エズラ・ジャック・キーツ(1916~1983)作 木島始訳でピーターシリーズとして出版されているものの二冊。
「てがみ」はアメリカで1968年、日本では1974年の出版。「めがね」はアメリカ1969年、日本1975年の出版です。
・ピーターのてがみ
これまで誰にも手紙を書いたことのないピーターが、お誕生会の招待状を書きました。あて先は、近くに住んでいるエイミーという女の子。
「ぼくの たんじょうかいに おんなのこが きてると、おとこのこたちは どういうかな」と考えながら歩いていると、強い風がふいて、手紙がとんでいってしまいます。
なんどか つかまえられそうになっても、手紙は あっちへこっちへ。大粒の雨も おちはじめました。
そのとき、かどをまがってきたのはエイミー。手紙はエイミーのほうに まっすぐ。いまみられると びっくりさせられないと ピーターが追いかけると、エイミーに どしんと ぶつかってしまいます。いそいで手紙を郵便箱に手紙をおしこみ エイミーのほうを ふりかえってみますが もうエイミーは、泣きながら かけていってしまいます。
土曜日の誕生会に、ともだちは みんなやってきますが エイミーはいません。
ケーキをだそうとする おかあさんに ピーターは「もうちょっとまって」といいますが、男のたちは がまんできません。
すると、そのとき ドアが開き・・・。
男の子たちに冷やかされるのを気にしながら、エイミーの家の前を通り過ぎて、手紙を出すに行くピーター。手紙を書いたのはいいが、いつやるか 書き忘れたピーターにアドバイスするおかあさん。エイミーがやってくるのか心配してうなずいているピーター。
「トラックいっぱいの アイスクリームがいいな! おみせ いっぱいの キャンデーもな。ただし おなかの いたっくならんやつをだせ!」と、ともだちのエディーが大声でさけぶ楽しい雰囲気の誕生会です。
ピーターがケーキのろうそくをけすときの ねがいごとは?
・ピーターのめがね
ピーターが空地の土管でみつけたのは モーターバイク用の かぜよけめがね。
ともだちのアーチと めがねをもって家に帰ろうとすると おおきなおとこの子たちに よこどりされそうになります。にらみ合っているうちに、いぬのウイリーが めがねをくわえて 塀の穴を 駆け抜けていきます。
ピーターは土管の中で、ウイリーとあいますが、大きな子たちもウイリーをさがしています。
ピーターが「ウイリー 駐車場であおうぜえ!」と 叫び声をあげると 大きな子は、その声につられて 去っていきます。そのすきにピーターとアーチー、いぬのウイリーは かくれがから はってでて 駆け出します。
ピーターたちのあそんでいるのは ゴミ捨て場。ベッドもすてられています。そして壁には落書きがいっぱい。工場の煙、アパートの屋上には洗濯物がなびいていて、少し前のニューヨークの下町がひろがっています。
ピーターは黒人の子ですが、この当時の黒人がおかれた状況も かいまみれます。