ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

病的に、関心がない。

2017-08-16 19:23:25 | 日記
心から信頼している上司が、来週、他の事業所へ異動となる。

泣きたい。行かないで~と泣き叫びたい。
しかし企業の人事。
納得できなくても、ぐっと堪えるしかないのだろう。

泣いて暴れて抗議する代わりに
私は彼にお願いした。

留任中に一つでもいいからアナタの介護技術を伝授してください、と。

穏やかな笑顔で承知してくれた上司は
翌日から暇を見つけては私に技術指導してくれるようになった。

最初はオムツ交換。
次は髭剃り。
あさっては入浴介助のテクニックを教えてくれるという。

部下の意欲をこういう形で受け止めてくれる上司に感動。
そして、学校では教わらなかったキメ細やかな彼の介護技術に心酔。

わずか半年の付き合いだったが
こんな上司の下で働かせてもらったことを
心からありがたく思っている。

さて、ここまで書いておきながら申し訳ないが
今日の本題は、上司と部下の美談ではない。

髭剃りの指導を終えたところで、その上司から言われた。
「あとは家でダンナさんを相手に練習してみてください」

そこで私の頭の中は、クエッションでいっぱいになる。
はて、うちのダンナ様はどうやって髭を剃っていたかしらん…?

頭髪はフサフサ、すね毛も絡むほど生えているオッサンだが
髭は生えるのがすこぶる遅い。
毛根自体が少ないのだろう
数年に一度発作のように「髭を生やす!」と宣言するが
何日経ってもショボショボと顔に埃がついている程度にしか
生えてこないのである。

そんなオッサンがどうやって髭を処理しているか
私は知らなかった。
知らないまま、実に34年間という結婚生活を送ってきたのだ。

そういえばまだ40代に差し掛かったばかりの頃
家に車のセールスがやってきた。
その男に「ご主人は今、どんな車に乗っていらっしゃいますか?」と
車種や色について尋ねられ
愚かな私は答えることができなかった。

車に興味がないから車種について答えられないのは仕方がないとしても
色まで把握していなかったことに、我ながら唖然とする。
家の車庫にいつも置いてある車なのに…。
休日は私も乗せてもらっている車なのに…。

おっさん、ごめん。
アナタに関心がないわけでは決してない。

毎日一緒に仕事をしているヘルパーさんのエプロンの色だって
私はまったく覚えていないのだから。

これは何かの障害か?
いや、開き直って言わせていただこう。
私はモノに対して、とことん、関心がないのである。