカムカ、という結果になりそうな気がしまして、つい、いらぬことを書いてしまいました。

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宝塚キキ沼に落ちて vol11

2020年11月30日 | 宝塚

宝塚キキ沼に落ちて vol10 - 郎女迷々日録 幕末東西

 上の続きです。

 本日(11月30日)、またも宙組さんに関して、衝撃的な公式発表がありました。

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組替え(異動)について | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

このたび、下記の通り、組替え(異動)を決定しましたのでお知らせいたします。  宙組星風まどか・・・2021年2月22日付で専科へ異動※202...

宝塚歌劇公式ホームページ

 

 

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宙組 次期トップ娘役について | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

この度、現宙組トップ娘役の星風まどかが、2021年2月22日付で異動するのにともない、同日付で次期宙組トップ娘役に、潤花(じゅんはな)が決定...

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2021年 公演ラインアップ【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】<2021年6月~9月・宙組『シャーロック・ホームズ(仮)』『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』> | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

2021年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。  宙組公演...

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 つまり、現在の宙組トップ娘役・星風まどかちゃんは、退団ではなく、専科に移動し、次期宙組トップ娘役には、潤花ちゃんがなる、ということのようです。
 そして、宙組さん、6月から9月までの大劇場公演、東宝公演が発表されましたが、真風さんの退団は、発表されておりません。
 しかも、演目が微妙なんです。以下、引用です。

 稀代の名探偵、シャーロック。その宿敵となるジェームズ・モリアーティ教授。ただ一人、シャーロックの心を動かした「あの女」、アイリーン・アドラー・・・
「罪を追う者」。 「罪に生きる者」。 そして、「罪を背負う者」・・・
「罪」によって分かち難く結ばれた三人のキャラクターの描き出す幾何学模様(トライアングル・インフェルノ)!

 シャーロック・ホームズが真風さん、アイリーン・アドラーが潤花ちゃん、まではわかるんですが、ジェームズ・モリアーティ教授がキキちゃん???
 「憂国のモリアーティ」のウィリアム・ジェームズ・モリアーティだと、キキちゃん、とても似合うのですが。

 TVアニメ「憂国のモリアーティ」PV第1弾

 しかし、原作によせるとなると、こんな感じなんです。

 

 

 

 

 私、テレビで見た覚えがあるんですが、とてもキキちゃんに似合う役とは、思えませんでした。

 だれに似合うかって………、愛ちゃん、愛月ひかるさんです。
 「神々の土地」のラスプーチン、絶対にキキちゃんにはできません。愛ちゃんならでは、でした。


宙組公演『神々の土地』『クラシカル ビジュー』初日舞台映像(ロング)

 『神々の土地』、オンデマンドで見ました。
 ウエクミ(上田久美子)先生は、2016年に『金色の砂漠』、2017年に朝夏まなとさんの退団公演『神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜』、そして今年『FLYING SAPA -フライング サパ-』の作・演出をなさったんです。

 私、明日海さんの本質をつきました『金色の砂漠』に感心して、『FLYING SAPA -フライング サパ』を見たのですが、これで一番感心しましたのは、星風まどかちゃんです。
 これまで私、まどかちゃんの演技力に物足りなさを感じていたのですが、『フライング サパ』のミレナ役は、文字通り体当たりの演技で、これで一皮むけ、「アナスタシア」の好演につながったのかなあ、と思ったりします。

 それで、まあ、一つ前の作品も見てみようと、『神々の土地』も見てみたのですが、驚いたのは、大公妃イリナ役の伶美うららさんの美しさと、愛ちゃんラスプーチンの怪演です。
 まどかちゃんは、アナスタシアの姉・オリガ役なんですが、無邪気なままに突っ走って、愛する男を窮地に陥れるという、なんとも微妙な役でした。
 真風さんは、大人っぽく、醒めていて、しかし友情には厚い、というけっこうお得な役です。 

 これがあって『フライング サパ』なのか、ってことで、次回、ちゃんと『フライング サパ』について、語りたいと思います。

 が、ともかく、です。ウエクミ先生が本質を突いて、キキちゃんはジャー、愛ちゃんはラスプーチンなんですよ?
 原作よりのモリアーティだったとすれば、愛ちゃんの方が似合います。

