ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

私の強み

2014-04-05 01:44:17 | 日記
「小さいころ何して遊びました?」
トイレでYさん(78歳・男性)のパンツを上げながら
何の気なしに訊ねてみる。

答えを待つまでに何秒もかからず
「缶蹴り!」
最近すっかり幼児性を取り戻したYさんは
少年のように目を輝かせてそう言った。

―あら、缶蹴り? それなら私も大好きだったわ。
 あれ楽しかったですよねえ。
「あと、何して遊んだ?」
―えっと、私は縄跳びかな?
「そっか、女の子だもんね」
トイレで盛り上がる子どもの頃の話。
20歳以上の歳の差と
介護する側、される側という立場を超え
心を寄せ合うひとときであった。

きのうは90歳の男性Uさんを車椅子で食堂にお連れしながら
こんな会話で盛り上がる。
(建物内にあるサントリーの自動販売機を指差しながら)
「知ってますか?
サントリーという会社の創設者は鳥居さんという人なんですよ。
そこからサントリーっていう会社名がつけられたんですよ」
―あら、すごい記憶力!!
 ふふ。私も実は知ってましたよ。
 ブリジストンも、“石橋”っていう創設者の名前に由来してるんですよね。

耳が遠いゆえにコミュニケーションの取りづらいUさんだが
現役時代は特許事務所で仕事をされていたこともあり
かつて記憶した情報を
時折り思い出しては披露してくださる。
きのうは私も負けじとかつて仕入れた情報を提示したことで発奮されたらしく
その後も珍しく饒舌に語り続けたのであった。

この間も・・・
小野田少尉が亡くなったニュースを見ながら
90歳で認知症の進んだMさん(女性)と
「また一つ昭和が終わったわねえ」と
手を握りしめんばかりに心を寄せ合った。

脳梗塞でマヒのある82歳のKさんを入浴介助しながら
二人で「りんごの歌」を熱唱した。

介護に関しては経験も実力もない私だけれど
55歳という年齢ゆえに、お陰さまで
ご年配の方々とのコミュニケーション・ツールには事欠かない。

「恋するフォーチュンクッキー」も歌えるけど
「りんごの歌」はもっと得意よ!
それが今の私の強みである。