トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

アンコール・ワットへのみち 展

2016-09-22 20:40:04 | 展示会鑑賞
 東北歴史博物館の特別展「アンコール・ワットへのみち」を先日見てきた。とても見応えのある特別展だったし、博物館のHPではこう紹介されている。 「9~15世紀にかけて,現在のカンボジアを中心に強大な勢力を誇ったアンコール王朝は、東南アジア史上に燦然と輝く世界遺産アンコールワットに代表される豪壮華麗なヒンドゥー教、仏教の石造美術を各地に残しました。その神秘的な造形は、世界各地から訪れる多くの人々の心 . . . 本文を読む
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親の顔が見たい その②

2016-09-17 21:10:17 | マスコミ、ネット
その①の続き 9月に入り、河北新報でもようやく貧困女子高生騒動を記事にしたが、彼女が映画や観劇チケット、ランチなどで派手に散財していたことには一切触れず、記事には貧困のために進学を断念とだけ記載されていた。これだけでは記事を見た人は、ТVに出演した純真な女子高生を心無いネットユーザーが叩いている印象しか受けない。進学先を何処と書かなかった点からも、端から印象操作とネット叩きが目的の記事なのだ。 そ . . . 本文を読む
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親の顔が見たい その①

2016-09-16 22:10:58 | マスコミ、ネット
 8月半ばの特集で、「子どもの貧困」を取り上げた「NHKニュース7」。ネットでは大炎上となり、番組に出演した女子高生の正体を暴き立てるサイトが乱立する有様となった。9月になって河北新報でもこの騒動を2度に亘り紙面に取り上げ、いずれもNHK特集を全面擁護する内容だった。 実は私は件の「NHKニュース7」の特集は見ていない。新聞の番組欄でこの特集があるのは知っていたが、子供の6人に1人が貧困状態にある . . . 本文を読む
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僕の違和感 その④

2016-09-11 22:11:13 | 読書/小説
その①、その②、その③の続き 単一民族の国を標榜、折に触れ強調するトルコだが、実態は国のスローガンとは裏腹の多民族・多宗教国家である。オスマン帝国時代からイスタンブルには多数のキリスト教徒が暮らしていたが、既にこの帝都でも19世紀末、アルメニア人を含めキリスト教徒への虐殺が起きている。 アルメニア人虐殺といえば第一次世界大戦時のそれが有名だが、第二次世界大戦中にも小規模ながらイスタンブルのキリスト . . . 本文を読む
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僕の違和感 その③

2016-09-10 21:40:05 | 読書/小説
その①、その②の続き 日本とは国情がまるで違うトルコ。イスタンブルのような大都市でも、小説にみる風習に違和感を覚えた日本人読者も少なくなかっただろう。私が最も驚いたのが、イスタンブルにおける“盗電”。文字通り、電力会社に電気代を支払わずに勝手に電力を盗んで使用する行為を指し、イスタンブルのゲジェコンドゥ(一夜建て)では盗電が広く行われているそうだ。 公有地や私有地に不法に建 . . . 本文を読む
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僕の違和感 その②

2016-09-07 21:40:03 | 読書/小説
その①の続き『僕の違和感』で最も重要となるのは、メヴルトの駆け落ちなのだ。冒頭でこの場面が描かれており、その後は時間をさかのぼる形で物語は進行していく。小説ではメヴルトの他に、彼の親友や次女までもが駆け落ち婚をしている。 駆け落ちというと、日本では何処かロマンティックな印象もあるが、翻訳者の宮下遼氏はあとがきで、農村的風習の最たるものだと述べている。氏は混乱を避けるため、本文では「駆け落ち」とした . . . 本文を読む
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僕の違和感 その①

2016-09-06 21:10:17 | 読書/小説
 トルコのノーベル文学賞受賞作家オルハン・パムクの新作長編『僕の違和感』(早川書房)を先日読了した。前作『無垢の博物館』と同じくイスタンブルが舞台の小説だが、登場人物や背景は全く違う。生まれも育ちもイスタンブルの富裕層が主人公の前作に対し、新作の主人公メヴルトは中央アナトリア地方のコンヤ県ベイシェヒル郡寒村からの出稼ぎ者。『僕の違和感』は1960年代から21世紀までの半世紀に亘って描かれており、2 . . . 本文を読む
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戦場に行った欧米の女たち その②

