ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ともに介護を終えるまで

2017-08-12 21:45:15 | 日記
中学時代からの親友がいる。

3年間ともにバスケット部で汗を流し
登下校も一緒。
長い夏休みも毎日どちらかの家で
ギターを弾きながらフォークソングを歌い
別の高校に進学してからも
ユースホステルを利用してあちこちを旅行した。

そんな彼女とはもちろん今でも仲良く付き合っているのだが
ともに60を目前にするようになって
会話の色合いがめっきり変わってきた。

きのうも彼女の誕生日だったので電話をすると
ついこの間、肋骨を折ったという。
高いところにあるものを取ろうとしたら
「ポキッ!」と音がしたそうだ。

やだやだ、骨がもろくなってんじゃないの?

いや実はね、と彼女。
「言ってなかったけど、去年は腰椎圧迫骨折で…」

待て待て、それは明らかに老化ではないか!?

30代のとき、膝の手術をした彼女。
あの時はまだバスケットにテニスと、バリバリのスポーツウーマンだったから
膝痛の原因も「激しい運動をしすぎた結果」だった。

しかしこの歳での度重なる骨折は、それとはワケが違う。
明らかに老化である。

「で、アナタはどーよ?」
何が?
「腰、痛いんでしょ? 椎間板ヘルニアだって言ってたじゃない」
あ、そうそう。痛みもあるけど、足の痺れが辛くてねえ。

そう、私も同じだ。

バスケットとフォークソングに明け暮れた少女、2名。
あれから45年の歳月を経て
ともに介護に追われるオバサン、2名。
(彼女は親の介護真っ只中)

いつか介護が終わったら海外旅行にでも行くか?
と互いを励まし合い
電話の最後を「それまでとにかく身体を大切にしようね」
と、締めくくるのであった。

ハルオ&ケイコに泣かされた

2017-08-10 23:39:10 | 日記
恐れていた地獄のような夜勤から、無事、生還!

放尿ジジイ・サイゾーは3回ばかりベッドでやらかしてくれたが
病院から帰ってきた認知症のサワコは
驚いたことに一度もコールボタンを押してこなかった。

あとで知ったのだが、骨折によりまだ絶対に歩いてはいけない彼女は
事前の厳しい注意を忘れて何回も一人でトイレに行っていたらしい。
オムツ交換のたびにキレイだったから不審に思ってはいたのだが…

まあ、今回の危険人物2人はそんな感じであり
危惧していたほどの強敵ではなかった。

しかし、こういう日には必ず
予想しない方向から敵が現れるものなんだなあ。

先日ここで愚痴ったとおり
ウチの夜勤は休憩がたった1回、1時間だけしかなくなってしまった。
2時から3時までと予定されたその時間は
本当に本当に貴重な休憩時間なのである。

事務所で座る間もないほどビッシリ詰め込まれたラインをこなして
さあ、ようやく2時。
一服してから少し横になろうと
喫煙所を目指してエレベーターを降りた。

と、そこで遭遇してしまったのが
『エイコ日記』でお馴染みのエイコである。
パジャマの上からジャケットを羽織り
何を詰めたのやらパンパンに膨らんだトランクを引きずりながら
こちらに向かって歩いてくる。
む、嫌な予感。顔が険しいぞ。

どうしたのエイコさん?
声をかけると彼女は興奮しながら言った。
「私、ここを出て行きます」

心の中で、私、号泣。
だって、こんな彼女と出くわしたらすぐには立ち去れない。

エイコさ~ん、お願いよお、私を少し休ませて~!

しかしそう言っても通用する相手ではないので
今は夜中で電車もバスも走っていないからー
パジャマのままだしお化粧だってしていないからー
と、なんだかんだ言葉を重ねて、とりあえず部屋に戻した。

そこから20分、傾聴。
休憩を取りたい私の情熱が伝わってか
意外なほどあっけなく、エイコはベッドに入ってくれた。

ささ、急げ! 
もう一服はあきらめて、少しでも横になろう。

残り30分。
よほど疲れていたのか、私はすぐに眠りに落ちた。

と、ところが3時にセットしたアラームより5分早くコールが鳴る。
だ、誰だあ! この貴重な眠りを妨げたヤツは!?