 いったいキキちゃんはどうなるのか、明日からの12月には発表があると思うので、待つしかありません。

コメント (8)
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宝塚キキ沼に落ちて vol10

2020年11月26日 | 宝塚

宝塚キキ沼に落ちて vol9 - 郎女迷々日録 幕末東西

上の続きです。

宝塚歌劇 宙組「アナスタシア」を観劇してきました

 紫鳳あけのさんが、感想を述べておられます。
「2番手の芹香斗亜さん、お歌がすばらしくて、鳥肌が立ちました」
 と、おっしゃっておられます。
 フィナーレナンバーのことも詳しく語っておられ、見たくてたまらなくなるのですが、母が入院しましたので、動くのは無理なんです。

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宙組 宝塚大劇場公演『アナスタシア』千秋楽 ライブ中継・ライブ配信の実施について(追) | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

以下の通り、宙組宝塚大劇場公演『アナスタシア』千秋楽について、ライブ中継・ライブ配信の実施をお知らせいたします。※ライブ中継の上映映画館が決...

宝塚歌劇公式ホームページ

 

 12月14日の宝塚大劇場千秋楽、ライブ配信が決まりましたので、見る予定でいます。しばらくは初日映像を見て、がまんするしかありません。

宙組公演『アナスタシア』初日舞台映像(ロング)

 

 「フライングサパ」はライブ配信で見まして、いろいろと言いたいこともあったりするのですが、円盤を注文しましたので、再見してから、感想を書こうと思います。

 11月24日、宙組に関して、いろいろな発表がありました。

 トップ娘役・星風まどかちゃんのミュージック・サロン、和希そらさん主演のバウホール公演『夢千鳥』。
 まどかちゃんのミュージック・サロンは、あるいは退団か、という予測もありますが、もしもそうだとすれば、真風さんと添い遂げなのかどうかも、気になるところです。そして、退団だったのだとすれば、退団発表の前にミュージック・サロンの発表、というのもおかしなものなのですが、勝手な憶測をしてみました。
 もしも添い遂げ退団だったとしまして、その退団公演は、大劇場は月組さんの後で7月ころ、東京宝塚劇場は9月ころ、と予想できます。このころには、真風さんのディナーショーかなにかも、あるはずです。

 しかし、ですね。コロナの影響だと思うのですが、花組さん、月組さんの100周年式典を、まだしてないんじゃなかったでしょうか。
 で、そのころには、東京オリンピックも行われているはずで、催し物が多そうです。会場の問題があって、早くになったのではないでしょうか。

 2番手のキキちゃんが、このまま宙でトップになるのかどうか、私としましては、もっとも気にかかるところなのですが、真風さんの演目も発表になりました。

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2021年 公演ラインアップ【東京建物 Brillia HALL公演/梅田芸術劇場メインホール公演】<2021年4月~5月・宙組『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』> | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

2021年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【東京建物BrilliaHALL公演/梅田芸術劇場メインホール公演】の上演作品が決定しました...

宝塚歌劇公式ホームページ

 

 「戦時下の情報戦を戦い抜く男たちのドラマ」であるとともに、「20世紀初頭のパリで華開いた“バレエ・リュス”の輝きへのオマージュを散りばめた」なんて、ものすごく魅力的な感じです。

 うーん。ここでキキちゃん主演の公演がないってことは、微妙です。
 まあ、12月になれば、なんらかの発表があると思うので、待つしかありません。

 キキちゃんが出るのか出ないのか、今はまだわかっていない『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』ですが、まどかちゃんはミュージック・サロンですから、真風さんの相手役とはなりません。
 で、ヒロインらしき役は二つ。「バレーダンサーのニーナ」と「艶やかな美女アルマ」です。ニーナ役は潤花ちゃん、アルマ役は遥羽ららちゃんかな、と思うのですが、もしかして、遥羽ららちゃん、この後、花組に行って次期トップ娘役の可能性があるのでは? と、ふと思いました。
 前々回は音くりちゃんかなあ、なんて思いついてみたのですが、花組さんは、ひらめちゃんが抜けて娘役不足。宙組から一人行くのもありかなあ、だったら、ららちゃんトップかなあ、と。
 ららちゃんであれば、相手を選びそうな柚香さんでも似合うかなあ、という気がしただけのことではあるんですけれども。

