杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・年金問題で社会保険庁(社会保険事務所)へ調査に行く

2007-06-14 22:25:44 | Weblog
今日、年金記録が保管されている文京区の社会保険事務局の施設を訪ねました。
社民党代議士が調査に行く党の随行員としてです。

厚生年金については台帳と、台帳を撮影したマイクロフィルム、さらにコンピューターに入力したオンラインデータがありました。

これに対して、国民年金の方は、台帳は廃棄処分。マイクロフィルムに写し残しているのは、国民年金で月々払っている通常の納入でない特例納付(末尾参照:過去3回、未払い分を一括支払いが認められた機会)についてのみ。
後はオンラインに入力されたもののみ。
昭和60年に「マイクロ化の後に台帳は棄てるように」という通達あったということです。

以上のことから、厚生年金については、「払ったはずなのに」という申請があれば、過去の記録に遡っての調査は可能になります。
説明を受けたあと
実際に調査を行っている職員の作業風景も見ました。

係りの方は、中企業の印刷会社の従業員のかたの厚生年金の支払いについて、既に黄ばんで汚れた台帳をずっと繰りながら、その申請者の経過をたどっていました。8センチほどの厚さの台帳が9冊あるということでしたが、この程度の調査には1日かかるということでした。

ところが、国民年金になると、台帳もなく、特殊納付について記載した台帳がマイクロフィルムになっているもののみ。それを映し出して見せてもらったのですが、撮影状態が悪く、判読がむずかしい。部分的には読みとり「不能」箇所もありました。
保坂展人議員が「台帳を棄ててはいけなかったんだよね」と実質的にも(注)棄てたことの失策を目の当たりにして思わず漏らしていました。

(注)形式的に、社会保険業務センター文書保存規定に「旧被保険者旧台帳分は原本で保管すること(永年保存)」とあり、内規違反である

 国民年金は厚生年金と違って、国民が個々に支払っているために、厚生年金のように企業と関連という手がかりもないわけで、国民年金支払者の支払いの立証が、国民側に課されたら大変なことになります。


 見学した部署は、みんなが台帳を繰ったり、マイクロフィルムの箇所を捜したりと、総掛かりで調査に当たっていました。
本当に気の遠くなるような大変な作業でした。

【嘆】親方日の丸での管理ミス。親方日の丸でそれを調査。
昨日、住民税の請求が来てがっくりしていたところなのに、税金は湯水の如く・・・。


<参考>                  毎日新聞 07.6.11より
年金記録不明:「特例納付」が一因?厚労省が調査へ
 国民年金の納付記録が消えてしまう問題で、未納分を一括して支払えるようにした「特例納付制度」が消失の一因である可能性が、11日の参院決算委員会で取り上げられた。同制度での保険料支払いは、地域の社会保険事務所に直接納める必要があったのに、市町村に払ったため記録が行方不明になっているのではないか、というものだ。民主党の谷博之氏の指摘に対し、柳沢伯夫厚生労働相は「そういうこともあるかもしれないということで、できる限り早く調査したい」と述べた。

 特例納付は、通常は2年分しかさかのぼって払えない過去の未納分の保険料を、例外的にまとめて納められるようにした制度。70~80年の間に3回実施された。当時、保険料は市町村が徴収していたが、特例納付は社保事務所に払うことが義務付けられていた。

 しかし、社保庁内でも「社保事務所と市町村が話し合い、特例納付分の徴収も住民に身近な市町村が担当していた例はあった」とささやかれている。その際、記録管理があいまいになった可能性があるというわけだ。ただ、特例制度の利用者に不明記録が多いことを裏付けるデータはない。【吉田啓志】


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