「すびませ~ん。起こしてくださ~い」

おいおい、今度はお前か。
コールしてきたのはエイコの夫、全身拘縮のハルオである。
最近時間の認識ができなくなって
夜中に「起こしてください」とコールしてくることの多くなったハルオ。
普段は「まだ夜中ですよぉ」とやさしく返すが
このタイミングではさすがに腹が立つ。

別にここで宣言する必要もなかろうが
私は睡眠と食事を妨げられると、平常心を保てなくなるタチなのだ。

ガバッと飛び起きて彼の部屋まで走ると
私はプンプンしながら言った。
「今はまだ、よ~な~かっ!!!」

いやはや、今回の夜勤はこの夫婦にやられたぜ。

どうすりゃいいのさ、この私

2017-08-09 02:32:39 | 日記
愚痴ブログ…本意じゃないなあ
と反省しつつ、今日も私は愚痴る、嘆く、ぼやく。

今日はこれから夜勤。

こんなヘビーな状況での一人夜勤は
できるものならご免こうむりたい。

寂しくてコールしてくるバアサン。
寝惚けてコールしてくるジイサン。
腰が痛くてコールしてくるバアサン。
トイレ、トイレとコールしてくるジイサン。
そしてきのうのブログに書いた
行くたびにベッドでリハパンを脱いで放尿してるジジイ…。

勘弁してくれ。

しかしながら
介護の神様は容赦なさらない。

オーマイガー!!!
今日はもっともっと手ごわいヤツが舞い戻ってくるのである。

サワコ。
骨折して入院中に夫が突然死んでしまった、認知症のサワコ。

彼女が2ヶ月の入院を経て、戻ってくる。
しかも病院の話によれば
入院中は1日に12~18回もトイレ~!とナースコールをしてきたという。

コールボタンを押し続けたサワコが帰ってくる。
その心は?
はい、今日の夜勤はサワコに振り回されます。

せっかちであわてんぼうのサワコは
コールしても職員がすぐに駆けつけなければ
一人でトイレに行こうとするだろう。
そして転倒、骨折、救急車!ということになるだろう。

どうすりゃい~いのさ、こぉの私~。
夢は夜ひらく~。

そんな昭和の代表曲があったけど
もう少し生きて人生を楽しみたいという私の夢は
今日の夜勤で潰されてしまうのかもしれない。



新たなる刺客

2017-08-06 23:32:11 | 日記
この状況、なんとかしてくれ!!!

末期の腎不全を患うジイサンが入居してきた。
サイゾウ、と呼ぶことにしよう。

本来なら透析を受けなければならないところだが
それはなし。
つまり、このままウチで静かに穏やかに…ということである。

気の毒だが、それだけでも少々厄介な、と思っていた。
ウチには医師も看護師もいないのだから
本人や家族が穏やかな最期をここでと望めば
当然その負担が、ハンパじゃない負担が
夜勤を担う私たちにのしかかってくるのだ。

しかしこのサイゾウ
余命を穏やかに過ごしていただくどころか
早く逝ってください、とお願いしたくなるような
とんでもないジイサンだった。

入院先の病院ではなんとかトイレ誘導で排泄を済ませていたというのに
ウチに入居した夜から
「気力がなくなった」と、なんとベッドの上で
しかもわざわざリハビリパンツを自力で脱いで
排尿、排便してしまうのである。

私は彼が入居してからまだ夜勤に当たっていないのだが
この4日間
サイゾウのベッド上での排泄によって
職員は夜中に3度も着替えとシーツ交換をやらされているらしい。

ただでさえ時間がないってのに
ただでさえ人がいないってのに
サイゾウよ
お前はなぜ、わざわざベッド上でリハパンを脱いでオシッコする!?

認知症があるという情報はなかった。
おそらく入院生活によって認知症状が発症してしまったか
退院後の新しい環境によって混乱しているか
なのだろう。

高齢者なんだ、病気なんだ
自分にそう言い聞かせても無理がある。

病院だったら、こういう場合は拘束するらしい。
でも、ウチではとんでもない話だ。

ギャ~~~!!!
入社してもうすぐ丸4年。
はじめて出社拒否の心境に陥っている。

何を考えてんじゃ!?と、私は怒る。

2017-08-01 00:06:37 | 日記
夜勤の時間を削減します。

そんな通達が届いたのは先月のこと。
介護職員の環境改善が、その理由であるという。

ありがたい話だ。
顔すら拝んだことのないウチのトップたちよ
そこまで下々の健康を気遣ってくれてありがとう。

なんてね、誰がそんなこと言うか!

というのも
夜勤入りの時間が1時間遅くなれば
実際の援助に入る前に片付けておきたい事務仕事がまったくできなくなる。
そして何より
勤務時間短縮のかわりに「休憩を減らします」とは何事だ!?

これまでは夕方4時から翌朝10時まで18時間の勤務中
1時間×2回の休憩があった。
それがこれからは、1時間の休憩が1回だけ、ということになる。

バカも休み休み言え!
このどこが、環境改善だっていうわけか!?
しかもウチは一人夜勤。
休憩が2時間あったって1時間休めるかどうかなのに
はなから1時間では、休憩なんぞないも同然だ。

しかも、これを討議する会議でバカが提案したそうだ。
一人夜勤で大変だったら
遅番がいる間に休憩を取ればいいんじゃないですか?と。

はぁ~? 遅番の勤務は午後8時まで。
夜勤入りの午後5時から8時までのクソ忙しい時間帯に
休憩を取れとぉ!?

誰だか知らないが、お前は本気でバカなのか?

介護職、ますますなり手がいなくなる。