 ところで、自分の頭の中をまとめたく、少し落ち着きたいとも思いまして、ちょっとロシアのバレエについて、お話ししてみたいと思います。「アナスタシア」、そして『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』と、宙組さん、ロシア・バレエがらみ、ですので。

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バロックの豪奢と明治維新 - 郎女迷々日録 幕末東西

王は踊るアミューズ・ビデオこのアイテムの詳細を見る鹿鳴館と軍楽隊の続き、といいますか、補足かな、という感じです。この「王は踊る」、評判だけは...

バロックの豪奢と明治維新 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上からの引用です。 

 クラシック音楽の歴史は、通常、カトリックの教会音楽にはじまるといわれます。
 宮廷音楽も、もちろんそうなのです。
 戴冠式にも結婚式にも教会はからみますし、教会音楽もそういった儀式を盛り上げます。やがて祝宴の場をも、宗教行事で育まれた音楽が彩るようになっていくのです。
 戴冠式、支配都市への入城式、君主間の外交である結婚式。
 それらの儀礼にともなうパレードと祝宴は、中世からあったわけなのですが、ルネサンスに至って、何日にも渡る大スペクタクルとなります。
 ショー化された騎士たちの馬上武芸試合や、テーマを定めたきらびやかな飾り付けに仮装、歌やダンスの入った芝居、夜空を彩る花火。そしてもちろん、豪華な食事。

 この祝宴スペクタクルが、もっとも洗練されていたのはイタリアで、それはおそらく、イスラム圏との交易による富の蓄積と文化の流入、カトリックの総本山ローマの存在、小国に別れて活発に行われた外交、といったさまざまな要素によるものでしょう。
 ともかく、ルネサンス美術の中心がイタリアであったように、祝宴スペクタクルの本場もイタリアであり、そこから、オペラ、バレー、ダンスが生まれましたし、また料理、ファッションにおいても、最先端の流行を作り出していたのです。
 そのイタリアの最先端の流行を、フランスにもたらしたのは、フィレンツェからフランス王家に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスであり、マリー・ド・メディシスでした。
 そして、ルイ14世にいたり、ついにフランス宮廷は、はるかにイタリアを凌駕し、ルイ14世の宮廷は、ヨーロッパのすべての宮廷の規範になったのです。

 というようなわけで、17世紀から18世紀にかけて、バレエはフランスにおいて、オペラから離れて舞台芸術として確立するのですが、やがてフランス革命。もともとは宮廷に発したバレエは、しかし19世紀にいたって、ブルジョアジー、市民の娯楽となり、ロマン主義のもと、白いチュチュを着て、つま先立ちで、妖精のように軽やかに舞う、現在のバレエの原型、ロマンティック・バレエが生まれました。現在でも踊られているその代表作は、「ジゼル」です。

 しかし、その後、明治維新の前後ですが、フランスでは、バレー・ダンサーの地位が低かったことも手伝い、ほとんどバレエが上演されなくなります。
 代わって、バレエの本場となったのが、ロシアです。

 ロシアでは、イタリア、フランスからバレエが伝わり、帝室の保護のもと、バレエ学校や劇場が運営されていました。
 やがて19世紀後半ころから、ロマンティック・バレエが独自の発展を遂げ、クラシック・バレエとなっていきます。
 「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」という、現代でも踊り継がれている名作は、19世紀末に、ロシアで生まれたものです。
 このように、クラシック・バレエは、ロシア帝室と深いつながりを持っていましたので、皇族の結婚式や戴冠式で上演され、最後の皇帝ニコライ2世の戴冠式にでも、「白鳥の湖」などが上演されました。

