どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

こしたんたん

2023年05月31日 | 絵本(日本)

    こしたんたん/りとう ようい/絵本館/2023年

 

そろーり そろーり

いきをひそめているのは ジャングルのしげみの トラ。

ちっちゃな みずたまりにやってきたのは ちいさな うさぎ

シカも出てきて こころ ウキウキ 

このあたりで 食べる?

食べないの?

イノシシもやってきて

欲がどんどん出てきて

ウシまで でてきて

よだれ ダーラ ダラのトラ

ジリジリ ウズウズ ころあいよしと とびだした トラでしたが・・。

 

トラを見た うさぎやシカ、イノシシ、ウシの おどろいた顔が 抜群

トラは 無事獲物にありつけたのか?

憎めないトラの表情の変化が 楽しい。


とんち又ぜえ・・福岡

2023年05月30日 | 昔話(九州・沖縄)

         福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年

 

 昔、福間と博多のあいだをお客をのせて 行ったり来たりしていた馬方の又ぜえが、福間へ帰る途中、馬が急に立ち止まって動かなくなった。又ぜえが、手綱をひっぱっても、馬は動かない。そこへ、カランコロンと下駄の音。

 こんなさびしいところに、誰かいるかとみると、夜目にもくっきり、美しい振袖を着た若い娘。又ぜえは、心の中でポンと手をたたいた。「ここは花見松原。そんなら、あの女は、お三ギツネが ばけたんだな」。

 一人歩きはぶっそうだから、馬に乗せてやろうともちかけ、ブルブル、バタバタする馬をなだめて娘を馬に乗せ、それから、「あんた、馬は、はじめてだな。そんなひっぴり腰じゃ落ちてしまう。」と、娘の返事も聞かず、娘を、ぐるぐる馬にくくりつけてしまった。あっというまのことなので、お三ギツネもどうすることもできない。

 家に帰り、娘を土間にほうりなげると、そのはずみに正体をあらわした お三ギツネに、「お前は、しょっちゅういたずらばかりして、人を困らせている。今夜はキツネ汁にして、くってやるぞ」と、又ぜえがどなると、お三ギツネは びっくりぎょうてん。

 又ぜえは、命乞いするキツネに、金の茶釜にばけさせ、その茶釜を、三百両の大金でご隠居に売り込む。ご隠居が、すぐに茶釜に水を入れ、火にかけると、お三ギツネは正体を現し、うらの山へ逃げてしまった。

 ご隠居は、血相変えて又ぜえのところに、怒鳴り込むが、又ぜえは、寝ている。枕もとで、だましたなと怒鳴ると、又ぜえは、すましたもの。「この四、五日、病気して茶釜を売りに行けるはずがない。それは多分、お三ギツネが あたしにばけて ご隠居さんをだましとばい」という。証拠もなく、ご隠居さんは、しおしおと家を出て行った。

 ご隠居が帰ると、又ぜえは、布団の下から、三百両の金づつみを出し、天井裏に隠すと、大きなあくびをして、こんどは本当に寝床の中にもぐりこんだ。 

 

 とちゅう、キツネに金の茶釜にばけさせるのに、タヌキが文福茶釜にばけた話を持ち出すあたり、又ぜえさん、むかし話を聞いて育ったのか。

 小学校の六年生が、挿絵を描いていますが、味のある版画の挿絵です。


かんづめ あけよう

2023年05月29日 | 五味太郎

    かんづめ あけよう/五味太郎/童心社/2018年(8画面)

 

なんのかんづめかな?とあけてみると

でてきたのは かんづめハンバーガーやさん

そう ハンバーバーをつくるかんづめ

あっというまに スペシャル・ビーフ・ハンバーガーのできあがり

おじいさんのは シャケをいれた ダブル・スペシャル・ビーフ・アンド・シャケ・バーガーでした。

 

かんづめから 人が出てくるという発想は、五味さんならでは! 

頭がかたい大人には無理。五味さんの頭は よほど やわらかいようですよ。

今は珍しい 缶切りであけるのは、おじいさんの シャケの 缶詰でした。


きみも こねこなの?

