ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

夜間の妄想劇場、再び

2014-06-11 02:21:16 | 日記
昨夜も、Mさんに呼ばれた。
今宵はどんなMさん劇場がはじまるのかと興味津々。
緊急とは思えない夜勤中のコールは
正直、困りものであることが多いのだが
Mさんのコールなら息抜きにもなる。

昨夜もコールに応えて訪問してみると
「情けない。私、情けない」と、Mさんは語り始めた。

「私、こんな体になっちゃったでしょ?
それなのに母親はお見舞いにも来てくれないの。
こんなところに閉じ込めて、顔も見せようとしないのよ。
ひどいと思わない?
母親といっても、継母なの。
これがひどい人で、小さいころはずいぶん苛められて・・・」

延々と続く幼少期の不幸話。
実はそんな生い立ちでないことは知っているが
ひたすら傾聴するしかない。

しかし今日はいつもと違う対応を試みた。

―人生、いろんなことがあるもんですねぇ。
実は私も小さいころに母親が若い男と駆け落ちして
そのあとに来た継母がそれは意地悪な人で・・・
でも私、頑張って生きてきたんですよぉ。

実話を盛りに盛り、これでもかと不幸な身の上を語る。

するとMさん。

「そ~お、アナタも大変だったのね。
わかった。私も頑張る。私、死なない。
明日からご飯を一杯食べて、元気になってやるわ!
アナタとはお友達になれそう。
これからも遊びに来てくださる?」

―もちろんですとも、Mさん。お互いに頑張りましょうよ。

見つめあい、手を取り合うMさんと私。
不可思議な友情が生まれた一瞬だった。

夜勤が明ければ私のことなんかすっかりお忘れのMさんではあったけれど・・・