 やがてロシアでは、このクラシック・バレエの世界に満足できない表現者が出てきまして、セルゲイ・ディアギレフは、そういった表現意欲を吸収して、アンナ・パヴロワ、ヴァーツラフ・ニジンスキーなどのバレリーナを率い、パリへ進出します。そのまま、常設のバレエ・リュスが結成され、革新的なモダン・バレエ、斬新な舞台芸術を、世界規模で展開していくことともなってゆきます。

 最後に映画のご紹介を。映像がきれいです。

 映画『マチルダ 禁断の恋』予告

 3年前のロシア映画ですが、主人公のマチルダ・クシェシンスカヤは実在の人物をモデルにしています。
 ニコライ2世の愛人だった人物ですが、黒海経由で革命から逃げ延び、長寿を保って自伝を残しました。

 次回は、「フライングサパ」の感想を書きたいな、と思っています。 

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宝塚キキ沼に落ちて vol9

2020年11月20日 | 宝塚

宝塚キキ沼に落ちて vol8 - 郎女迷々日録 幕末東西

 上の続きです。

【宝塚歌劇】宙組「アナスタシア」歌唱フル動画【三井住友カード公式】

 キキちゃんは、ボルシェヴィキの将官・グレブという役で、歌っているのは「The Neva Flows」。

 いったい、なんなんでしょうか。
 私にとってキキちゃんの歌声は、世界の歌姫、ターヤ・トゥルネンやSU-METALと同じ心地よさなんです。
 私、声楽については、まるっきりなにもわかっていませんので、まちがっているかもしれないのですが、ヴィブラートが少なめ、というのは、もしかして、共通項かもしれません。
 SU-METALがノンヴィブラートの奇跡のストレートボイス、とはよく言われますが、ターヤ・トゥルネンはオペラ歌手でしたので、初期のころはヴィブラートが相当強くかかっていたんです。しかし、シンフォニック・メタルのボーカルとなってしばらくして、唱法をかえたみたいで、ストレートに近い、よく通る声で歌うようになりました。
 キキちゃんももちろん、ヴィブラートがかからない、というわけではないんですけれども、少なめ、と思います。

 ところで、ボルシェヴィキの将官・グレブって、どういう役なんだろう、と、少し調べてみました。

ミュージカル『アナスタシア』日本初演公演スペシャルプロモーションビデオ

 そもそも『アナスタシア』は、同名のアニメをもとに、2017年、ブロードウェイでミュージカル化され、今年の春に日本上陸。先に外部公演が行われていたのですが、コロナのために、東京公演が半分も上演できず、大阪公演は全面中止になりました。
 今回の宝塚公演、最後まで無事に上演できますことを、心より祈っています。

Anastasia (1997) - Once upon a December [4K] Sub.

 このアニメ、楽曲が美しく、「once upon a december」にのせて蘇るロマノフ家の舞踏会の場面は、なんとも郷愁をそそります。ミュージカル版も、ほとんどそのまま、舞台に再現しているようです。

Once upon a December (Anastasia)

 アニメとミュージカルの最大のちがいは、アニメでロマノフ家を滅ぼし、アナスタシアを追い詰めたのが、ファンタジーらしく魔法使いラスプーチンの呪いだったのに対し、ミュージカルでは事実によせて、ボルシェヴィキにしていることなんですね。

 ですから、キキちゃん演じるグレブは、ミュージカルのオリジナル・キャラクターで、歌もオリジナル、ということになるんですが、初演のブロードウェイにおいては、このグレブ役を、実力があって人気の高い、ラミン・カリムルーが務めています。「オペラ座の怪人」の主演で、名を売った方なんだそうです。

Anastasia Original Broadway Cast Recording — "The Neva Flows" — Lyrics

 ファンタジー要素をたっぷりと残しながら、悪役のみ悪魔の呪いからボルシェヴィキに変えていて、グレブはその象徴として作られた役ですから、これは、相当に難しいと思うんですね。

