本日、参議院議員会館において
◆◆緊急! イージス艦事故でも国民の生命軽視判明~「押しかけ参戦」する自
衛隊を恒久法で解き放つな! 「文民統制違反」抗議集会◆◆
を開催しました。
イージス艦事故の防衛相の対応に対しても、大きな問題があることから、緊急の集会になりましたが、大勢の方に集まっていただきました。
まずは、これまでの経過から報告しました。
昨年8月の佐藤正久氏の「押しかけ参戦(駆けつけ警護)」発言によって、自衛隊が海外でいつ戦闘にあえて巻き込まれていくかわからないような危険な状態にあることが明らかになり、この発言に対して、市民・弁護士有志で、公開質問状を佐藤氏、小泉元総理大臣に質問状を、安倍晋三(当時)総理大臣に佐藤氏の議員辞職勧告の要望書を提出しました。しかしながら、この質問状等に対して回答はありませんでした(小泉氏は質問状の受け取りを拒否しました)。
その後、テロ特措法の期限切れに伴い、その法に従うことが法治国家のあり方であるにもかかわらず、これに反する発言が自衛隊の責任ある立場の者からなされていました。
一方、10月5日の国会の代表質問で福島瑞穂議員が行った、この駆けつけ警護問題についての質問に、福田首相はこれが法で認められていない行為であることを明言しました(下記)。
・・・・・・・・・・・・・・・記・・・・・・・・・・・・・・・・・
○内閣総理大臣(福田康夫君) 福島議員にお答えを申し上げます。
初代イラク復興支援隊長の駆け付け警護に関する発言についてのお尋ねが
ございました。
イラク特措法に基づく人道復興支援活動を行う自衛隊の部隊には、いわゆる
駆け付け警護、すなわち自衛隊部隊の活動している場所から遠く離れた場所
にまで駆け付け、攻撃を受けている他国の軍隊等を救援するために武器を使用
することは現行法上認められていないところでございます。御指摘の発言の真意
は承知しておりませんが、自衛隊の部隊が法令を遵守して活動すべきことは当然
のことであります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
にもかかわらず、佐藤氏自身は発言についての訂正も、回答もないままです。
したがって、「押しかけ参戦」の発想は自衛隊内部で何ら修正されることもなく生き続けているとしか判断できません。
他方、今回のイージス艦と漁船の事故で明らかになったように、自衛隊、防衛省内部では、情報隠し、証拠隠滅と受け取られてもやむを得ないような、事故後の対応がどんどんと明るみに出てきました。
事故車の運転手ともいえる航海長を、捜査にあたっている海上保安庁の許可もなく防衛相が自ら呼んで話しを聞いたというのです。
少年事件などで、加害少年等が事故後に集まって口裏を合わせることを「バックレ会議」といいますが、まさに、大臣同席の「バックレ会議」とも思われるようなことが、平然と行われるこの体質は、内部のことは国民には知らせずに、国民を軽視する体質そのものです。石破防衛相は、辞任はしないといっていますが、この感覚が問題ないと思っていた石破防衛相に今後、自衛隊の改善が図れるはずはありません。
このような状態を前提にしたときに、自衛隊派遣の恒久法をつくるという動きが、どれほど恐ろしいことかを考えなければなりません。
自民党・公明党は、自衛隊の海外派遣を随時可能にするための恒久法を今国会
期中にも提案すると報道されています。そして、その恒久法では、自衛隊の海外
活動に治安維持任務を加え、攻撃を受けた他国軍のもとに赴いて武器で応戦する
「駆けつけ警護」(押しかけ参戦)を容認する方針だといいます。
戦前、軍が暴走し、未曾有の戦禍を招いたことを、自衛隊幹部及び自衛隊を民主
的にコントロールすべき与党は忘れてしまったのでしょうか。
自衛隊が国民を守るのではなく、自らの威信を守ることを優先することは、イー
ジス艦あたごの事故からも明白です。
そのような自衛隊の文民統制(シビリアンコントロール)違反を追認するような恒久法を制定させるわけにはいきません。
これまでに明らかになった最近の文民統制違反
●昨年8月10日の佐藤正久氏の「駆けつけ警護」発言
●昨年10月、海上自衛隊の米補給艦への給油量を隠蔽して報告していたことが
発覚
●昨年11月、給油派遣部隊指揮官の尾島義貴・1等海佐は撤収の際、「我々の
船は我が国の評価を高める成果を残してきたが、これから先は輝く航跡を残すこ
とができなくなった。」と隊員に呼びかけた。
●給油派遣隊司令の佐伯1海佐が出発の挨拶の中で「活動を憲法違反と言われ、
一国民としても悔しかった、我々にも意地がある。」と発言
<毎日新聞から>
イージス艦事故:航海長聴取は石破防衛相の意向で自室に
