カニエさんは末期癌。
まだ60代の男性なのだが
もはや癌は脳にまで転移しており
家族がウチでの“看取り”を希望して9月に入居してきた。
入居当時はまだ自力で歩き、食事もとれていた。
ところが今月に入ってから急激に衰え始め
食事はとれても数口
歩こうとして転倒、転倒
発語も支離滅裂で、コミュニケーションが取れない状態だ。
それでも、人間の生命力のなんと強いことか。
余命3日と告げられたのは2週間前のこと。
そのときでさえ主治医は言ったものだ。
「この状態で生きているのは奇跡です」と。
正直言って、介護するこっちはキツイ。
医師や看護師が常駐していない環境で
本人や家族が治療も緩和ケアも希望しない状況で
“看取り”だけをお願いされているのだ。
日に日に弱っていきながらも
必死に生き続けているカニエさんを
私たちは見守っていくしかないのである。
カニエさん、もう、頑張らなくたっていいよ。
彼に向かって心でそうつぶやく私は間違いか?
ああ、今日は夜勤。
カニエさんの手を、ギュッと握り締めよう。
まだ60代の男性なのだが
もはや癌は脳にまで転移しており
家族がウチでの“看取り”を希望して9月に入居してきた。
入居当時はまだ自力で歩き、食事もとれていた。
ところが今月に入ってから急激に衰え始め
食事はとれても数口
歩こうとして転倒、転倒
発語も支離滅裂で、コミュニケーションが取れない状態だ。
それでも、人間の生命力のなんと強いことか。
余命3日と告げられたのは2週間前のこと。
そのときでさえ主治医は言ったものだ。
「この状態で生きているのは奇跡です」と。
正直言って、介護するこっちはキツイ。
医師や看護師が常駐していない環境で
本人や家族が治療も緩和ケアも希望しない状況で
“看取り”だけをお願いされているのだ。
日に日に弱っていきながらも
必死に生き続けているカニエさんを
私たちは見守っていくしかないのである。
カニエさん、もう、頑張らなくたっていいよ。
彼に向かって心でそうつぶやく私は間違いか?
ああ、今日は夜勤。
カニエさんの手を、ギュッと握り締めよう。