2023年05月29日 | 絵本(外国)

  きみも こねこなの?/エズラ・ジャック・キーツ:作・絵 当麻ゆか・訳/徳間書店/2017年

 

4匹のこねこがあそんでいるところへ、こいぬが いっぴき やってきました。

「きみも こねこなの?」と、きかれ こいぬは 「えっと……そう!」と こたえ いっしょに あそび はじめます。

ミルクを ペチャ ペチャ ついでに くちについた ミルクを ペロリ

いすのうえから おちて こいぬは キャン!

すると ねずみが チョロリ

こいぬが ねずみを おいかけますが 壁にドン!

おかあさんが むかえにきて・・・。

 

文章は 最低限。 色が違う ねこの ひょうじょうをみるだけでも 楽しめます。


宝満山のタヌキ・・福岡

2023年05月28日 | 昔話(九州・沖縄)

        福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年

 

 大宰府の後ろにあった宝満山には、タヌキがおったが、いつのまにか いなくなったという。

 何があったのか?

 ときどき、山のてっぺんから下界を眺めていたタヌキ。田んぼに大水がでていても、人間は平気で仕事をしている。

 このあいだは、大水がでていると思っていたら、今日は どこをみても緑色。

 またまた下界をみてみると、今度は黄色。そのあとは茶色。

 「人間に近寄ったら、ろくなことはなかぞ。」。そげんいうて、タヌキは宝満山からどこかへにげていってしもうたげな。

 

 よそへいっても、おなじような景色がひろがっていたはずなので、タヌキは安住の地をみつけられたのかどうか?。


はりねずみのルーチカ りんご とれるかな?

2023年05月27日 | 絵本(日本)

   はりねずみのルーチカ りんご とれるかな?/作・絵:北見葉胡 原案・かんの ゆうこ/講談社/2018年

 

ぽかぽかいい天気。はりねずみのルーチカが、さんぽにでかけました。

リンゴが一個なっている木をみつけ、とろうとしますが 木の前の川に ぽっちゃーん。

ぷかぷか ながれて また リンゴを発見。

とびつくと おっこちて くるりん ころ ころ。

どっしーんと ぶつかると リンゴが ぽと ぽと。

リンゴが いっぱいとれて みんなをよんで・・・。

 

リンゴから 青虫が 顔を出しているのが ご愛敬。


独り占めしないルーチカでした。


どろねこちゃんに なっちゃった

2023年05月26日 | 紙芝居

  どろねこちゃんに なっちゃった/作・たけした ふみこ 絵・おくはら ゆめ/教育画劇/2018年(8画面)

 

しろねこちゃんと、みけねこちゃん。 どろの おやまを つくっていたら、どろねこちゃんになって どっちがどっちだか わからない。

お母さん、おおきな網を持ってきて 二ひき いっぺんに つかまえちゃった。

さあ、おふろだ

せっけんつけて ごしごし。

シャンプーつけて ふわっ ふわっ ふわっ

あったか シャワーで しゃわ しゃわ しゃわ

ほうら きれい さっぱり。

 

副題が「おふろ やだもんやだもん」。「やだもんシリーズ」の一冊。おふろのあとの さっぱり感。かえるも まっくろになって 自分であらっていました。


キスなんて だいきらい

2023年05月25日 | 絵本(外国)

    キスなんて だいきらい/トミー・ウンゲラー・作 矢川澄子・訳/好学社/2023年

 

 ねこのパイパー いつもなら 教室に、のみとりこやマタタビをやたらにふりまき、女の子のえりくびに 工作の のりを つっこむなど いたずらばかりしているのに、今日は やけに しゅんとしている。

 クラスの子にからかわれ 組一番悪のジェフととっくみあい。ハイパーの耳がちぎれかけ どくどくと 血が止まらない。えいせいしつにいくことになって、まずはジェフにすすめられトイレに隠れて 葉巻で 一服してから 衛生室へ。