2016-08-31 21:40:05 | 歴史諸随想
その①の続き 尤もカタリナ・デ・エラウソは“男装の麗人”とは言えない面もあり、目撃者は彼女の容姿をこう書いている。「彼女は背が高く、筋骨隆々の肉体と子供のように小さい胸をもっていた。カタリナは醜くはないがかなり老けこんでおり、女というより宦官のように見えた…」 異端審問の激しさで悪名高いスペインだが、男装はお咎めなしだったのか?15世紀のジャンヌ・ダルクは男装 . . . 本文を読む
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戦場に行った欧米の女たち その①

2016-08-30 21:40:04 | 歴史諸随想
 女性の兵士はもちろん将校も珍しくなく、将軍さえ登場している現代だが、一昔前なら戦場に行く女は従軍看護婦くらいと思われていた。しかし、近代式の従軍看護婦が誕生する以前から欧州には女性兵士がいたことを、今年になって初めて知った。2月24日付のスポンジ頭さんからのコメントタイトルはズバリ「ナポレオン軍の女性兵士」、以下はそのコメント文。 「オスカルは男装した女性軍人ですが、ナポレオン軍にも女性兵士が . . . 本文を読む
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村上海賊の娘 その②

2016-08-24 21:40:10 | 読書/小説
その①の続き 第一次木津川口の戦いで村上海賊が、焙烙玉なる兵器を使っていたことをこの小説で初めて知った。現代の手榴弾の先駆け的な兵器で、敵方の船舶に投げ込むと爆発する。着弾して直ちに爆発するのではないが、木造船には絶大な効果があったのは想像に難くない。当然この焙烙玉を投げ込まれ、泉州海賊たちはパニックに陥る。 面白いことに焙烙玉を使用していたのは村上海賊だけで、乱世の先進地であり堺の豪商と接してい . . . 本文を読む
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村上海賊の娘 その①

2016-08-23 21:10:09 | 読書/小説
 2014年本屋大賞を受賞したベストセラー歴史小説『村上海賊の娘』(和田竜著、新潮社)を、少し遅ればせながら先日読んだ。河北新報にもこの小説の広告が大きく載ったし、その中の「何これ、面白いんですが」という文句は決して誇大宣伝ではなかった。上下巻合わせて千頁ちかい長編だが、ネットでは一気に読めたという書評が多かった。  小説を読むまで私は、この主人公は架空の人物だろうと思っていた。だが、村上海賊の長 . . . 本文を読む
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反米偏差値80点の女 その③

2016-08-17 21:40:04 | 世相(日本)
その①、その②の続き イスラム政治思想が専門の池内氏による先のコラムは、安易な欧米擁護論では決してない。「イスラームとの私的な闘争」という他のコラムの副題は「新・西洋中心主義?」となっており、西洋近代の先進性を再確認し、普遍性と優越性を再確認する欧米知識人の動きを紹介している。 但し、池内氏の指摘した日本人の漠然とした「欧米」なる存在への反感、根強い非差別感情は考えさせられる。事件はそれをまざまざ . . . 本文を読む
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反米偏差値80点の女 その②

2016-08-16 21:40:26 | 世相(日本)
その①の続き 続けて池内恵氏は、シャルリー・エブド紙襲撃事件における既存のメディアやネットでの動きをこう分析しており、少し長文だが引用したい。 「それ(反西欧感情)はテレビのような公共のメディアさえもしばしば見られたが、なんら抑制の無いソーシャル・メディアでは極めて放恣に表出された。 テレビ各局の報道記者やコメンテーターは「テロは許せない」とのお題目を一応は唱えながらも、その次の瞬間から、殺害さ . . . 本文を読む
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反米偏差値80点の女 その①

2016-08-15 21:10:20 | 世相(日本)
 終戦記念日ということで今日は、こぞってメディアが戦争関連特集を組むのが恒例行事となって久しい。終戦時の焼野原と化した日本全土を映しただけでも、普段は政治や歴史に全く無関心な若者さえ、否応なしに米国への反発が湧いてきても不思議はない。 私自身、米国を非難する記事を幾つか書いているが、反米度はそれほど強くないと思っていた。しかし、昨年3月6日付で motton さんから頂いたコメントには、こんな一文 . . . 本文を読む
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ある親馬鹿の話

2016-08-13 20:40:15 | 私的関連
 お盆の季節には、故人を思い出したり、偲んだりすることが多いと云われる。5月7日付の記事で、親の財産をほぼ独り占めした母方の伯父と、その弟妹(私には叔父叔母)たちとの対立について触れたことがある。この伯父も既に物故者となっているので、再び伯父のことを書いてみたい。  母方の財産相続で一番もめた原因は、伯父が弟妹に全く相談せず勝手に土地や家を売ってしまったこと。売った後で電話連絡し、着物や家具など . . . 本文を読む
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