どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

きつねの味噌煮釜

2016年05月31日 | 昔話(日本)

      日本の民話1 動物の世界/瀬川拓男・松谷みよ子・編著/角川書店/1973年初版


 きつねの恩返しの昔話。

 柴刈りで生計をたてていたお爺さんが、悪たれわらしにいじめられていたきつねを助けます。

 するときつねは、味噌煮釜に化けて、お寺の和尚に売ってくれといいます。
 釜に化けたきつねは、砂でごしごしみがかれたり、味噌煮をつくるため、かまどにかけられ、火をぼんぼん燃やされたりとさんざんな目にあって、寺から逃げ出します。

 ここまでは「分福茶釜」そのものです。

 しかし、話はまだ続きます。
 もういいよというお爺さんでしたが、きつねは今度は娘になり、女郎屋に高く売るようにいいます。
 高いお金を得たお爺さんでしたが、三度目は馬になって長者に高く売るようにいいます。

 ところが、この長者は、人使いもあらければ、馬使いも荒く、きつねは思い荷と長者をのせていったため、歩けなくなります。怒った長者から折檻されて、きつねはその場に倒れて死んでしまいます。

 近郷きっての福徳長者になったお爺さんお婆さんは、きつねのために立派なお堂をたてて、きつねの後生を祈ります。


 最後がすこしひっかります。そして女郎屋がでてくるので、語るのは二の足を踏みます。