 看護師さんのクロットさんが、ハイパーの とぎれた耳を ぬいつけ、頭を包帯でぐるぐる巻き。

 昼休みに お昼を おごろうとやってきた 母親のポーは ぼうやのけがをみて なみだがぼろぼろ、むすこを だっこしながら キスぜめ。病院へ! タクシーと 大騒ぎ。

 ところが ハイパーは 「おはよう おやすみ ありがとう かわいそう あついから さむいから べたべた どろどろのキス。人前で キス いやなんだ。」と 母さんの手を 振り切って わめく。そんな ハイパーを タクシーにおしこめレストランへ行くが、ごちそうにも 手をつけないパイパー。話もできなくて 気まずくなって・・。

 学校に戻ったパイパーは、なぜか かんしゃくだま、よくとぶパチンコ、クラッカーのせっとを クラスの子に売ってお金を工面すると早引けし、花屋で 黄色いバラをかって 家へ・・・。

 

 子離れできない母親と、親離れしたい 反抗期で ちょっと突っ張っているハイパーの どこかでみたことのある風景。オチと、そこまでいくギャップの大きさが 際立つ。

 顔も洗わない、歯磨きがきらい 歯磨きしたふりの偽装工作をする トイレでまんがに読みふけるパイパーに 自分もそうだったと 話す父さん。ただ きつーい一言。「歯医者だけは だませなかったね。」
 
 カバンに いきている 大グモを いれられながら しゅんとしている パイパーをみて 「どこか ぐあいでも わるいの? なんなら えいせいしつへ おゆきなさい。」と、声をかけるパリボ先生。 
 薬棚にヘビをいれられ 耳を ぜんぶぬりつぶしてやると 脅し 包帯を巻き終わると 「いかすわ。それで あかいリボンと ヒイラギでも つければ、まるで クリスマス・プレゼントみたい。」と、くすくす する看護のクロットさん、
 わめくパイパーに「おふくろさんに あんなこと いうもんじゃない。はずかしいと思えよ」と声をかけるタクシードライバー。

 なんだかんだといいながら、見守られているパイパー。大喧嘩をしながら、すぐに仲良くなって 葉巻をすすめる悪ガキ。 

 母親に なにかと反抗するパイパーのまわりには、ちっとやそっとでは 動じない 大人がいて 悪ガキのパイパーも 安心して 羽をのばせています。

 初版は1974年。


瓜生島とえびすさま・・大分

2023年05月24日 | 昔話(九州・沖縄)

        大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年

 

 昔、別府の海にあったという瓜生島の伝説。

 瓜生島には、島の守り神として、えびす様が祭られており、えびす様の顔が赤くなったときは島が沈んでしまうという言い伝えがあった。反対に、えびす様を大事にして、島じゅうなかよくしていれば、ご利益もあり、魚もたくさんとれるというので、島の人たちは、毎朝交代で、えびす様におまいりし、おそなえして、島の無事なくらしをお願いしていた。

 この島に、悪太郎と島じゅうから呼ばれ、つまはじきにされているきぬ平という若者がいた。悪太郎は、浜に干してある魚に、砂をかけたり、畑にいって、いもをだまって持ち帰るなど、悪さをしかけて、島の人がこわがったり、びっくりしている姿をみてよろこぶしまつ。

 ある日、えびす様におそなえしただんごや赤飯をよこどりしていたところが見つかり、ふくろだたきにされた悪太郎。えびす様の顔に、こっそり べにがら(赤えのぐ)を ぬって、「あしたは、島中がおおさわぎじゃ。」と、ぐっすりねこんでしまう。

 翌朝、島の人がえびす様の顔を見て大騒ぎ。気の早いものは船を出して逃げ出したが、大部分の人は島への愛着から、どうしても逃げ出す気になれなかった。ところが、悪太郎からえびす様にいたずらをした日から、地鳴りがいっそうはげしくなって、島全体が揺れ始めた。島の向こう岸の高崎山、それにつづく山々が、いっせいに火を噴き、火の柱が空を焦がしたので、島の人々は、「島が沈むぞ」と、別府や日出の浜に向かって逃げ出した。島にはたったひとり悪太郎が残った。