海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、石破茂防衛相らが海上保安庁に無断で航海長の聴取をしていた問題で、石破氏は28日の参院外交防衛委員会で、大臣室での再聴取は自身の意向だったことを明かした。捜査妨害とも取られかねない聴取が防衛相自らの意思だったことで、石破氏の責任追及はさらに強まりそうだ。
石破氏は25日の衆院予算委員会で「捜査の厳正性のため、乗員に接触していない」と答弁していたが、28日の参院外防委では「話を聞いていたと言うべきだった」と前言を撤回したが、「隠すつもりはなかった」と虚偽発言は否定した。航海長の聴取については「許可を得ていると思った」「(海上幕僚監部に)呼べという指示は出していない。事前に教えてもらいたかった」と述べた。
しかし、海幕で聴取していることを知り「ならば私も聴くと指示した」と大臣室での再聴取が自らの意向だったことを認めた。防衛省の増田好平事務次官も28日の会見で「(大臣が)自らも状況把握することが必要と判断した」と説明した。
石破氏は「(海幕に)呼べという指示は出していないが、呼ぶこと自体は不適切だと思わない」と述べた。
さらに、航海長だけではなく、別のヘリコプターで神奈川・横須賀基地に移送したけが人についても、海保が電話連絡を受けていないことが分かった。
また、増田氏は27日の会見では大臣室での再聴取内容について「正式な議事録は取っていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べていたが、28日の会見では「事務方が記録を取っていた。メモを作成して(19日)夕方には海上保安庁にファクスで送った。(私も)目を通した」と証言を翻した。
無断聴取問題は、事故当日の19日午前10時ごろ、救助活動でけがをした乗組員を横須賀基地へ、前任の当直士官だった航海長を海幕
にヘリで移送したが、海保の了解を得ていない疑いが強い。海幕での聴取後、石破氏ら幹部10人が大臣室で再聴取している。【本多健、田所柳子、加藤隆寛】
毎日新聞 2008年2月28日 22時16分
◆◆緊急! イージス艦事故でも国民の生命軽視判明~「押しかけ参戦」する自
衛隊を恒久法で解き放つな! 「文民統制違反」抗議集会◆◆
を開催しました。
イージス艦事故の防衛相の対応に対しても、大きな問題があることから、緊急の集会になりましたが、大勢の方に集まっていただきました。
まずは、これまでの経過から報告しました。
昨年8月の佐藤正久氏の「押しかけ参戦(駆けつけ警護)」発言によって、自衛隊が海外でいつ戦闘にあえて巻き込まれていくかわからないような危険な状態にあることが明らかになり、この発言に対して、市民・弁護士有志で、公開質問状を佐藤氏、小泉元総理大臣に質問状を、安倍晋三(当時)総理大臣に佐藤氏の議員辞職勧告の要望書を提出しました。しかしながら、この質問状等に対して回答はありませんでした(小泉氏は質問状の受け取りを拒否しました)。
その後、テロ特措法の期限切れに伴い、その法に従うことが法治国家のあり方であるにもかかわらず、これに反する発言が自衛隊の責任ある立場の者からなされていました。
一方、10月5日の国会の代表質問で福島瑞穂議員が行った、この駆けつけ警護問題についての質問に、福田首相はこれが法で認められていない行為であることを明言しました(下記)。
・・・・・・・・・・・・・・・記・・・・・・・・・・・・・・・・・
○内閣総理大臣(福田康夫君) 福島議員にお答えを申し上げます。
初代イラク復興支援隊長の駆け付け警護に関する発言についてのお尋ねが
ございました。
イラク特措法に基づく人道復興支援活動を行う自衛隊の部隊には、いわゆる
駆け付け警護、すなわち自衛隊部隊の活動している場所から遠く離れた場所
にまで駆け付け、攻撃を受けている他国の軍隊等を救援するために武器を使用
することは現行法上認められていないところでございます。御指摘の発言の真意
は承知しておりませんが、自衛隊の部隊が法令を遵守して活動すべきことは当然
のことであります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
にもかかわらず、佐藤氏自身は発言についての訂正も、回答もないままです。
したがって、「押しかけ参戦」の発想は自衛隊内部で何ら修正されることもなく生き続けているとしか判断できません。
他方、今回のイージス艦と漁船の事故で明らかになったように、自衛隊、防衛省内部では、情報隠し、証拠隠滅と受け取られてもやむを得ないような、事故後の対応がどんどんと明るみに出てきました。
事故車の運転手ともいえる航海長を、捜査にあたっている海上保安庁の許可もなく防衛相が自ら呼んで話しを聞いたというのです。
