杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・主権者の絶望は選挙制度への絶望

2012-12-19 12:25:41 | 法律・法制度

小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝

東京都民にとっては、石原前都知事突然の仕事放棄による急な都知事選挙と
国政における野田前首相の、これも想定外の解散による
慎重な理解も判断もできないままの同時選挙となりました。

結果は、想像を超えるものでした。
また、棄権が多かったことも驚きでした。

その後東京新聞は
下記のような主旨の記事を載せています。

(2012年12月18日 朝刊)

 衆院選は、自民党が定数(四八〇)の六割を超える二百九十四議席を確保する圧勝で終わった。
しかし小選挙区で自民党候補の名を書いたのは全有権者の約四分の一、比例代表に至っては15・99%だった。
自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない。
多党乱立と低投票率が自民党を利した結果であるということが、はっきり分かる。

一方、衆院選の投票率は小選挙区で59・32%であって戦後最低を記録。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上、主旨引用
 
今の選挙が民意を反映していないばかりではなく
「自分の意見は通りようがない」という選挙制度が
棄権を促進したように思います。
知人の中にも、投票によって意見を伝えたいが
今の制度では「死に票」にしかならない。
だからむなしいという声はたくさんありました。

選挙において、
【参加することに意義あり】
はおかしいです。


主権者の今の絶望は、政治への絶望ではなく
選挙制度への絶望であって
民主主義の実現のためのツールが本質を害しているのだと思います。

このことは、数字にも表れているわけで、選挙制度への客観的な検証結果となるはずです。

選挙制度の一刻も早い改正がされるべきだと思います。


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1 コメント

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この程度のマスコミ (鉄甲機)
2012-12-24 23:10:21
お久しぶりです。

>自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない。

はてさて、3年前の9月に東京新聞は「民主党の勝利は必ずしも民意を反映したものではない。」と書いたんでしょうか? 
東京新聞も毎日新聞も朝日新聞も、民主党が勝った日本の新しい夜明けだ民主党新政権の舵取りに期待する最低でも県外だ年金問題解決だとかの、阿呆じゃないかと思う記事しか書いてなかったような記憶しかないんですが。

きっと書いたんでしょうね。そうでないと、東京新聞は報道の中立性公平性を放棄したチラシの裏に成り果てますから。(棒読み

>多党乱立と低投票率が自民党を利した結果であるということが、はっきり分かる。

前回の政権交代選挙は「自民党にお灸を据えてやろう」選挙でしたが、今回の選挙は「民主党に焼きを入れてやろう」選挙。
多党乱立は民主党には愛想をつかしたけれど前回否定した自民党にも入れたくない有権者の逃げ場を生み、低投票率は民主党に愛想をつかしたけれど前回否定した自民党にも入れたくない有権者が棄権した結果とも見ることができます。どう転んでも民主党に浮上の目はありませんし、自民党を利したとも思えませんね。

まあ、郵政選挙に続いて今回も世論誘導に大失敗したマスコミの負け惜しみと思えば。

杉浦先生
>主権者の今の絶望は、政治への絶望ではなく
>選挙制度への絶望であって
>民主主義の実現のためのツールが本質を害しているのだと思います。

今回の選挙の結果を受けて郵政選挙に続いて小選挙区制問題が再燃していますが(嗤、元々小選挙区制は大量の死に票が出ることは織り込み済みであり、そうであっても安定した政権を作ること、何よりも政権交代を可能にすることが重要であると議論されていたはずです。

しかし、その最初の政権交代の結果があまりにも酷すぎた。主権者はマスコミに煽られて民主党に投票した結果がこのザマだったと認めたくないだけじゃないですかね。
主権者が絶望したのは選挙制度じゃないでしょう。政治への絶望。民主党への絶望。民主党へ投票した自分への絶望だと思いますよ。

まあ、私は中選挙区制度支持なんですけどね。
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