 悪太郎が、無人の島に残された食べ物をたらふくたいただいて、お殿様のようなくらしをさせてもらうわい。」と笑ったとき、風が起こり、一面に雨雲が広がり、海の色がみるみるうちに黒々して、その上を白い三角波が走り、地がさけ、津波が。

 悪太郎は津波にのみこまれ、泣き叫ぶが、もうあとのまつり。瓜生島は地滑りを起こして、別府の海の底にのまれていった。


かえるのごほうび

2023年05月23日 | 絵本(日本)

    かえるのごほうび/木島始・作 梶山俊夫・レイアウト/福音館書店/2021年新装版

 

 1967年発行の新装復刊。

 800年から900年くらいまえにつくられた鳥獣戯画。教科書でみたような記憶がよみがえってきました。鳥獣戯画は 詞書(ことばがき)もなく、継ぎ接ぎだらけで、誰が何のために描いたどんな話なのか、よくわかっていないといいます。作者は、こんな絵巻物を、子どもたちが楽しめるように 物語を 組み立てなおしたとありました。

 

 森のお祭りで、一等賞になった かえるが急死。葬式で おそなえしたごほうびを さるの おぼうさんが ひとりじめ。ところが かえるは、死んだのではなく さるが ねむりぐすりで、ねむらせたもの。ひみつがばれて、さるは うさぎと かえるに おいかけられ おいかけられ・・・・。

 的あて、相撲があって、でてくるのは かえる、うさぎ、さる、しか、いのしし みみずく。

 文も テンポ抜群。 


いたずらこひつじ

2023年05月22日 | 紙芝居

    いたずらこひつじ/脚本・こが ようこ 絵・市居 みか/童心社/2018年(8画面)

 

 男の子のラッタと こひつじのルッタは、とってもなかよし。ところが、山にいったとき、ルッタは、木の実で ラッタの上着をベット ベト! にしてしまいました。

 ラッタが 泣きながら 家に 帰ると おかあさんは なんと 毛を刈るハサミをもってきて ジャキ ジャキ ジャッキ ジャッキ やりはじめました。

 お母さんが、毛糸にして 編んでくれたのは?

 

 こひつじのルッタには、上着を汚していけないというのは、お母さんが言う通り、たしかにわかりませんよね。ラッタが、毛を刈られたルッタをかわいそうと思うのは やっぱり なかよしなのかな。


おじさんのぼうしは どこいった?

2023年05月21日 | 絵本(外国)

   おじさんのぼうしは どこいった?/ジョアン・L・ノドセット・文 フリッツ・シーベル・絵 やすだふゆこ・訳/出版ワース/2021年

 

 農場に住むおじさんの、大のお気に入り、古くて茶色の帽子が風にさらわれて 飛んでいってしまいました。

 おじさんは納屋の中、鳥小屋を探し、リスに聞きました。ねずみにも聞きました。ハエ、ヤギ、カモにも 聞きました。

 小鳥に聞くと、「まるくて ちゃいろい すてきな すなら、みつけましたよ。」

 おじさんが 木に登ってみると 茶色の帽子の中に ちいさなたまごが ひとつ。

 おじさんの ふるい麦わら帽子に にていますが とりあげる気などは まったくありません。新しい麦わら帽子を 買いました。

 

 農場に住む動物たちがどれも、いいかんじ。牧歌的な風景も 素敵です。麦わら帽子は リスには、ちゃいろいとり、ハエには ちゃいろい やま、ヤギには まるくてちゃいろい鉢植え、カモには ちゃいろいボートに 見えたようですよ。 

 初版は1963年。アメリカで親子三代にわたって愛された絵本とありました。


地蔵とまま子・・大分

2023年05月20日 | 昔話(九州・沖縄)

     大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年

 

