杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・いじめ自殺で子どもを亡くした親の会

2007-12-16 03:04:50 | Weblog
今日はいじめ自殺の遺族の方たちの集まりがあり参加してきました。

 子どもが自殺したという異常なことがあったときに、何があったのか、そのことを親にできるだけ伝えようとする努力こそ大切なものだということが、みなさんの共通の意見でした。
このことは、自分が親の立場であれば誰しも分かることです。
そうしてくれれば、学校を裁判で訴えたいなどと親は考えないものです。
訴えられるんじゃないか、と隠すから、提訴せざるをえなくなるというのが実情です。
そして、加害した子が勇気を出して「ごめんなさい」と謝り、話をしてくれたら、遺族ももちろんこの親です。「分かったよ」ということになるのです。

学校は逆のことばかり、いじめを否定することばかりをなぜするのでしょう。それでは、いじめた子もまた、悪くなかったのだと学校のお墨付きをもらったことになり、その後の行動の指針を得る機会を失うのです。

 今日は、13年前にいじめ自殺でセンセーショナルな事件として紹介された大河内清輝君のお父さんもいらっしゃっていました。
懇談会の時にお隣の席で話していたときに興味深かったのは
私が、いまいじめ加害者の事件を扱っていて、加害少年に聞き取りすると、
普通なら隠すだろうと思うほどのひどいことを驚くほどあっさり話してくれ、
その計算のなさ、未熟さを感じる、ということを話したところ、
大河内さんも、加害少年と話してみてその未熟さを感じたといわれたことでした。
そして、
未熟な加害少年(「加害少年というべきかどうか分かりませんけど・・・」と大河内さんはいわれました)に適切な反省の機会を与えることも重要だとはなされ、今の学校は加害者側の反省の機会も与えていないということを同じ思いで語り合いました。

いじめは、誰もが意見の相違なく、無くしていきたい問題です。
昨年の暮れに、あれほどいじめ問題が話題になって、これで変わるかも知れないと思ったのに、本質的には何も変わっていません。
今後も、時々記事にしていきます。

最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-12-16 06:20:47
“訴えられるんじゃないか、と隠すから、提訴せざるをえなくなるというのが実情です。
そして、加害した子が勇気を出して「ごめんなさい」と謝り、話をしてくれたら、”
とありますが、
大人といっている社会「(政府=国家公務員、大企業=社会人)=常識」が、そもそも狂っているのに、いくら大人といわれている人間が正直な子供たちに言っても、矛盾を感じ気が狂うでしょう?大人である私がそうなのだから(恐怖すら感じる)。
とにかく何時からそうなのかわかりませんが、この狂った大人社会がなくならない限り、可能性は低いと私は感じます。
返信する
死ぬ前に (ken)
2007-12-16 09:19:34
 被害者が殺されたり、自殺したりすると大騒ぎになりますが、怪我程度では校内問題にすぎず、それもなければほとんど問題にもならない。学校で関知すればもちろんそれなりの対策はとるでしょうけれど。
 早い段階で強力なやめさせる手段があれば、被害者も加害者も救われます。

 思いつく最有力手段は「弁護士さんに依頼する」ですが、近所で見かけることはないから、探すだけでも大変だし、費用もかかる。それに、子どもには思いつかない。
 子ども向けの電話相談は、お話を聞くだけか、せいぜい「先生に相談しなさい」くらいしかできません。
返信する
いじめ問題 (Y.ike)
2007-12-17 00:39:46
毎週興味深く拝見しております。いじめ・虐待・障害者・犯罪被害者などの社会的弱者、PTSD・DV・セクハラ・性暴力の問題などに真摯に取り組んでいらっしゃる姿勢には大変敬服しております。今後とも参考にさせて下さい。
返信する
いじめに関して (水野健治)
2007-12-18 00:39:57
子供達が想像以上に脳が発達しているのに、責任を取らない政治家、教師、役人等、ぞくにインテリ社会が蔓延しているから諸問題が解決しないのでは?そして大人達の行動がおかしいから!動物を観察すればすぐ解る事。自分達が動物の一種類だと解らない人が多いから問題が起きると思います。
返信する
大人の姿を見せられない (杉浦ひとみ)
2007-12-18 01:12:34
自分たち大人の背中を考えれば「いじめをしてごめんなさい」と子どもに自発的にいいなさいなどといえない、というご指摘、本当にそのとおりですね。
首相の答弁の無責任さ、食品偽装を隠し続けようとする会社トップのいずこも変わらない卑劣さ、国民の支払った年金を平気で着服する保険庁職員等々。どのニュースも子どもに見せられない。

せめて、自分ひとりでも何とか子どもに見せられる歩き方をしてみたい、そんな大人がひとりでも二人でも増えたらいいと思います。
返信する
子どもがどう救済を求めるか (杉浦ひとみ)
2007-12-18 01:19:52
子どもは知りうる世界が狭すぎてどこにSOSを出したらいいか分からないし、SOSを出したら大変なことになってしまうとそれができないことが多いのです。
子どもには、常日頃、「いじめは子どもでは解決できない。大人が関われば助けられ単位、それができないと思い、我慢して大変なことになることが多いので、必ず大人にいわなくてはいけない」
ということを、伝えて、いざというときにそのことを思い出すようにすることがひとつです。


もう一つは、どこに訴えるか。
親は自分のこの子のことゆえにうまく受け止められないこともあります。
何かをつくるべきだと思うのですが、とりあえず、弁護士会、児童相談所、少年センターなどに電話してみて下さい。
返信する
応援ありがとうございます (杉浦ひとみ)
2007-12-18 01:22:26
Y.ikeさま、応援ありがとうございます。
もっと力がれば、と思いますが、与えられたものの中で、できれば生活のいろんな分野にバランスよく力の配分ができたらいいと思います。
返信する
いじめ他学園騒動解決の件 (相澤拓也)
2008-02-13 14:52:01
突然メールし恐縮致しております。
ところで、なぜ大勢の生徒達が反社会的行動をとるのか原因を究明し、その結果を基にこうすればいじめ等の問題を解決出来ると纏めた論文を、1月4日よりブログで公開しはじめました。付きましては出来るだけ大勢の関係者にご覧頂きたく、ご案内申しあげた次第です。ブログはURL:http://blogs.dion.ne.jp/tozoyolで見ることが出来ます。それから、ヤフーブログ画面
で人と教育と入力、検索ボタンクリックすると出る画面の一番上「人と教育」の文字をクリックしても見ることが出来ます。ちなみに、人と教育に続き冒頭学園騒動との文字が続き、ブログIDはtozoyolです。
 それでは春も近づきつつある今日この頃、関係各位におかれましては、御身ご自愛専一に遊ばされます様念じております。 以上
返信する
Unknown (Unknown)
2012-10-28 19:27:52
感情自己責任論を全ての大人がまず知ることが大事
返信する
わたしも ()
2013-08-27 02:45:01
わたしも過去にいじめられた経験があります。最初は気づかれないように我慢して、学校へいってました。が、突然我慢の限界で親にはなしました。自殺の前兆はつかめないかもしれません。けど、家で子供の居場所をつくると自殺する子供がへるとおもいます。
学校にいかなくてもいいと。家は危険ではないと。全力で子供を守ってほしいです
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。