 そもそもアニメ版は、映画「追想」にヒントを得てできあがったそうなのですが、「追想」は、かなり事実に即した設定になっています。

ngrid Bergman - Anastasia / イングリッド・バーグマン ‐ 追想 1956

 イングリッドバーグマンのアナスタシアがのぞきこんでいるのは、ペテルスブルグのネヴァ河ではありません。パリのセーヌ河です。
 パリの白系ロシア人コミュニティに属する男たちが、記憶喪失のアンナをアナスタシアに仕立て、革命で惨殺された皇帝がイングランド銀行に預けていた信託金を得ようとします。
 そのためには、デンマークに住むマリア皇太后(マリア・フョードロヴナ)に認めてもらうしかなく、一行はパリからコペンハーゲンへと向かいます。紆余曲折の末、アンナはアナスタシアであると、祖母の皇太后に認めてもらえるのですが、男たちの中心だったボーニン将軍(ユル・ブリンナー)と恋に落ち、皇太后の黙認のもと、二人は姿を消します。
 この最後がなんともあっけなく、補ってアニメができたのは、納得がいきます。

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尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.5 - 郎女迷々日録 幕末東西

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.4の続きです。尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.3で書きましたけれども...

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.5 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上に書いていますが、アレクサンドル3世の皇后で、ニコライ2世の母親でした皇太后マリア・フョードロヴナは、イギリスのアレクサンドラ王太后(エドワード七世妃、ジョージ5世母)の妹で、デンマークの王女です。
 したがいまして、イギリスのジョージ5世とロシアのニコライ2世は、母方の従兄弟で、よく似ていました。

 ロシア革命は、第1次世界大戦の最中に起こりました。
 鉄道網の後進性から、兵士の動員が思うにまかせず、初戦でドイツ・オーストリア軍に大敗し、膨大な死傷者を出し、都市部において、極度の食糧物資不足に見舞われます。
 それこそが革命の主要因だったと、私は思います。

 ニコライ2世退位後、最初に権力を握ったケレンスキーの臨時政府で、ニコライ2世一家のイギリス亡命話が持ち上がるのですが、大使の打診に、イギリス政府の回答は拒否でした。これは、ロイド・ジョージ首相の意向であるとも伝えられていたのですが、実は現在、そっくりの従弟ジョージ5世が拒否したのだと、はっきりわかっております。
 未曾有の総力戦で、イギリス国内にも反王室気運が強くなっていまして、専制君主として、イギリスではあまり評判の芳しくありませんでしたニコライ2世を身内として迎えますことに、ジョージ5世が多大な危惧を持った結果のようです。

 しかし、アレクサンドラ王太后は、妹の救出に必死でした。
 第一次世界大戦の終わりました1919年、ジョージ5世も母の願いを入れて軍艦を派遣し、マリア・フョードロヴナは説得されてロシアを脱出し、最初はイギリス、そして最終的には故国デンマークに亡命することになります。

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尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.7 - 郎女迷々日録 幕末東西

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.6の続きです。お話を、尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.4で書きました...

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.7 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 ロシア革命の亡命者は、全部あわせますと百万をはるかに超えます。

 「尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.5で」書きました皇太后マリア・フョードロヴナのように黒海経由、ペテルスブルグ生まれの日本学者セルゲイ・エリセーエフがたどったフィンランド経由が、主なヨーロッパ・ルートでして、この場合は、大方、最終目的地がフランスです。
 なにしろ、貴族やインテリ層のロシア人は、フランス語が自国語のように話せました。

 とはいいますものの、子供のころ、一家で黒海経由、パリに亡命し、フランスの小説家となりましたアンリ・トロワイヤの祖母はコーカサス生まれで、チェルケス語を母語とし、フランス語どころかロシア語もろくに話さなかったのだそうです。

 「ドクトル・ジバゴ」のラーラは、コマロフスキーと極東へ行き、極東共和国の終焉とともにコマロフスキーはモンゴルへ逃れ、映画では、ラーラは幼い娘(ユーリの子)とモンゴルではぐれたことになっています。
 モンゴルというのは、現在の内モンゴル、中東鉄路(東清鉄道)が通っています満州里なども含みますし、シベリアの農民やコサック、ブリヤートなどが、村ごと集団で亡命したケースが多かったでしょう。ボルシェビキはあらゆる宗教を弾圧しましたから、信仰のためにそうしたケースもけっこうあります。

