トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

優秀な学生

2016-07-29 21:10:26 | 世相(日本)
 前回はトルコクーデター未遂事件について書いたが、この関連で2013年9月にトルコで刺殺された女子大生・栗原舞さんのことを思い出した。トルコ女子大学生死傷事件からもう3年も過ぎていたのだ。栗原さんは宮城県・名取市出身で、22歳の若さで他界したのは痛ましい限り。 地元紙・河北新報は彼女のことを、国際的なサークル活動にも参加している優秀な学生、と報じていた。私の友人の息子が中学生の時、クラスメートだっ . . . 本文を読む
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トルコのクーデター未遂事件に思うこと その二

2016-07-24 21:40:06 | 世相(外国)
その一の続き 1960年の春、「自由を我らに!」の叫び声がイスタンブルやアンカラの大学生から始まり、知識人層や都市生活者がこれに加わり、次第に「打倒メンデレス!」の叫び声に変った。ちなみに60年代半ばのトルコの大学生の数は5万人未満に過ぎず(※総人口は約3千万人)、文字通りのエリート。それでも義務教育の普及により、中近東では文盲率50%を割る唯一の国がトルコだった。 激化するデモに対し、メンデレス . . . 本文を読む
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トルコのクーデター未遂事件に思うこと その一

2016-07-23 21:10:26 | 世相(外国)
 親日国のイメージだけが独り歩きしているトルコだが、7月16日に終結したクーデター未遂事件には心底驚いた日本人も多かっただろう。軍によるクーデターが度々起きる国としてタイは有名だが、実はトルコでも1960年、71年、80年と過去3回、クーデターで軍が権力を奪取している。周辺アラブ諸国よりは民主的でも、強権的な指導者や軍部の介入という点ではトルコも同じなのだ。  71年は「3月12日書簡によるクー . . . 本文を読む
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役に立つ愚か者 その二

2016-07-17 21:40:15 | 世相(日本)
その一の続き レーニンの「役に立つ愚か者」は、内容よりも発言自体を日本の知識人が知っていたかどうか、私には気になった。知らなかったならば無知なインテリで済むが、そうでなかったとすれば、必ずしも愚か者とは限らない。案外ロシア革命史やソ連専門家は知っていても、あえて無視したのではないか…と私は想像している。 というのも、昨年10月に「スポンジ頭」さんから頂いたコメントで、邦訳されたテーヌの「近代フラン . . . 本文を読む
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役に立つ愚か者 その一

2016-07-16 21:10:06 | 歴史諸随想
 現代は違うかもしれないが、80年代までの日本の知識人の間には革命へ強い憧憬を持つ者が多かった。殊に戦後日本の言論界を支配していた進歩的文化人にはその類が大半だったのだ。初版が1981年9月の『イスラムからの発想』(大島直政著、講談社現代新書629)には、彼らに対する手厳しい批判があり、以下の文章だけで言論界の主だった文化人がいかに進歩的に程遠かったのかが知れよう。 ―この種の人々は、すぐ「革命 . . . 本文を読む
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参院選について想うこと

2016-07-11 21:40:12 | 仙台/宮城
 昨日の第24回参院選は与党の勝利で終わった。今日の河北新報第1面の見出しは、「自公勝利、改選過半数上回る」だった。しかし、東北では「与党惨敗1議席」状態、宮城県は民進党の現職・桜井充が自民党の熊谷大候補を4万票以上の大差(※開票率98%時点)で、4選を果たした。 予想はしていたが、結果はやはり桜井の勝利だった。全国的には与党勝利ではあるものの、地元を含め東北では自民が軒並み落選したことや民進党が . . . 本文を読む
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1人の生命は地球より重い その二

2016-07-08 21:10:06 | 世相(外国)
その一の続き イスラム主義者によるテロ事件が起きると、必ずイスラム及びムスリムを擁護する意見がメディアやネットに溢れるが、毎度ながらの決まり文句の連発なのだ。やれ一部の信者によるものだ、あれはイスラムなんかじゃない、一般のムスリムは平和を愛している、偏見だ等々… そして日本人にはオウム真理教を、米国人に対してはオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件を挙げ、狂信者によるテロは何処の国でもある、といった . . . 本文を読む
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1人の生命は地球より重い その一