少年事件などで、加害少年等が事故後に集まって口裏を合わせることを「バックレ会議」といいますが、まさに、大臣同席の「バックレ会議」とも思われるようなことが、平然と行われるこの体質は、内部のことは国民には知らせずに、国民を軽視する体質そのものです。石破防衛相は、辞任はしないといっていますが、この感覚が問題ないと思っていた石破防衛相に今後、自衛隊の改善が図れるはずはありません。
このような状態を前提にしたときに、自衛隊派遣の恒久法をつくるという動きが、どれほど恐ろしいことかを考えなければなりません。
自民党・公明党は、自衛隊の海外派遣を随時可能にするための恒久法を今国会
期中にも提案すると報道されています。そして、その恒久法では、自衛隊の海外
活動に治安維持任務を加え、攻撃を受けた他国軍のもとに赴いて武器で応戦する
「駆けつけ警護」(押しかけ参戦)を容認する方針だといいます。
戦前、軍が暴走し、未曾有の戦禍を招いたことを、自衛隊幹部及び自衛隊を民主
的にコントロールすべき与党は忘れてしまったのでしょうか。
自衛隊が国民を守るのではなく、自らの威信を守ることを優先することは、イー
ジス艦あたごの事故からも明白です。
そのような自衛隊の文民統制(シビリアンコントロール)違反を追認するような恒久法を制定させるわけにはいきません。
これまでに明らかになった最近の文民統制違反
●昨年8月10日の佐藤正久氏の「駆けつけ警護」発言
●昨年10月、海上自衛隊の米補給艦への給油量を隠蔽して報告していたことが
発覚
●昨年11月、給油派遣部隊指揮官の尾島義貴・1等海佐は撤収の際、「我々の
船は我が国の評価を高める成果を残してきたが、これから先は輝く航跡を残すこ
とができなくなった。」と隊員に呼びかけた。
●給油派遣隊司令の佐伯1海佐が出発の挨拶の中で「活動を憲法違反と言われ、
一国民としても悔しかった、我々にも意地がある。」と発言
<毎日新聞から>
イージス艦事故:航海長聴取は石破防衛相の意向で自室に
海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、石破茂防衛相らが海上保安庁に無断で航海長の聴取をしていた問題で、石破氏は28日の参院外交防衛委員会で、大臣室での再聴取は自身の意向だったことを明かした。捜査妨害とも取られかねない聴取が防衛相自らの意思だったことで、石破氏の責任追及はさらに強まりそうだ。
石破氏は25日の衆院予算委員会で「捜査の厳正性のため、乗員に接触していない」と答弁していたが、28日の参院外防委では「話を聞いていたと言うべきだった」と前言を撤回したが、「隠すつもりはなかった」と虚偽発言は否定した。航海長の聴取については「許可を得ていると思った」「(海上幕僚監部に)呼べという指示は出していない。事前に教えてもらいたかった」と述べた。
しかし、海幕で聴取していることを知り「ならば私も聴くと指示した」と大臣室での再聴取が自らの意向だったことを認めた。防衛省の増田好平事務次官も28日の会見で「(大臣が)自らも状況把握することが必要と判断した」と説明した。
石破氏は「(海幕に)呼べという指示は出していないが、呼ぶこと自体は不適切だと思わない」と述べた。
さらに、航海長だけではなく、別のヘリコプターで神奈川・横須賀基地に移送したけが人についても、海保が電話連絡を受けていないことが分かった。
また、増田氏は27日の会見では大臣室での再聴取内容について「正式な議事録は取っていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べていたが、28日の会見では「事務方が記録を取っていた。メモを作成して(19日)夕方には海上保安庁にファクスで送った。(私も)目を通した」と証言を翻した。
無断聴取問題は、事故当日の19日午前10時ごろ、救助活動でけがをした乗組員を横須賀基地へ、前任の当直士官だった航海長を海幕
にヘリで移送したが、海保の了解を得ていない疑いが強い。海幕での聴取後、石破氏ら幹部10人が大臣室で再聴取している。【本多健、田所柳子、加藤隆寛】
毎日新聞 2008年2月28日 22時16分
今から20年前にも自衛隊の潜水艦と釣舟が衝突する「なだしお」事件が発生、その時も航海日誌を改ざんする等、組織をあげて隠蔽工作が行われました。残念ながら今回の事故で「なだしお」事件の教訓は何ら生かされていなかったことが明らかになりました。
自衛隊の隠蔽体質は根が深そうに思います。
さらに自衛隊の文民統制違反も相次いでいますね。
ちなみに自衛隊の任務が国民を守ることでないのは明白です。かって自衛隊の統幕議長だった来栖弘臣さんは、「自衛隊が守るものは国民ではなくて国柄、伝統」であるとはっきり宣言しております。それと杉浦さんがおっしゃるとおり「自らの威信」でしょう。
自衛隊の恒久法をつくろうとする動きがありますが、これは明らかに憲法違反であり、さらにこういった自衛隊の状態を考えれば言語道断ではないでしょうか。