司法試験受験資格のための法科大学院の入試には適性試験があるのですが、平成18年度法科大学院適性試験に使った設問の著作の中で、
長谷川如是閑の「戦争絶滅受合法案」
が使われていたということを知りました。
この「戦争絶滅受合法案」の内容は下記のようなものですが、やっぱりこのような「案」を文字にしていた人がいたのだ、と納得しました。
<戦争絶滅受合法案>
「戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと。即ち下の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし。
一、国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問わず、尤も男子たること。
二、国家の元首の男性の親族にして十六歳に達せる者。
三、総理大臣、及び各国務大臣、並びに次官。
四、国民によって選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
五、キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、その他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。
上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。但し健康状態に就ては召集後軍医官の検査を受けしむべし。
以上に加えて、上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。」
以上
私は、ここまで徹底したものを考えておらず(ここまで行くと実現可能性がなさ過ぎるのでは?)、まず、総理大臣や各大臣の子どもか親戚を召集の対象にすることを考えていました。そうすると、どうしても封じておかなければならないのは、養子は禁止ということでした。
要は、政治にかかわる者は、これくらい市民の痛みを自分のことのように考えてほしいものだということです。
法律は下々の者が従うもので、自分たちは拘束されるものではないという意識が政治家や官僚にはあるのではないかと思うのです。2世、3世議員はもともと「庶民」の意識では暮らしてきていないでしょう。
自分たちの不利益を自ら決めることなどできるはずはありません。
障害者の方たちが、寒い雨の中車いすや介護を得て議員会館前で抗議をされていたことを見たこともあります。
国会議員が、議員会館前で「00法案反対!私たちを殺すのか!」という命がけの抗議をしたくなるような法案を国会はつくらなければならない時もあると思うのです。
さて、法科大学院の適性試験は、この著作をどのように読みとること、どのような感想を持つことが求められたのでしょうか。
長谷川如是閑の「戦争絶滅受合法案」
が使われていたということを知りました。
この「戦争絶滅受合法案」の内容は下記のようなものですが、やっぱりこのような「案」を文字にしていた人がいたのだ、と納得しました。
<戦争絶滅受合法案>
「戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと。即ち下の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし。
一、国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問わず、尤も男子たること。
二、国家の元首の男性の親族にして十六歳に達せる者。
三、総理大臣、及び各国務大臣、並びに次官。
四、国民によって選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
五、キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、その他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。
上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。但し健康状態に就ては召集後軍医官の検査を受けしむべし。
以上に加えて、上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。」
以上
私は、ここまで徹底したものを考えておらず(ここまで行くと実現可能性がなさ過ぎるのでは?)、まず、総理大臣や各大臣の子どもか親戚を召集の対象にすることを考えていました。そうすると、どうしても封じておかなければならないのは、養子は禁止ということでした。
要は、政治にかかわる者は、これくらい市民の痛みを自分のことのように考えてほしいものだということです。
法律は下々の者が従うもので、自分たちは拘束されるものではないという意識が政治家や官僚にはあるのではないかと思うのです。2世、3世議員はもともと「庶民」の意識では暮らしてきていないでしょう。
自分たちの不利益を自ら決めることなどできるはずはありません。
障害者の方たちが、寒い雨の中車いすや介護を得て議員会館前で抗議をされていたことを見たこともあります。
国会議員が、議員会館前で「00法案反対!私たちを殺すのか!」という命がけの抗議をしたくなるような法案を国会はつくらなければならない時もあると思うのです。
さて、法科大学院の適性試験は、この著作をどのように読みとること、どのような感想を持つことが求められたのでしょうか。
斉藤氏は「デンマーク陸軍大将フリッツ・ホルム氏が起草、各国に配布したものを長谷川氏が1929年に日本に紹介した」と書いており、高橋氏もそう講演されたそうですが、「デンマーク陸軍大将フリッツ・ホルム」なる人物は、現在まで確認されておりません。
今のところ、白虹事件で大阪朝日新聞を退社した長谷川氏が、時の政府・軍部への皮肉として発表したものとされています。
杉浦さんもこの話で「ヨーロッパの軍人さんがこんな法案を考えんたんですよ!」と教えられたら、「長谷川さんの創作という説もあるらしいですね。」と受け流してくださいね。(笑
>法科大学院の適性試験は、この著作をどのように読みとること、どのような感想を持つことが求められたのでしょうか。
求められるべき法学の素養というのがどんなものなのかは知りませんが、初めてこれを読んだときの感想は「政府首脳が一兵卒で戦死しちゃったら、戦争を終わらせる権限を持った人がいなくなって、泥沼化確実」でしたね。
もちろん長谷川氏はこの法案の実現化など考えに無く、「政府は楽観的態度で気軽に戦争を起こすな!」と主張したかったんでしょうが。
でもこのようにしても「それようの養子」「それようの配偶者」などさらに非人道的な潜脱もあるのだろうと、そこで思考がとまっていました。
この法案は現実的ではありませんが、戦争について、条約で決まっているようなことを国内の法律にするのであればそれほど抵抗はなく、戦争を防ぐのに少しは力になるのではないでしょうか。
条約でだめだと決まっていれば重ねて法律にすることはないというのか、あまり法律になっているのを見たことがありません。戦時国際法の特に人権保護部分を法律にしてはどうでしょうか。有事立法というと、人権制限の法律ばかりのような気がします。
従軍慰安婦問題でも、反省を示すためには、法律で厳しく禁止し、重罪を定めると、二度としないことの誓いになるでしょう。
私もこの法案について記事を書いたのでTBさせていただきました。