遅番の上に残業して、午後10時に帰宅。
リビングでくつろいでいたおっさんの顔を見るなり
私は吐き出した。
「男なんて、うぐっ、男なんて、もう信じない!」
吐いた言葉を追いかけるように
涙がつつつと頬を伝う。
え? な、何があった!?
妻の尋常ならぬ姿に、おっさんはうろたえる。
「うっ、うぐっ、山口くんが~~~!!!」
あ、TOKIOの…。
職場でニュースを見たらしく
このひと言でおっさんは妻の涙を理解した。
しかし
これまで妻が芸能人の不祥事に怒ったり嘆き悲しむ姿を
見たことのないおっさんは
オロオロするばかり。
な、泣くなよ。元気出せよ。
うんうん、そーだよな、ショックだよな。
でも、頼むから泣くなよ。
励ましながら、おっさんまで泣きそうだ。
毎週日曜日、夜7時からの4チャンネルを
私がどれだけ楽しみにしていたかを
おっさんは知っている。
おっさんが破産して家を失って絶望のどん底にいたときでさえ
「鉄腕DASH」の人気企画である村づくりや島の開拓に
季節の移ろいを教えてもらった。
“太陽”を感じさせてもらった。
その企画の牽引車である山口くんのタフさや腕っ節に
20年間惚れ続けてきた私は
おっさんを前にぬけぬけと言ったものだ。
「結婚するなら山口くん!」と。
だから、傷ついた。
バッカじゃないの!?と蔑むもう一人の私を追いやって
本当に本当に、傷ついた。
これがファン心理ってヤツなんだろう。
はじめて知った。
ぽろぽろと涙を落とす私の隣に座り
元気出せよと言いながら
おっさんはやさしく肩をポンポンする。
鼻をチ~ンとかみながら、私は言った。
「こうなったらもう、アナタでいいわ」
リビングでくつろいでいたおっさんの顔を見るなり
私は吐き出した。
「男なんて、うぐっ、男なんて、もう信じない!」
吐いた言葉を追いかけるように
涙がつつつと頬を伝う。
え? な、何があった!?
妻の尋常ならぬ姿に、おっさんはうろたえる。
「うっ、うぐっ、山口くんが~~~!!!」
あ、TOKIOの…。
職場でニュースを見たらしく
このひと言でおっさんは妻の涙を理解した。
しかし
これまで妻が芸能人の不祥事に怒ったり嘆き悲しむ姿を
見たことのないおっさんは
オロオロするばかり。
な、泣くなよ。元気出せよ。
うんうん、そーだよな、ショックだよな。
でも、頼むから泣くなよ。
励ましながら、おっさんまで泣きそうだ。
毎週日曜日、夜7時からの4チャンネルを
私がどれだけ楽しみにしていたかを
おっさんは知っている。
おっさんが破産して家を失って絶望のどん底にいたときでさえ
「鉄腕DASH」の人気企画である村づくりや島の開拓に
季節の移ろいを教えてもらった。
“太陽”を感じさせてもらった。
その企画の牽引車である山口くんのタフさや腕っ節に
20年間惚れ続けてきた私は
おっさんを前にぬけぬけと言ったものだ。
「結婚するなら山口くん!」と。
だから、傷ついた。
バッカじゃないの!?と蔑むもう一人の私を追いやって
本当に本当に、傷ついた。
これがファン心理ってヤツなんだろう。
はじめて知った。
ぽろぽろと涙を落とす私の隣に座り
元気出せよと言いながら
おっさんはやさしく肩をポンポンする。
鼻をチ~ンとかみながら、私は言った。
「こうなったらもう、アナタでいいわ」