 おっかあからいわれ、まま子は底のない袋、妹は底のある袋をもって、しいの実をひろいにいった。

 まま子(ねえねえ)は、袋がいっぱいにならず、いつのまにか日が暮れてしまい、ねるところをさがしよったら、石の地蔵さまにおうた。ねえねえが一心におがみよったら、お地蔵さまが「こりゃあ、かわいそうな子じゃあ、これでごはんをたいて食べなさい」と、米と金の鍋と金の茶碗と箸をくれたんと。ねえねえは、金の茶碗に飯をもって、一番にお地蔵さまにそなえ、自分は、木の葉に飯をついで、竹の箸で食べたと。そしたらお地蔵さまは、「ここのあたりには、毎晩鬼が集まるところだから、用心してねろや。鬼どもが来たら、ニワトリの鳴くまねをしてみろや」といって、蓑と笠をかしてくれたと。

 ねえねえが、うつらうつらねむっているうち、鬼どもが九ひきも十ぴきもでてきて、あっちにチャリン、こっちにチャリン、チャリンと小判をまいて遊びまわった。目をさましたねえねえが、地蔵さまにしがみついていたが、地蔵さまに言われたように、「コケコッコー、コケコッコー」と、鳴きまねをすると、夜が明けたと思った鬼どもは、山の奥へいってしもうた。

 小判をもちかえったねえねえの話をきいて、おっかあは、欲を出して、ふたりのむすめを、しいの実とりにやったんよ。こんどは、ねえねえには底のある袋、妹には底のない袋。妹は、自分で金の茶碗と箸で飯を食い、木の葉についだ飯に、竹の箸はお地蔵さまに。そして鬼どもがあらわれるが・・・。

 

 ふしぎなことだらけですが、これが昔話の典型です。


ぼくのスカート

2023年05月19日 | 絵本(外国)

    ぼくのスカート/作・ピーター・ブラウン 訳・監修・日高庸晴/小学館/2023年

 

フレッドは、はだかんぼ。

はだかんぼで、いえじゅうを ぴょん ぴょん

じぶんの へやにいって ぴょんぴょん してから ろうかを よこぎって

おとうさんと おかあさんの クローゼットに そろそろと はいってみます

おとうさんの ふく シャツ ネクタイをとりだし きてみました

なんだか にあわないみたい

おかあさんの ブラウスと スカーフと くつを そおっと とりだし つけてみると

なんだか いいかんじ

こんどは おかあさんの けしょうどうぐの ひきだしを あけ ネックレスをつけ くちべにで いたずらがき

そこへ お父さん おかあさんが へやにはいってきて・・・

 

フレッドは 男の子ですが おとうさん おかあさん フレッドといっしょに 口紅をつけたり、髪をとかしたり。 

 

フレッドが トランスジェンダーかは わかりませんが 男の子がスカートをはいたり、化粧するのは 男の子らしくないという風潮を やんわり いましめています。両親の対応が素敵ですが、両親のほうが まだまだ固定観念にとらわれているようですよ。


わたしのかさは そらのいろ

2023年05月18日 | あまんきみこ

   わたしのかさは そらのいろ/あまんきみこ・作 垂石眞子・絵/福音館書店/2015年(2006年初出)

 

なくした傘のかわりに お母さんにかってもらったのは そらいろのかさ。

「あおが すきなの。だって、はれた ひの そらの いろよ」

雨の日、「わたしの かさは そらのいろ あめの なかでも いいてんき」と、うたいながらいくと、くさむらから こねずみたちが やってきて、「いーれて」「いーれて」「いーれて」

きのかげや くさのあいだから とびだしてきたのは こうさぎや。こぎつね。

むしや すずめや はとたちまで、「いーれて」「いーれて」「いーれて」

おともだちも 傘の中に はいってきました。

見上げて、びっくり。青い傘は、ずんずん ずんずん ひろがっていたのです。傘は あおぞら。

傘をまわし、「わたしの かさは そらのいろ あめの なかでも いいてんき」と、歌っていると・・・。

 

これから梅雨。雨にも楽しさを見つけてしまう子ども。みんなで歌を歌ったら、雨の日も楽しくなりそう。

傘の下で、踊ったり、手をつないでぐるぐるまわったり 笑顔がはじけています。