 個人ルートとしましては、コルチャーク政権の崩壊前後、そして、日本軍がシベリアから撤退し、極東共和国が崩壊しました1922年を中心としまして、主には、シベリア鉄道から中東鉄路を乗り継ぎ、鉄道付属地で、ロシア人の自治が行われていましたハルビンへ行くか、そこからさらに、天津や上海など中華民国の租界へ行くケースと、ウラジオストク経由船便、あるいは鉄道で朝鮮や日本の港に渡り、さらに上海やアメリカに渡るケースが多かったのではないでしょうか。

 ボルシェヴィキの冷酷な圧政の中、多くのロシア人が祖国を離れ、他国でコミュニティを築きました。

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尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.2 - 郎女迷々日録 幕末東西

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.1の続きです。メイエルの娘、エラ・リューリ・ウイスエル(Ella.Lury.Wiswel...

尼港事件とwikiと『ニコラエフスクの破壊』vol.2 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 革命前夜のロシアには、産業の拡大により、サッバ・モロゾフ、サッバ・マンモートフなどの大富豪が生まれておりましたが、ロシア帝国は彼らを、体制側に取り込むことができないでおりました。

 サッバ・モロゾフの祖父は農奴で、自分と家族の自由を買い取った上で、事業の基礎を築き、次の代で繊維、工作機械、製造業などの連合企業体経営で億万長者となり、サッバはそれを受け継ぎました。
 一方、サッバ・マンモートフは父親が徴税代理人で、鉄道事業を手がけて富を築き、息子のサッバがそれを拡張しました。
 そのモロゾフもマンモートフも、ボリシェビキやメンシェビキ、社会革命党など、反政府勢力に莫大な資金援助をして、その活動をささえていたんです。彼らはまた、多数の芸術家たちのパトロンでもあり、マンモートフはモスクワ芸術座の財政を賄ったことで有名です。
 
 新興ブルジョワジーの富は、変革への期待を育み、新しいロシアの文化を大きく花開かせたわけです。チェーホフやゴーリキーの脚本による演劇。リムスキー=コルサコフなどの音楽。ニジンスキーなどのバレエ。

 またこの当時、ベルエポックの華やかなパリとペテルブルクは、豪華寝台車で結ばれ、富裕な人々や芸術家たちは、気軽に行き来してもおりました。
 アメリカのダンサー、イサドラ・ダンカンは、ヨーロッパ公演の一環でロシアを訪れ、血の日曜日事件で虐殺された人々の葬儀を目撃しています。
 そして、血の日曜日事件のよく年からは、ディアギレフを中心として、ロシア美術や音楽、そしてバレエのパリ進出が実現し、世界的に認められることともなりました。

 あまり知られていませんが、ロシアやその周辺国からの亡命芸術家たちの中には、日本や、日本の支配下になった満州に住み着いた人々もいました。
 バレリーナのエリアナ・パブロバ、ヴァイオリニストの小野アンナ、指揮者のエマヌエル・メッテルなど、彼、彼女たちが、日本の西洋音楽やバレエの発展に果たした役割は、はかりしれません。

 まあ、ですね。
 結局のところ、ありえないことなのですけれども、ペトログラードの宮殿がボルシェヴィキに襲われ、アナスタシアは逃げ延び、皇太后はパリにいて、ロシアのクラシックバレーの美しい幻影がロシアとパリを結びつける、といった、ミュージカルのファンタジー性は、ちゃんとリアリティを持った幻影となっている気がします。

 で、革命の象徴としてのグレブ、ですよね。
 悪魔は悪魔かもしれませんけれども、ボルシェヴィキの中の人も人間ですから、それがこの役の難しいところかなあと、思ったりします。

 ところが、です。
 この難しい役を真剣に演じながら、キキちゃんは一方で、日替わりアドリブを入れて笑いをとろうとしているとか、信じられません!
 本日(11月19日)は、望海さん、真彩ちゃん、彩風さんをはじめ、雪組さんが観劇なさったそうで、キキちゃんは、片手で顔半分を隠し、「ファントム」のYou are musicをやっていたとか……。
 見たかった!!! 

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