2016-07-07 21:10:21 | 世相(日本)
 先ず、今月初めに起きたダッカ・レストラン襲撃テロ事件の犠牲者の方々に哀悼の意を表したい。この事件で惨殺された日本人は7人(男性5人、女性2)にもなったが、最も犠牲者の多かったのはイタリア人だった。こちらは男性4人に対し女性は5人、犠牲者では女性の方が上回っている。また唯一のインド人犠牲者も女性で、カリフォルニア大バークレーで学んでいた19歳の女子学生だったという。 この惨劇の直前、1977年9月 . . . 本文を読む
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黄金のファラオと大ピラミッド展

2016-07-03 20:40:23 | 展示会鑑賞
 先月末、仙台市博物館の特別展「黄金のファラオと大ピラミッド展」を見てきた。古代エジプ特別展は過去に何度も開催されているが、毎回見飽きるということがない。その公式サイトもあるが、チラシ裏では特別展をこう紹介している。「エジプトの巨大なピラミッド群は、約4500年前のエジプト古王国時代のファラオたちによって建造されたもので、その美しい姿はいつの時代も人々を魅了してきました。謎に包まれたピラミッドとフ . . . 本文を読む
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わたしのマーガレット展 その二

2016-06-29 21:40:20 | 漫画
その一の続き 会場の入口には'60年代作品の原画が飾られており、わたなべまさこの『ガラスの城』もあった。1歳年上の従姉から紹介されて知った作品だが、少女漫画らしからぬダークなストーリーが良かった。70年代初めまでは私の近所に貸本漫画屋があり、ここで色々な漫画を借りて見たものだった。wikiで見たら、何とわたなべまさこは1929年生まれ、未だに健在らしい。 スポ根漫画の金字塔『アタックNo.1』もマ . . . 本文を読む
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わたしのマーガレット展 その一

2016-06-28 22:10:06 | 漫画
 先日、せんだいメディアテークの特別展「わたしのマーガレット展」を見てきた。入場は無料だったが、期間は6月18日~6月21日までという僅か4日間の強行軍イベント。せんだいメディアテークのHPでの特別展紹介はこうあった。「主催者から一言!少女まんが誌「マーガレット」「別冊マーガレット」の創刊50周年を記念した複製原画による展覧会です」  集英社の公式サイトにも「わたしのマーガレット展」があり、これ . . . 本文を読む
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ドイツ文学者宅の実情 その六

2016-06-23 21:40:07 | 世相(日本)
その一、その二、その三、その四、その五の続き 最近はどの大学でも、外国語文学研究は学生に不人気となっているが、とりわけドイツ文学科の凋落ぶりが目立つらしい。時代の変化もあり、「ドイツ文学者の家 16」でシオリさんはこう書いていた。「だいたいドイツ文学者というものは、時代にでっち上げられた偶像でしかありまぜん。「ドイツ文学者認定協会」に申請して要件を満たして認定されたのがドイツ文学者というわけじゃな . . . 本文を読む
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ドイツ文学者宅の実情 その五

2016-06-22 21:10:08 | 世相(日本)
その一、その二、その三、その四の続き シオリさん一家はドイツで暮らしたこともあり、その体験を描いた「ドイツ文学者の家 12」は実に興味深かった。ドイツ文学者なのだから、父はドイツ語がさぞ流暢に話せると思いきや、意外に現地では通じないこともしばしばだったそうな。つまり、大学の独文科で習ったドイツ語が通じなかったのだ。 例えば12を独文科では「ツエルブ」と教わるが、現地では「ツバイツェーン」と言わない . . . 本文を読む
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ドイツ文学者宅の実情 その四

2016-06-21 21:10:03 | 世相(日本)
その一、その二、その三の続き 中学の時、トロッケンベーレンアウセレーゼさんは友人と吉祥寺ロンロンの服屋に行ったことがあり、それがドイツ文学者の父にばれて、ひどく怒られたという。友人に誘われて行ったそうたが、「本を読まんようなヤツとは付き合う必要は無いっ」「ああいう連中とは付き合うな。イヤならここから出て行け」と父親に言われ、友達と絶縁を迫られたそうだ。 その後、友達が家を訪れ一緒にロンロンに行こう . . . 本文を読む
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ドイツ文学者宅の実情 その三

2016-06-18 21:40:33 | 世相(日本)
その一、その二の続き トロッケンベーレンアウセレーゼさんからの5月9日付のコメントで、最も驚いたのが他のドイツ文学者宅の実情を書いた文末の箇所だった。「池内さんちの息子さんは学者という枠の中でお父さんと学者としてバトルし張り合っている…ぽいですね。ちゃんと本郷出てそして学者している…。池内さんちの息子さんはイスラムしているみたいですが、ほかに心理学っている子も居るみたいです。 しかし学者の枠から外 . . . 本文を読む
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